93 / 318
研究
しおりを挟む
94 研究
朝早く起きて市場までフェルと走る。
2人で走るのはもう日課になってきた。
タマゴを多めに買って来た。
昨日昼休みに買った分ではきっと全然足りない。
昨日はマジックバッグを持っていなかったので、買えなかったお米と調味料を買い込む。安くしてくれて助かる。
今度炊き出しを食べに来てとお店の人に伝えて米を売ってる店を出た。
そのあとギルドに寄って鍋を借りて、家に戻る。
寸胴鍋で骨から出汁を取る。その間もずっとホーンラビットの肉を一口大に切り分け続けた。油……足りるかな。
切り分けた肉を大きなボウルで3つ分とりあえず取り分けて下味をつける。
少しずつ分量を変えて3種類の唐揚げを用意した。実験してるみたいで少しスラムの人たちに悪い気もしたけど、この機会に唐揚げの研究をしてみよう。
フェルにお米を炊くのをお願いして、唐揚げの衣を作る。
実は片栗粉があったのだ。
唐揚げを揚げる粉が小麦粉だけでないことに気づいて、ホランドさんに聞いてみたら片栗粉のような粉を、カラッとあげるために小麦粉に混ぜていると教えてくれた。
ホランドさんから扱っている店を教えてもらって、昨日の昼に早速買いに行った。片栗粉は小麦粉とだいたい同じ値段で買えた。
小麦粉と片栗粉の配分を変えて衣を作り、試しに少し揚げてみた。
味は一番甘味と塩気のバランスがいいものがおいしく感じられた。
でも冷めてきたら少し塩気が強いものが美味しいかもしれない。
あと工夫するとしたら、生姜とかニンニクとか混ぜることかな。フェルに少し火の番を任せて市場に走った。
身体強化をかけて全力で走ったら往復15分で戻って来れた。さっきの唐揚げにすりおろした生姜とニンニクを入れる。ニンニク、生姜両方あり、ニンニクなし生姜あり、ニンニクだけの3つを用意した。
冒険者たちがゾロゾロ集まってくる。
積極的に手伝ってくれる人もいれば、ただ後ろで騒いでる人もいる。でも手伝ってくれた人たちのおかげで、作業は順調に進んだ。
そろそろ炊き出しの時間となった頃、さっきまで何もしてなかった人たちが急に動いて、スラムのみんなに呼びかけをする。
集まった人たちをキレイに列に並ばせて会場を仕切り出す。
いろいろ適材適所があるのかな。
「家で動けないでいる奴とか、病気にかかってる奴を知ってたりするやつはいるか?」
背の高い冒険者がみんなに聞いて回る。
そう言った人たちを助けて、場合によっては炊き出しを運ぶついでに誰かが様子を見にいく。
怪我をした中年の男性がずっと寝込んでいて、ポーションを置いて来たと言っていた。僕がその分のポーションを渡そうとすると気にするなと冒険者は笑う。
「たまにはこういう善行ってやつを積むのもいいと思ってよ」
無精髭を生やしたガタイのいい冒険者がそう言って笑う、笑うと余計に見た目が怖い。
炊き出しは集まった冒険者たちのおかげで普段よりスムーズにみんなに配り終えることができた。
ここからは集まって来てくれた人たちのために唐揚げを作ることにする。
フェルにもう一回お米を炊くのをお願いして、先にギルドに鍋を返しに行った。解体場に行って、ホーンラビットを3匹、お肉にして売ってもらった。
食堂のマスターに、今唐揚げの研究をしてるから、納得がいくものができたら持って来ますと言ったら笑顔で頭を撫でられた。
戻ったら宴会の準備。油の鍋は2つ用意して、どんどん唐揚げを揚げていく。マヨネーズを付け合わせに出しておいたが、ふと思いつきで唐揚げの衣の中に入れてみる。どうなるかな?
