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弁当
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87 弁当
「フェル。ちょっとゼランドさんのところに寄ってもいい?買いたいものがあるんだ」
お店が閉まるギリギリの時間になってしまったので急いで商会に向かう。
店に入ってまだ時間は大丈夫か聞くと、昨日も接客してくれた店員さんが笑顔で大丈夫です、と答えてくれた。
割り札みたいなのを作りたいと店員さんにいうと、そういう色付きの札があるという。在庫の管理に使ったりするみたいだ。
値段を聞いたらそんなに高くなくって、10枚組で銅貨1枚。
赤、青、緑、黄色と白にした。
あとはこれに数字を書きたいと言うと、マジックペンのようなものを出してくれたので、それを買う。
あとはカバンか。
2階に上がって布製の程よい大きさのショルダーバッグを選ぶ。一番安いやつにした。
閉店間際に対応してくれてありがとうと店員さんにお礼を言って、店を出た。
「……それで、セシルと朝ギルドで出会ってな。赤い風と依頼を一緒に受けたのだ。南の森の調査でな、今日だけでは回り切れなかったので明日も行くことにした。お弁当はみんなに羨ましがられたぞ。リンが欲しがっていたが、それはしっかりと断った」
お風呂上がり、髪を乾かしながらフェルが今日あったことを話してくれる。なんかいいな。こういうの。
「僕は今日は結構大変だったよ。ちょっと仕事で使いたいものを帰ったら作ろうと思うんだけど、ちょっと手伝ってもらえる?」
「構わないぞ。しかし、夜に行った時はそんなに大変そうに見えなかったが、やはり客が混む時間は相当大変なのか?」
「うん。あの店けっこう繁盛してるんだよ。席数が少ないんだけどね、次々にお客さんが入ってきて、いちいち顔を覚えてられないから、割符のようなものを作って、お客さんの注文を間違えないようにしようと思って」
「なるほどな。その割符と代金を一緒に貰えば、間違えることはないな。さすがだ」
「よくわかったね。そうなんだ。明日はマヨネーズも増えるからね、混乱しないように用意しておきたいんだ」
家に帰って買ってきた札に数字を書いていく。フェルの方が字がうまかった。
作った札は1から30まで数字を書いたのを2組ずつ。けっこう嵩張るな。何か明日入れ物を用意しよう。とりあえずお皿とかでいいか。サラダを入れる皿はけっこういっぱいあったし。
次の日フェルと一緒に朝のランニングに出掛けて、ラウルさんのところで卵を30個買った。ラウルさんに「実は定食屋で働くことになったのだけれど、そこでマヨネーズを出したいんだ」と伝える。配達はできないか聞いてみたら、配達はできないけどそういうところは仲買人が仕入れをして配達しているはずだという。まとまった数だったらその仲買人に話せばうちの店に取りに来るようにできると思うとラウルさんが言っていた。
「産みたてのやつがほしいんだろ?うちでも、もう少し鶏を増やそうかと相談してたから、大丈夫だぞ。安定して売れるようになればうちとしても助かるし」
ラウルさんにはまた明日来た時にどうするか伝えることにして代金を払って帰る。
卵は3個で銅貨1枚。30個で銅貨10枚だ。自分たちの食べる分も買って家に帰った。
お弁当箱におかずを詰める。
フェルがお弁当の中身は教えないでくれというので、フェルから見えないところで作った。かわいいな、フェル。
おにぎりは屋台で使っている油紙で包んだ。これはさっき市場でたまたま見つけたものだ。100枚束で銅貨5枚だった。
おにぎりは3個。今日は梅干しが2個と特製のふりかけのおむすびにした。
ふりかけあと少ししかないな。お昼休みに厨房貸してもらって作ろうかな。
昨日買ったカバンにマジックバッグから必要なものを取り出す。
一通りの調理器具と、賄いで使う調味料を入れたらちょうどカバンがいっぱいになる。
「マジックバッグはケイが持っていていいのだぞ。私は前にケイが買ってくれたカバンがあるからな」
「マジックバッグにはポーションも入れてたりするからね。それにある程度狩った獲物が入れられるような物を持ってたほうがいいよ。あ、そうだ、キノコとかあったら森で採取しといてよ。あくまで依頼のついででいいからさ」
「そんなものお安いご用だ。私ももっと野草に詳しければいいのだがな。今日はリンにでも聞いて見つけたら採取してくることにしよう」
だいぶリンさんとは仲良くなったみたいだ。ギルド前でフェルと別れて店に行く。
昨日より少し遅くなってしまった。
店に着いてまず掃除からはじめる。昨日フェルが手伝ってくれたから、掃除は簡単に済ませることが出来た。余った時間で看板を綺麗にする。
野菜の皮剥きはピーラーが大活躍する。持ってきてよかった。
ホランドさんはこれも欲しいと言い出して、たぶんそろそろゼランド商会で売りに出すから今度買ってくると言っておいた。
たぶん泡立て器も魔道具化して売りに出すんじゃないかな?
