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第382話:竜の子の聖痕と、新たな誓い
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リリアーナがアウレリウスを産んでから七日が過ぎ、アキオ家と町の主だった者たちが集まり、ささやかな命名の祝いの宴が開かれた。アウレリウスはアキオの腕の中で健やかな寝息を立てている。
「それにしても、リリアーナ。よく頑張ったな。アウレリウスか、いい名前だ」
「ええ、アキオ様。この子がこの聖域で太陽(アウレア)のように輝く優しい子に育つようにと願いを込めました」
リリアーナの表情は聖母のように穏やかだ。だが彼女は意を決したように一座を見渡した。
「皆様。本日は息子のためにこのような席を設けていただき、心より感謝申し上げます。その上で皆様にお伝えし、共有しておかねばならないことがございます」
静まり返る一同。リリアーナはアウレリウスの左手をそっと取り、その甲にある聖痕を皆に示した。
「この聖痕は皆様もご存知の通り、滅びたガルニア帝国の建国帝が持っていたとされるものと同じです。それは帝国の正統な後継者の証。これが公になれば、帝国の残党やその再興を掲げる者たちがこの子を政治の道具として担ぎ出そうとするかもしれません。聖域に新たな争いの火種を持ち込むことになるやもしれませぬ」
その言葉にセレスティーナや凛の表情が強張る。だがアキオは穏やかに、しかし断固として言った。
「その心配はない、リリアーナ」
アキオは立ち上がると、リリアーナの隣に座り、彼女と腕の中のアウレリウスを大きな腕で包み込むように抱きしめた。
「いいか、皆、よく聞いてくれ。この子は俺とリリアーナの子だ。それ以上でもそれ以下でもない。この聖痕は帝国の後継者の証なんかじゃない。この子がこの聖域でこれだけ多くの家族に愛され祝福されて生まれてきたという、ただそれだけの『証』だ。もしこの子を利用しようと企む輩が現れたなら、俺がこの聖域の全ての力をもって叩き潰す」
その言葉には絶対的な覚悟と、家族を守るという揺るぎない意志が込められていた。キナがニヤリと笑い、レオノーラが力強く頷く。聖域の誰もがその盟主の言葉に異を唱える者はいなかった。
その夜、アキオはリリアーナの私室を訪れた。アウレリウスがアキオの作った揺りかごの中ですやすやと眠っている。
アキオは揺りかごの横に跪くと、その小さな手にそっと口づけた。
「アウレリウス、お前は俺が守る。お前の母さんもこの聖域も全てだ。だから安心して大きくなれ」
そしてアキオはリリアーナに向き直り、彼女の震える肩を強く抱きしめた。
「リリアーナ。お前は俺にアウレリウスというかけがえのない宝物をくれた。今度は俺がお前に永遠の安心を贈る番だ」
「アキオ様……」
「もう、『アキオ殿』じゃないだろう?」
アキオが悪戯っぽく笑うと、リリアーナは顔を赤らめ、そして消え入りそうな、しかし確かな声で呟いた。
「……あなた……」
アキオは彼女に新しい誓いを立てた。それは夫として、そして父としての揺るぎない覚悟の表明だった。リリアーナはその腕の中で、今度こそ心の底からの安らぎと未来への確かな希望を感じるのだった。
聖痕を持つ子の誕生は聖域に新たな緊張をもたらすかもしれない。だが同時にアキオと家族の絆をより一層強く、そして確かなものへと変えた出来事でもあった。
「それにしても、リリアーナ。よく頑張ったな。アウレリウスか、いい名前だ」
「ええ、アキオ様。この子がこの聖域で太陽(アウレア)のように輝く優しい子に育つようにと願いを込めました」
リリアーナの表情は聖母のように穏やかだ。だが彼女は意を決したように一座を見渡した。
「皆様。本日は息子のためにこのような席を設けていただき、心より感謝申し上げます。その上で皆様にお伝えし、共有しておかねばならないことがございます」
静まり返る一同。リリアーナはアウレリウスの左手をそっと取り、その甲にある聖痕を皆に示した。
「この聖痕は皆様もご存知の通り、滅びたガルニア帝国の建国帝が持っていたとされるものと同じです。それは帝国の正統な後継者の証。これが公になれば、帝国の残党やその再興を掲げる者たちがこの子を政治の道具として担ぎ出そうとするかもしれません。聖域に新たな争いの火種を持ち込むことになるやもしれませぬ」
その言葉にセレスティーナや凛の表情が強張る。だがアキオは穏やかに、しかし断固として言った。
「その心配はない、リリアーナ」
アキオは立ち上がると、リリアーナの隣に座り、彼女と腕の中のアウレリウスを大きな腕で包み込むように抱きしめた。
「いいか、皆、よく聞いてくれ。この子は俺とリリアーナの子だ。それ以上でもそれ以下でもない。この聖痕は帝国の後継者の証なんかじゃない。この子がこの聖域でこれだけ多くの家族に愛され祝福されて生まれてきたという、ただそれだけの『証』だ。もしこの子を利用しようと企む輩が現れたなら、俺がこの聖域の全ての力をもって叩き潰す」
その言葉には絶対的な覚悟と、家族を守るという揺るぎない意志が込められていた。キナがニヤリと笑い、レオノーラが力強く頷く。聖域の誰もがその盟主の言葉に異を唱える者はいなかった。
その夜、アキオはリリアーナの私室を訪れた。アウレリウスがアキオの作った揺りかごの中ですやすやと眠っている。
アキオは揺りかごの横に跪くと、その小さな手にそっと口づけた。
「アウレリウス、お前は俺が守る。お前の母さんもこの聖域も全てだ。だから安心して大きくなれ」
そしてアキオはリリアーナに向き直り、彼女の震える肩を強く抱きしめた。
「リリアーナ。お前は俺にアウレリウスというかけがえのない宝物をくれた。今度は俺がお前に永遠の安心を贈る番だ」
「アキオ様……」
「もう、『アキオ殿』じゃないだろう?」
アキオが悪戯っぽく笑うと、リリアーナは顔を赤らめ、そして消え入りそうな、しかし確かな声で呟いた。
「……あなた……」
アキオは彼女に新しい誓いを立てた。それは夫として、そして父としての揺るぎない覚悟の表明だった。リリアーナはその腕の中で、今度こそ心の底からの安らぎと未来への確かな希望を感じるのだった。
聖痕を持つ子の誕生は聖域に新たな緊張をもたらすかもしれない。だが同時にアキオと家族の絆をより一層強く、そして確かなものへと変えた出来事でもあった。
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