マヨネーズを入れた唐揚げはより美味しく感じられた。フェルも気に入ってくれたみたいだ。あまり入れすぎるとくどくなるけど、これは美味しい。
「ウサギ!なんか唐揚げが前より美味えぞ」
そう言いだす冒険者もいる。
ボウルいっぱいのホーンラビットの肉に対して、大さじ2杯のマヨネーズ。生姜とニンニクは同じくらい。味は表に出ないくらい控えめにする。
マヨネーズを入れるなら少し砂糖を多めに入れたほうがいいみたいだ。
何個か試してみて納得のいくようなものがようやく出来たので、あとで食堂のマスターに届けることにする。
あたりはとっくにもう暗くなってしまっている。みんなはあかりの魔道具をそれぞれ出して唐揚げをツマミにビールを飲んで騒いでいる。
「お前ら!住人から苦情が来たじゃねーか。何やってんだ!」
ギルマスが来てみんなに説教を始める。
それでその日は解散になり、みんなどこかに消えていく。
ギルマスに残っていた唐揚げを渡して僕たちは後片付けをする。
「ウサギ。この唐揚げ美味えじゃねえか。あれか?ミナミで作り方でも聞いたのか?」
「ミナミではまだスープしか作らせてもらってません。ホランドさんに唐揚げに使う粉を教えてもらって、今日はそれを使いましたけど」
「あそこの味付けとは違うが、なかなかいいじゃねえか。お前らギルドで朝飯とか売るつもりはないか?けっこう儲かると思うぞ」
「まだまだ、お店を始めるのは実力不足ですよ。でもそういうのもいいかもしれませんね。みんな朝ごはんは苦労してると思うし」
「そうなんだよな。この辺で朝飯を出す料理屋は少ないしな。まあほとんどが宿暮らしだからなんとかなってるが、依頼によっては朝早く出ることもある。ちゃんと飯を食ってりゃ怪我をすることも減るんだぜ。昔、人から聞いた話だけどな」
ギルマスと3人でギルドに戻り、食堂のマスターに唐揚げを渡した。
「まぁ合格だな。なかなかいい味じゃねえか。頑張ったな」
また頭を撫でられた。
朝早く起きて市場までフェルと走る。
2人で走るのはもう日課になってきた。
タマゴを多めに買って来た。
昨日昼休みに買った分ではきっと全然足りない。
昨日はマジックバッグを持っていなかったので、買えなかったお米と調味料を買い込む。安くしてくれて助かる。
今度炊き出しを食べに来てとお店の人に伝えて米を売ってる店を出た。
そのあとギルドに寄って鍋を借りて、家に戻る。
寸胴鍋で骨から出汁を取る。その間もずっとホーンラビットの肉を一口大に切り分け続けた。油……足りるかな。
切り分けた肉を大きなボウルで3つ分とりあえず取り分けて下味をつける。
少しずつ分量を変えて3種類の唐揚げを用意した。実験してるみたいで少しスラムの人たちに悪い気もしたけど、この機会に唐揚げの研究をしてみよう。
フェルにお米を炊くのをお願いして、唐揚げの衣を作る。
実は片栗粉があったのだ。
唐揚げを揚げる粉が小麦粉だけでないことに気づいて、ホランドさんに聞いてみたら片栗粉のような粉を、カラッとあげるために小麦粉に混ぜていると教えてくれた。
ホランドさんから扱っている店を教えてもらって、昨日の昼に早速買いに行った。片栗粉は小麦粉とだいたい同じ値段で買えた。
小麦粉と片栗粉の配分を変えて衣を作り、試しに少し揚げてみた。
味は一番甘味と塩気のバランスがいいものがおいしく感じられた。
でも冷めてきたら少し塩気が強いものが美味しいかもしれない。
あと工夫するとしたら、生姜とかニンニクとか混ぜることかな。フェルに少し火の番を任せて市場に走った。
身体強化をかけて全力で走ったら往復15分で戻って来れた。さっきの唐揚げにすりおろした生姜とニンニクを入れる。ニンニク、生姜両方あり、ニンニクなし生姜あり、ニンニクだけの3つを用意した。
冒険者たちがゾロゾロ集まってくる。