買ってきたタマゴでマヨネーズを作る。泡立て器のおかげで簡単に作れた。腕は疲れたけど。
それからホランドさんを手伝って仕込みを終わらせて一息つく。
「ケイくんがいると楽でいいよ。ずっとうちで働いてくれたらいいんだけどね。うちは小さい店だからそうも行かないんだ」
そのあとホランドさんに昨日作った数字を書いた札を見せて、使ってもいいか確認する。ホランドさんはこれを見て感心していたが、この数字が1周したら何か紙に印をつけて欲しいと言ってきた。
なるほど、そうしたら何がどれだけ売れたかが、後でわかるのか。
ホランドさんも忙しくなってくると注文されたものを忘れてしまうことがあって、忙しい時には紙に注文を書いてそれを見ながら作っていたらしい。
札は注文された順にホランドさんと決めた場所に並べていくことにして、ホランドさんはその札と一緒に料理を出すことにした。
お昼休みに厨房を使いたいと言うと好きにして良いと言われる。何を作りたいのか聞かれて、フェルがお弁当を楽しみにしてるからその仕込みを少しやりたいと伝える。ホランドさんは優しく微笑んで、余っている食材なら使っていいと言ってくれた。
時間が来たので開店だ。今日もたくさんお客さんが来るといいな。
「フェル。ちょっとゼランドさんのところに寄ってもいい?買いたいものがあるんだ」
お店が閉まるギリギリの時間になってしまったので急いで商会に向かう。
店に入ってまだ時間は大丈夫か聞くと、昨日も接客してくれた店員さんが笑顔で大丈夫です、と答えてくれた。
割り札みたいなのを作りたいと店員さんにいうと、そういう色付きの札があるという。在庫の管理に使ったりするみたいだ。
値段を聞いたらそんなに高くなくって、10枚組で銅貨1枚。
赤、青、緑、黄色と白にした。
あとはこれに数字を書きたいと言うと、マジックペンのようなものを出してくれたので、それを買う。
あとはカバンか。
2階に上がって布製の程よい大きさのショルダーバッグを選ぶ。一番安いやつにした。
閉店間際に対応してくれてありがとうと店員さんにお礼を言って、店を出た。
「……それで、セシルと朝ギルドで出会ってな。赤い風と依頼を一緒に受けたのだ。南の森の調査でな、今日だけでは回り切れなかったので明日も行くことにした。お弁当はみんなに羨ましがられたぞ。リンが欲しがっていたが、それはしっかりと断った」
お風呂上がり、髪を乾かしながらフェルが今日あったことを話してくれる。なんかいいな。こういうの。
「僕は今日は結構大変だったよ。ちょっと仕事で使いたいものを帰ったら作ろうと思うんだけど、ちょっと手伝ってもらえる?」
「構わないぞ。しかし、夜に行った時はそんなに大変そうに見えなかったが、やはり客が混む時間は相当大変なのか?」
「うん。あの店けっこう繁盛してるんだよ。席数が少ないんだけどね、次々にお客さんが入ってきて、いちいち顔を覚えてられないから、割符のようなものを作って、お客さんの注文を間違えないようにしようと思って」
「なるほどな。その割符と代金を一緒に貰えば、間違えることはないな。さすがだ」
「よくわかったね。そうなんだ。明日はマヨネーズも増えるからね、混乱しないように用意しておきたいんだ」
家に帰って買ってきた札に数字を書いていく。フェルの方が字がうまかった。
作った札は1から30まで数字を書いたのを2組ずつ。けっこう嵩張るな。何か明日入れ物を用意しよう。とりあえずお皿とかでいいか。サラダを入れる皿はけっこういっぱいあったし。
