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第一章:これまでのこと。そして、これからのこと
京_1-2
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「大丈夫? どういう状況か説明できる?」
京は運転席から助手席に移動していた。それは先程、部下の二人を車内から見つけ、慌てて飛び出し、空いている有栖のもう片方に肩を貸している間に真木が運転席へ移動していたからだ。彼女はそのことを咎めることなく、ただ意味のあることなのだと信じて有栖と反保を後部座席に乗せて、助手席に乗り込むと車は当然のように走り出した。真木を一瞥すると、
「信じてください」
と、一言だけ聞こえ、京はそれを黙認した。そして、後部座席へと振り返り、有栖達に先程の問いを投げかけた。二人の身体的な状況と天使達が先に出ていったことから敗色は濃厚だったことだけは理解していた。しかし、それ以外の何かがあるのではないか、と思い、聞いたのだった。
「それが自分達にも何が何だか……そちらは?」
シートに身体を預けて、有栖が運転席の人物へと視線を送って京に聞いた。
「彼は元警察の真木くん。誠とは友人だった。今、ここにいる理由は、私にも解ってないの」
「あぁ、なるほど。あなたが……本当にめちゃくちゃな状況ですね。ただ――負けた、と思っていたけどもしかしたらまだ勝負は続いているのかもしれません」
「どういうこと? それに真木くんのことを知っているの?」
「反保、京さんにあの紙を」
「はい」
有栖に促され、反保は一枚の紙を取り出しながら、
「僕は飛田と戦い、負けました。そのあとは彼に連れて行かれたのですが、そのときに周囲の目を盗み、明らかに意図的に、僕にわかるように手錠の鍵とこの紙をポケットに入れたんです」
そう言って、くしゃくしゃになった紙を京に差し出した。彼女はそれを受け取り、中身を見てみると、手書きで様々な指示が記載されていた。
反保を拘束している鍵もポケットに入っていること。そして、一階に降りて、京と合流し、車で移動して欲しいこと。その他にも真木のことも記載されていたので、有栖は彼の名前に先程のような反応を示したのだろう。
「真木くん、説明はしてくれるのよね?」
「もちろん。ですが、それをするには適した奴がいます。俺なんかよりもっと頭が良い奴がね。とりあえず、今は先を急ぎます。ただ、一言だけ俺が言えることがあるとすれば――」
そこで真木は少し笑ってから、
「勝負はこれからが本番です」
そう言った。その言葉は困惑の闇が占める京の心にわずかな光源となる火種を灯した。
京は運転席から助手席に移動していた。それは先程、部下の二人を車内から見つけ、慌てて飛び出し、空いている有栖のもう片方に肩を貸している間に真木が運転席へ移動していたからだ。彼女はそのことを咎めることなく、ただ意味のあることなのだと信じて有栖と反保を後部座席に乗せて、助手席に乗り込むと車は当然のように走り出した。真木を一瞥すると、
「信じてください」
と、一言だけ聞こえ、京はそれを黙認した。そして、後部座席へと振り返り、有栖達に先程の問いを投げかけた。二人の身体的な状況と天使達が先に出ていったことから敗色は濃厚だったことだけは理解していた。しかし、それ以外の何かがあるのではないか、と思い、聞いたのだった。
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「反保、京さんにあの紙を」
「はい」
有栖に促され、反保は一枚の紙を取り出しながら、
「僕は飛田と戦い、負けました。そのあとは彼に連れて行かれたのですが、そのときに周囲の目を盗み、明らかに意図的に、僕にわかるように手錠の鍵とこの紙をポケットに入れたんです」
そう言って、くしゃくしゃになった紙を京に差し出した。彼女はそれを受け取り、中身を見てみると、手書きで様々な指示が記載されていた。
反保を拘束している鍵もポケットに入っていること。そして、一階に降りて、京と合流し、車で移動して欲しいこと。その他にも真木のことも記載されていたので、有栖は彼の名前に先程のような反応を示したのだろう。
「真木くん、説明はしてくれるのよね?」
「もちろん。ですが、それをするには適した奴がいます。俺なんかよりもっと頭が良い奴がね。とりあえず、今は先を急ぎます。ただ、一言だけ俺が言えることがあるとすれば――」
そこで真木は少し笑ってから、
「勝負はこれからが本番です」
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