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8話 俺じゃダメか?
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新しい装備になってから魔法の調子も心の調子も絶好調になった僕は、最近1人で魔物討伐に出かけるようになった。
ヴォルクと一緒に行きたかったけど、僕が『牙狼』に入ってからほとんど僕に付きっきりだったので、リーダーとしての仕事とかがたまりにたまっているらしい。
今日もヴォルクはエリミナの町から呼び出しを食らって、町に出かけている。
リーダーは何かしてないことがあると町から呼び出されるなんて大変だなと思った。
でも同時に、そんな状態になるまで僕に付きっきりでいてくれたのは、正直嬉しかった。
僕は恩返しのつもりで少しでもこのギルドに貢献できるように、1人で森に出かけた。
【エリミナの森】
「ファイア!」
『ギャゥゥン……』
「アクア!」
『キュゥゥ……』
うん、絶好調! もう周りの植物を燃やしてしまうこともないし、アクアを放ったあと池ができることもない。
でも魔物はワンパンできて、かなり魔力のコントロールができるようになっていた。
「よう、エミル。絶好調だな」
そう僕の戦闘に割り込んできたのは……。
「ルーク!」
「一緒に狩ろうぜ」
「うん!」
僕たちは連携して魔物をどんどん討伐していく。
ルークの槍さばきもすごいなぁ。そんな彼と肩を並べて戦えるようになったのも嬉しい。
「お、魔除けの像だな。ちょっと休憩していくか
「うん!」
僕が魔除けの像の近くで足を抱えて座ると、ルークはそんな僕にピッタリくっつくように、像にもたれかかって座った。
「はい、ルーク」
僕はリュックの中からサンドイッチを取り出してルークに手渡す。
「な、それお前のだろ?」
「いっぱい持ってきちゃったから食べて。ルーク来てくれて良かった」
「ん、そか。なら、ありがたくもらうわ。これ、お前が自分で作ったのか?」
ルークはそう言ってサンドイッチをかじる。
「うん。ケントに教えてもらって、自分で作れるようにしたんだ」
「そっか、美味いよ。魔法だけじゃなくて、普通の生活も様になって来たな」
「えへへ、そうかなぁ……」
僕は照れてはにかむ。
「それにしてもまぁ、なんでこんな持ってきたんだよ……」
ルークは僕のお弁当箱を見て苦笑いしていた。
「つい、癖で……。ヴォルクと出かけるときみたいに作っちゃったんだ」
「……そっか。あいつこんなに食うんだな……」
そういうルークは少し寂しそうだった。
「うん、いつもこれでも『足りねぇ』って言ってくるんだよ?」
「……そっか」
「ルーク? どうしたの?」
僕が心配になってルークの顔を覗き込むと、彼は顔を赤くして驚いていた。
「べ、別にどうも……!」
「元気、ないみたいだから」
「……なぁ、エミル」
「うん?」
「最近ヴォルクと上手くやってんだな」
「うん、まぁね」
僕はそう言われて嬉しくなりはにかむ。
「あいつ今忙しいから寂しいだろ」
「うん……。でも、リーダーだから仕方ないよ……」
「なぁ……俺じゃダメか?」
「えっ?」
僕はその言葉にドキッとして顔を上げる。
「俺ならいつでもお前の側にいてやれる。だから、あいつじゃなくて、俺が側にいちゃダメか?」
「だ、だめとかはないけど……なんでそんなこと……」
「あいつのこと好きなんだろ?」
「え、えええ!?」
僕は頬が一気に熱くなるのを感じた。
すると、ルークは僕の頭にポンと手を置いて顔を近付けてくる。
「る、ルーク。ち、近い……」
「俺、諦めねぇから、お前のこと」
「ええ? 僕の何を、諦めないの……?」
「エミルの隣にいるのは俺だ。お前の隣りに居て、お前のこと、守るから」
「ふぇぇ……」
ルークはようやく僕を解放して、その後2人で残りのサンドイッチも全部食べてしまった。
「ルーク、すごい食べたね……」
「あいつになんか負けねぇ。けど……悪い、ちょっと休憩……」
ルークはそう言ってお腹を押さえてそのまま寝転がった。
「ルーク、大丈夫!? もう、そんな無理して食べるから……」
「無理なんかしてねぇ。お前のサンドイッチが美味いのが悪い」
「ええ~、僕のせい?」
「そうだ。だから先1人で帰ったりすんなよ?」
「ふふっ。もう、しょうがないなぁ……」
僕も一緒になって、ルークの隣りに寝転んだ。
それにしても、まさかルークにあんなこと言われるなんて思わなかったな……。
まるで、好きって、言われてるみたいだった。
でも僕はルークの言うとおり、ヴォルクのことが好きで……僕、一体どうしたらいいんだ……。
そう思うのに、こんなに愛されてちょっと幸せかも、と思ってしまう自分もいた。
ヴォルクと一緒に行きたかったけど、僕が『牙狼』に入ってからほとんど僕に付きっきりだったので、リーダーとしての仕事とかがたまりにたまっているらしい。
今日もヴォルクはエリミナの町から呼び出しを食らって、町に出かけている。
リーダーは何かしてないことがあると町から呼び出されるなんて大変だなと思った。
でも同時に、そんな状態になるまで僕に付きっきりでいてくれたのは、正直嬉しかった。
僕は恩返しのつもりで少しでもこのギルドに貢献できるように、1人で森に出かけた。
【エリミナの森】
「ファイア!」
『ギャゥゥン……』
「アクア!」
『キュゥゥ……』
うん、絶好調! もう周りの植物を燃やしてしまうこともないし、アクアを放ったあと池ができることもない。
でも魔物はワンパンできて、かなり魔力のコントロールができるようになっていた。
「よう、エミル。絶好調だな」
そう僕の戦闘に割り込んできたのは……。
「ルーク!」
「一緒に狩ろうぜ」
「うん!」
僕たちは連携して魔物をどんどん討伐していく。
ルークの槍さばきもすごいなぁ。そんな彼と肩を並べて戦えるようになったのも嬉しい。
「お、魔除けの像だな。ちょっと休憩していくか
「うん!」
僕が魔除けの像の近くで足を抱えて座ると、ルークはそんな僕にピッタリくっつくように、像にもたれかかって座った。
「はい、ルーク」
僕はリュックの中からサンドイッチを取り出してルークに手渡す。
「な、それお前のだろ?」
「いっぱい持ってきちゃったから食べて。ルーク来てくれて良かった」
「ん、そか。なら、ありがたくもらうわ。これ、お前が自分で作ったのか?」
ルークはそう言ってサンドイッチをかじる。
「うん。ケントに教えてもらって、自分で作れるようにしたんだ」
「そっか、美味いよ。魔法だけじゃなくて、普通の生活も様になって来たな」
「えへへ、そうかなぁ……」
僕は照れてはにかむ。
「それにしてもまぁ、なんでこんな持ってきたんだよ……」
ルークは僕のお弁当箱を見て苦笑いしていた。
「つい、癖で……。ヴォルクと出かけるときみたいに作っちゃったんだ」
「……そっか。あいつこんなに食うんだな……」
そういうルークは少し寂しそうだった。
「うん、いつもこれでも『足りねぇ』って言ってくるんだよ?」
「……そっか」
「ルーク? どうしたの?」
僕が心配になってルークの顔を覗き込むと、彼は顔を赤くして驚いていた。
「べ、別にどうも……!」
「元気、ないみたいだから」
「……なぁ、エミル」
「うん?」
「最近ヴォルクと上手くやってんだな」
「うん、まぁね」
僕はそう言われて嬉しくなりはにかむ。
「あいつ今忙しいから寂しいだろ」
「うん……。でも、リーダーだから仕方ないよ……」
「なぁ……俺じゃダメか?」
「えっ?」
僕はその言葉にドキッとして顔を上げる。
「俺ならいつでもお前の側にいてやれる。だから、あいつじゃなくて、俺が側にいちゃダメか?」
「だ、だめとかはないけど……なんでそんなこと……」
「あいつのこと好きなんだろ?」
「え、えええ!?」
僕は頬が一気に熱くなるのを感じた。
すると、ルークは僕の頭にポンと手を置いて顔を近付けてくる。
「る、ルーク。ち、近い……」
「俺、諦めねぇから、お前のこと」
「ええ? 僕の何を、諦めないの……?」
「エミルの隣にいるのは俺だ。お前の隣りに居て、お前のこと、守るから」
「ふぇぇ……」
ルークはようやく僕を解放して、その後2人で残りのサンドイッチも全部食べてしまった。
「ルーク、すごい食べたね……」
「あいつになんか負けねぇ。けど……悪い、ちょっと休憩……」
ルークはそう言ってお腹を押さえてそのまま寝転がった。
「ルーク、大丈夫!? もう、そんな無理して食べるから……」
「無理なんかしてねぇ。お前のサンドイッチが美味いのが悪い」
「ええ~、僕のせい?」
「そうだ。だから先1人で帰ったりすんなよ?」
「ふふっ。もう、しょうがないなぁ……」
僕も一緒になって、ルークの隣りに寝転んだ。
それにしても、まさかルークにあんなこと言われるなんて思わなかったな……。
まるで、好きって、言われてるみたいだった。
でも僕はルークの言うとおり、ヴォルクのことが好きで……僕、一体どうしたらいいんだ……。
そう思うのに、こんなに愛されてちょっと幸せかも、と思ってしまう自分もいた。
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