【完結】婚約破棄された僕はギルドのドSリーダー様に溺愛されています

八神紫音

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9話 誰のこと考えてる?

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 今日僕はお休みの日。今日は誰かとお休みかぶってるかな~。

「あ、エミル。今日休み?」

「ケント! うん、休みだよ。ケントは?」

「俺も休み。じゃぁ、エミル、エリミナの町にデートに行こ?」

「で、デート!?」

 何で普通に出かけようとか、遊びに行こうって言わないんだろう。

「うん。エミルは可愛いから、デートだよ?」
「その理屈、全然意味分かんない……」

「あはは、いいから、いこいこ?」

「うん、行く」


【エリミナの町】

「ほら、エミル、次はこっちのお店」

「ケント、待って待って!」

 ケントは僕をぐいぐい引っ張ってあっちこっちのお店に連れ回す。

 色んなものが見れて楽しいし、ケントの楽しそうな顔を見てるのも好き。


 だけど僕の頭の中は、ヴォルクとルークのことで頭がいっぱいになっていた。

 僕はヴォルクのことが好き。でも、ルークの気持ちも嬉しい。
 僕は一体どうしたら……。


 そんなことを考えていると、僕は気付いたらおしゃれなカフェでコーヒーを飲んでいた。

「もう、エミル?」
 ケントは少し不満そうに僕を覗き込んでくる。

「わぁ、ケント、どうしたの?」


「エミルさ、今……誰のこと考えてる?」


「えっ?」
 その質問にドキッとする。

「俺じゃないよね。ヴォルク? それともルーク?」

「え、えっと……それは……」

 僕が言葉に詰まっていると、ケントは更に驚きの発言をする。


「俺、エミルのこと好き」

「ええっ!?」

「もちろん、友達としてじゃないよ。恋人になりたいって意味の、好き」

「ええええ!?」
 僕は頭がぐるぐると回る。

「でも、エミルは俺と一緒にいても全然俺のこと見てくれないから、俺、悲しいな?」

「それは……ごめん……」

「あはは、正直に謝られたら、見てくれてないってこと認めてるようなもんだね」

「ふぇ……ホントごめん……」

「あはは。でも、エミルのこと好きだから許す。だから、もう少しでいいから、俺のこと、見て?」
 ケントはそう言ってグッと顔を近付けてきた。

 そして、僕がテンパっている間に僕の頬にちゅっとキスをした。

「ちょ、ケント!?」
 そのキスをされた頬がかーっと熱くなるのを感じた。

「あはは。ちゃんと俺のこと見ててくれないと、次は唇奪うから」

「唇はだめ……!」

「そんなの知りませーん」

「えええ……」


 そしてそろそろアジトへと帰ることになり、カフェを出ると、その瞬間向かいの建物の2階からある人物が僕の目の前へ飛び降りてきた。

「わぁ、ヴォルク!? 今どこから来たの?」
 僕がヴォルクの脇から前を見ると、そこはギルド本部だった。

 でも2階から? 2階って……関係者以外立入禁止のところじゃ……。

「てめぇ、いいからこっち来い」
「え、ちょ、ヴォルク引っ張んないで……!」

 僕は問答無用でヴォルクに誘拐され、独り取り残されたケントはぶつぶつと文句を言っていた。
「今は俺が独り占めしてる番だったのに……」

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