10 / 20
10話 嫉妬のリーダー様
しおりを挟む
【エリミナの町 宿屋】
僕はヴォルクに宿屋の個室に連れ込まれ、そのままベッドに押し倒された。
「うわぁっ! え、ちょ、待って、これ、どういう状況!?」
僕は盛大にパニックに陥る。だってこれ、めちゃくちゃマズイやつじゃ……。
「お前、さっきあいつに何されてやがった?」
ヴォルクは僕に馬乗りになって顔をグッと近付けそう迫った。
「な、何って……ほっぺに……キスを……。でもあれは、僕良いって言ってないのにケントが勝手に……」
僕は必死に恋人がするような言い訳をする。
あれ? なんで僕こんな必死に言い訳してるんだ?
「何でもっと強く拒否しなかった? されてもいい、くらいに思ってたのか?」
ヴォルクも恋人のように責め立ててくる。
「ち、違うもん! そんなこと思ってないもん。ホントだもん……」
僕はちょっと涙目になる。
「チッ……ならちゃんと抵抗しろよ。やめろって大きな声で言えよ」
「うん……次は、ちゃんと言う……」
「なら、抵抗する練習だな」
「えっ?」
僕がなんのことかと思っていると、ヴォルクの顔が更に迫ってきて、お互いの唇が触れるか触れないかくらいのところで止まる。
「何で抵抗しねぇんだよ……」
ヴォルクはちょっと顔を赤らめて、静かにそう言った。
「だ、だって今は……抵抗、する必要ないから……」
「!」
ヴォルクは一瞬目を見開くと、すぐにそのまま目を閉じて、僕の唇へキスを落とした。
触れるだけの、でも、長いキス。
ヴォルクには好きとかって一言も言われてないけど、キスでその気持ちは十分に伝わってきた。
やがてゆっくりと唇が離れると、ヴォルクが口を開いた。
「ルークやケントにもこんなふうに宿屋連れ込まれたり、唇奪われたりすんじゃねぇぞ……。お前は俺のもんだ。俺だけのもんだ」
「じゃぁ……ヴォルクが守ってよ?」
「んだと?」
「最近ずっと構ってくれなかったでしょ? リーダーのお仕事大変なの分かるけど……僕だって寂しかったんだからね?」
「~っ! 調子良いこと言ってんじゃねぇぞ……クソが!」
ヴォルクはそう言って僕のお腹を思いっきりくすぐってくる。
「あはははっ! やめ、やめて……くすぐった……」
「もう俺以外に何も奪われないって約束しろ」
ヴォルクは手を止めずにそう言う。
「する、します……! 約束、するからっ! あはははっ、もうやめっ、許して……っ!」
するとようやく僕はくすぐりから解放され、ヴォルクは身体を起こしてそのままベッドへ座った。
僕もはぁはぁと呼吸を整えながら、身体を起こす。
ヴォルクは、僕に背を向けたまま独り言のように口を開いた。
「……この町の、美味い酒場知ってんだ。元貴族のボンボン様がお気に召すか知らねぇけど……今から行くか?」
え、それって……。
「デートのお誘い?」
僕がそう言ってヴォルクの顔を覗き込むと、彼は真っ赤になっていた。
「るせぇな! 行きたくねぇならこのまま帰んぞ!」
「行く、行きたい! 連れてって?」
「……ならさっさと行くぞ」
そして部屋を出る直前、ヴォルクは僕の顎をグッと持ち上げると、顔を近付けてこう言った。
「次お前がフラフラするようなことがあれば……そん時は身体に直接教えるからな」
「……はい……」
僕は、正直今教えられてもいいって、思ってしまった。
僕はヴォルクに宿屋の個室に連れ込まれ、そのままベッドに押し倒された。
「うわぁっ! え、ちょ、待って、これ、どういう状況!?」
僕は盛大にパニックに陥る。だってこれ、めちゃくちゃマズイやつじゃ……。
「お前、さっきあいつに何されてやがった?」
ヴォルクは僕に馬乗りになって顔をグッと近付けそう迫った。
「な、何って……ほっぺに……キスを……。でもあれは、僕良いって言ってないのにケントが勝手に……」
僕は必死に恋人がするような言い訳をする。
あれ? なんで僕こんな必死に言い訳してるんだ?
「何でもっと強く拒否しなかった? されてもいい、くらいに思ってたのか?」
ヴォルクも恋人のように責め立ててくる。
「ち、違うもん! そんなこと思ってないもん。ホントだもん……」
僕はちょっと涙目になる。
「チッ……ならちゃんと抵抗しろよ。やめろって大きな声で言えよ」
「うん……次は、ちゃんと言う……」
「なら、抵抗する練習だな」
「えっ?」
僕がなんのことかと思っていると、ヴォルクの顔が更に迫ってきて、お互いの唇が触れるか触れないかくらいのところで止まる。
「何で抵抗しねぇんだよ……」
ヴォルクはちょっと顔を赤らめて、静かにそう言った。
「だ、だって今は……抵抗、する必要ないから……」
「!」
ヴォルクは一瞬目を見開くと、すぐにそのまま目を閉じて、僕の唇へキスを落とした。
触れるだけの、でも、長いキス。
ヴォルクには好きとかって一言も言われてないけど、キスでその気持ちは十分に伝わってきた。
やがてゆっくりと唇が離れると、ヴォルクが口を開いた。
「ルークやケントにもこんなふうに宿屋連れ込まれたり、唇奪われたりすんじゃねぇぞ……。お前は俺のもんだ。俺だけのもんだ」
「じゃぁ……ヴォルクが守ってよ?」
「んだと?」
「最近ずっと構ってくれなかったでしょ? リーダーのお仕事大変なの分かるけど……僕だって寂しかったんだからね?」
「~っ! 調子良いこと言ってんじゃねぇぞ……クソが!」
ヴォルクはそう言って僕のお腹を思いっきりくすぐってくる。
「あはははっ! やめ、やめて……くすぐった……」
「もう俺以外に何も奪われないって約束しろ」
ヴォルクは手を止めずにそう言う。
「する、します……! 約束、するからっ! あはははっ、もうやめっ、許して……っ!」
するとようやく僕はくすぐりから解放され、ヴォルクは身体を起こしてそのままベッドへ座った。
僕もはぁはぁと呼吸を整えながら、身体を起こす。
ヴォルクは、僕に背を向けたまま独り言のように口を開いた。
「……この町の、美味い酒場知ってんだ。元貴族のボンボン様がお気に召すか知らねぇけど……今から行くか?」
え、それって……。
「デートのお誘い?」
僕がそう言ってヴォルクの顔を覗き込むと、彼は真っ赤になっていた。
「るせぇな! 行きたくねぇならこのまま帰んぞ!」
「行く、行きたい! 連れてって?」
「……ならさっさと行くぞ」
そして部屋を出る直前、ヴォルクは僕の顎をグッと持ち上げると、顔を近付けてこう言った。
「次お前がフラフラするようなことがあれば……そん時は身体に直接教えるからな」
「……はい……」
僕は、正直今教えられてもいいって、思ってしまった。
878
あなたにおすすめの小説
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました
無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。
前世持ちだが結局役に立たなかった。
そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。
そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。
目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。
…あれ?
僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
悪役令息の兄って需要ありますか?
焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。
その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。
これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。
ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる