フェル 森で助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと一緒に暮らす話

カトウ

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研究

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 94 研究

 朝早く起きて市場までフェルと走る。
 2人で走るのはもう日課になってきた。

 タマゴを多めに買って来た。
 昨日昼休みに買った分ではきっと全然足りない。
 昨日はマジックバッグを持っていなかったので、買えなかったお米と調味料を買い込む。安くしてくれて助かる。

 今度炊き出しを食べに来てとお店の人に伝えて米を売ってる店を出た。

 そのあとギルドに寄って鍋を借りて、家に戻る。

 寸胴鍋で骨から出汁を取る。その間もずっとホーンラビットの肉を一口大に切り分け続けた。油……足りるかな。

 切り分けた肉を大きなボウルで3つ分とりあえず取り分けて下味をつける。
 少しずつ分量を変えて3種類の唐揚げを用意した。実験してるみたいで少しスラムの人たちに悪い気もしたけど、この機会に唐揚げの研究をしてみよう。

 フェルにお米を炊くのをお願いして、唐揚げの衣を作る。

 実は片栗粉があったのだ。

 唐揚げを揚げる粉が小麦粉だけでないことに気づいて、ホランドさんに聞いてみたら片栗粉のような粉を、カラッとあげるために小麦粉に混ぜていると教えてくれた。
 ホランドさんから扱っている店を教えてもらって、昨日の昼に早速買いに行った。片栗粉は小麦粉とだいたい同じ値段で買えた。

 小麦粉と片栗粉の配分を変えて衣を作り、試しに少し揚げてみた。
 味は一番甘味と塩気のバランスがいいものがおいしく感じられた。
 でも冷めてきたら少し塩気が強いものが美味しいかもしれない。

 あと工夫するとしたら、生姜とかニンニクとか混ぜることかな。フェルに少し火の番を任せて市場に走った。
 身体強化をかけて全力で走ったら往復15分で戻って来れた。さっきの唐揚げにすりおろした生姜とニンニクを入れる。ニンニク、生姜両方あり、ニンニクなし生姜あり、ニンニクだけの3つを用意した。

 冒険者たちがゾロゾロ集まってくる。
 積極的に手伝ってくれる人もいれば、ただ後ろで騒いでる人もいる。でも手伝ってくれた人たちのおかげで、作業は順調に進んだ。

 そろそろ炊き出しの時間となった頃、さっきまで何もしてなかった人たちが急に動いて、スラムのみんなに呼びかけをする。
 集まった人たちをキレイに列に並ばせて会場を仕切り出す。
 いろいろ適材適所があるのかな。

「家で動けないでいる奴とか、病気にかかってる奴を知ってたりするやつはいるか?」

 背の高い冒険者がみんなに聞いて回る。

 そう言った人たちを助けて、場合によっては炊き出しを運ぶついでに誰かが様子を見にいく。
 怪我をした中年の男性がずっと寝込んでいて、ポーションを置いて来たと言っていた。僕がその分のポーションを渡そうとすると気にするなと冒険者は笑う。

「たまにはこういう善行ってやつを積むのもいいと思ってよ」

 無精髭を生やしたガタイのいい冒険者がそう言って笑う、笑うと余計に見た目が怖い。

 炊き出しは集まった冒険者たちのおかげで普段よりスムーズにみんなに配り終えることができた。
 ここからは集まって来てくれた人たちのために唐揚げを作ることにする。
 フェルにもう一回お米を炊くのをお願いして、先にギルドに鍋を返しに行った。解体場に行って、ホーンラビットを3匹、お肉にして売ってもらった。
 食堂のマスターに、今唐揚げの研究をしてるから、納得がいくものができたら持って来ますと言ったら笑顔で頭を撫でられた。

 戻ったら宴会の準備。油の鍋は2つ用意して、どんどん唐揚げを揚げていく。マヨネーズを付け合わせに出しておいたが、ふと思いつきで唐揚げの衣の中に入れてみる。どうなるかな?

 マヨネーズを入れた唐揚げはより美味しく感じられた。フェルも気に入ってくれたみたいだ。あまり入れすぎるとくどくなるけど、これは美味しい。

「ウサギ!なんか唐揚げが前より美味えぞ」

 そう言いだす冒険者もいる。

 ボウルいっぱいのホーンラビットの肉に対して、大さじ2杯のマヨネーズ。生姜とニンニクは同じくらい。味は表に出ないくらい控えめにする。
 マヨネーズを入れるなら少し砂糖を多めに入れたほうがいいみたいだ。

 何個か試してみて納得のいくようなものがようやく出来たので、あとで食堂のマスターに届けることにする。

 あたりはとっくにもう暗くなってしまっている。みんなはあかりの魔道具をそれぞれ出して唐揚げをツマミにビールを飲んで騒いでいる。

「お前ら!住人から苦情が来たじゃねーか。何やってんだ!」

 ギルマスが来てみんなに説教を始める。
 それでその日は解散になり、みんなどこかに消えていく。
 ギルマスに残っていた唐揚げを渡して僕たちは後片付けをする。

「ウサギ。この唐揚げ美味えじゃねえか。あれか?ミナミで作り方でも聞いたのか?」

「ミナミではまだスープしか作らせてもらってません。ホランドさんに唐揚げに使う粉を教えてもらって、今日はそれを使いましたけど」

「あそこの味付けとは違うが、なかなかいいじゃねえか。お前らギルドで朝飯とか売るつもりはないか?けっこう儲かると思うぞ」

「まだまだ、お店を始めるのは実力不足ですよ。でもそういうのもいいかもしれませんね。みんな朝ごはんは苦労してると思うし」

「そうなんだよな。この辺で朝飯を出す料理屋は少ないしな。まあほとんどが宿暮らしだからなんとかなってるが、依頼によっては朝早く出ることもある。ちゃんと飯を食ってりゃ怪我をすることも減るんだぜ。昔、人から聞いた話だけどな」

 ギルマスと3人でギルドに戻り、食堂のマスターに唐揚げを渡した。

「まぁ合格だな。なかなかいい味じゃねえか。頑張ったな」

 また頭を撫でられた。








 
 





 
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