次の日フェルと一緒に朝のランニングに出掛けて、ラウルさんのところで卵を30個買った。ラウルさんに「実は定食屋で働くことになったのだけれど、そこでマヨネーズを出したいんだ」と伝える。配達はできないか聞いてみたら、配達はできないけどそういうところは仲買人が仕入れをして配達しているはずだという。まとまった数だったらその仲買人に話せばうちの店に取りに来るようにできると思うとラウルさんが言っていた。
「産みたてのやつがほしいんだろ?うちでも、もう少し鶏を増やそうかと相談してたから、大丈夫だぞ。安定して売れるようになればうちとしても助かるし」
ラウルさんにはまた明日来た時にどうするか伝えることにして代金を払って帰る。
卵は3個で銅貨1枚。30個で銅貨10枚だ。自分たちの食べる分も買って家に帰った。
お弁当箱におかずを詰める。
フェルがお弁当の中身は教えないでくれというので、フェルから見えないところで作った。かわいいな、フェル。
おにぎりは屋台で使っている油紙で包んだ。これはさっき市場でたまたま見つけたものだ。100枚束で銅貨5枚だった。
おにぎりは3個。今日は梅干しが2個と特製のふりかけのおむすびにした。
ふりかけあと少ししかないな。お昼休みに厨房貸してもらって作ろうかな。
昨日買ったカバンにマジックバッグから必要なものを取り出す。
一通りの調理器具と、賄いで使う調味料を入れたらちょうどカバンがいっぱいになる。
「マジックバッグはケイが持っていていいのだぞ。私は前にケイが買ってくれたカバンがあるからな」
「マジックバッグにはポーションも入れてたりするからね。それにある程度狩った獲物が入れられるような物を持ってたほうがいいよ。あ、そうだ、キノコとかあったら森で採取しといてよ。あくまで依頼のついででいいからさ」
「そんなものお安いご用だ。私ももっと野草に詳しければいいのだがな。今日はリンにでも聞いて見つけたら採取してくることにしよう」
だいぶリンさんとは仲良くなったみたいだ。ギルド前でフェルと別れて店に行く。
昨日より少し遅くなってしまった。
店に着いてまず掃除からはじめる。昨日フェルが手伝ってくれたから、掃除は簡単に済ませることが出来た。余った時間で看板を綺麗にする。
野菜の皮剥きはピーラーが大活躍する。持ってきてよかった。
ホランドさんはこれも欲しいと言い出して、たぶんそろそろゼランド商会で売りに出すから今度買ってくると言っておいた。
たぶん泡立て器も魔道具化して売りに出すんじゃないかな?
買ってきたタマゴでマヨネーズを作る。泡立て器のおかげで簡単に作れた。腕は疲れたけど。
それからホランドさんを手伝って仕込みを終わらせて一息つく。
「ケイくんがいると楽でいいよ。ずっとうちで働いてくれたらいいんだけどね。うちは小さい店だからそうも行かないんだ」
そのあとホランドさんに昨日作った数字を書いた札を見せて、使ってもいいか確認する。ホランドさんはこれを見て感心していたが、この数字が1周したら何か紙に印をつけて欲しいと言ってきた。
なるほど、そうしたら何がどれだけ売れたかが、後でわかるのか。
ホランドさんも忙しくなってくると注文されたものを忘れてしまうことがあって、忙しい時には紙に注文を書いてそれを見ながら作っていたらしい。
札は注文された順にホランドさんと決めた場所に並べていくことにして、ホランドさんはその札と一緒に料理を出すことにした。
お昼休みに厨房を使いたいと言うと好きにして良いと言われる。何を作りたいのか聞かれて、フェルがお弁当を楽しみにしてるからその仕込みを少しやりたいと伝える。ホランドさんは優しく微笑んで、余っている食材なら使っていいと言ってくれた。
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