積極的に手伝ってくれる人もいれば、ただ後ろで騒いでる人もいる。でも手伝ってくれた人たちのおかげで、作業は順調に進んだ。
そろそろ炊き出しの時間となった頃、さっきまで何もしてなかった人たちが急に動いて、スラムのみんなに呼びかけをする。
集まった人たちをキレイに列に並ばせて会場を仕切り出す。
いろいろ適材適所があるのかな。
「家で動けないでいる奴とか、病気にかかってる奴を知ってたりするやつはいるか?」
背の高い冒険者がみんなに聞いて回る。
そう言った人たちを助けて、場合によっては炊き出しを運ぶついでに誰かが様子を見にいく。
怪我をした中年の男性がずっと寝込んでいて、ポーションを置いて来たと言っていた。僕がその分のポーションを渡そうとすると気にするなと冒険者は笑う。
「たまにはこういう善行ってやつを積むのもいいと思ってよ」
無精髭を生やしたガタイのいい冒険者がそう言って笑う、笑うと余計に見た目が怖い。
炊き出しは集まった冒険者たちのおかげで普段よりスムーズにみんなに配り終えることができた。
ここからは集まって来てくれた人たちのために唐揚げを作ることにする。
フェルにもう一回お米を炊くのをお願いして、先にギルドに鍋を返しに行った。解体場に行って、ホーンラビットを3匹、お肉にして売ってもらった。
食堂のマスターに、今唐揚げの研究をしてるから、納得がいくものができたら持って来ますと言ったら笑顔で頭を撫でられた。
戻ったら宴会の準備。油の鍋は2つ用意して、どんどん唐揚げを揚げていく。マヨネーズを付け合わせに出しておいたが、ふと思いつきで唐揚げの衣の中に入れてみる。どうなるかな?
マヨネーズを入れた唐揚げはより美味しく感じられた。フェルも気に入ってくれたみたいだ。あまり入れすぎるとくどくなるけど、これは美味しい。
「ウサギ!なんか唐揚げが前より美味えぞ」
そう言いだす冒険者もいる。
ボウルいっぱいのホーンラビットの肉に対して、大さじ2杯のマヨネーズ。生姜とニンニクは同じくらい。味は表に出ないくらい控えめにする。
マヨネーズを入れるなら少し砂糖を多めに入れたほうがいいみたいだ。
何個か試してみて納得のいくようなものがようやく出来たので、あとで食堂のマスターに届けることにする。
あたりはとっくにもう暗くなってしまっている。みんなはあかりの魔道具をそれぞれ出して唐揚げをツマミにビールを飲んで騒いでいる。
「お前ら!住人から苦情が来たじゃねーか。何やってんだ!」
ギルマスが来てみんなに説教を始める。
それでその日は解散になり、みんなどこかに消えていく。
ギルマスに残っていた唐揚げを渡して僕たちは後片付けをする。
「ウサギ。この唐揚げ美味えじゃねえか。あれか?ミナミで作り方でも聞いたのか?」
「ミナミではまだスープしか作らせてもらってません。ホランドさんに唐揚げに使う粉を教えてもらって、今日はそれを使いましたけど」
「あそこの味付けとは違うが、なかなかいいじゃねえか。お前らギルドで朝飯とか売るつもりはないか?けっこう儲かると思うぞ」
「まだまだ、お店を始めるのは実力不足ですよ。でもそういうのもいいかもしれませんね。みんな朝ごはんは苦労してると思うし」
「そうなんだよな。この辺で朝飯を出す料理屋は少ないしな。まあほとんどが宿暮らしだからなんとかなってるが、依頼によっては朝早く出ることもある。ちゃんと飯を食ってりゃ怪我をすることも減るんだぜ。昔、人から聞いた話だけどな」
ギルマスと3人でギルドに戻り、食堂のマスターに唐揚げを渡した。
「まぁ合格だな。なかなかいい味じゃねえか。頑張ったな」
また頭を撫でられた。
151
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる