光と瘴気の境界で

天気

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プロローグ

異変

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 闇と霧が絡み合う森を進む重い足音。
 六人の騎士が、魔物討伐の帰還中に異変に気づいた。

「……団長、あれは」

 先頭のアルバートが足を止める。
 黒いもやのような瘴気がうっすらと漂う地面に、黒い影が横たわっていた。

 アルバートは即座に周囲を確認し、剣に触れた状態で近づく。

 黒髪に黒い服を着た少年。
 この世界ではまず見ない色と服装。

「…おい。しっかりしろ。」
 反応はなく、少年はうっすらと息をしていた。

「……子ども……? いや、この森に人が入るはずがない」

 部下のひとりが声を震わせる。

「団長、どうされますか。こんな場所に放置すればいずれ――」

 辺りには黒いもやのような魔物の出す瘴気がうっすらと漂っていて、周辺の魔物は残滅しここも時期に瘴気は晴れていくだろうが、いつ魔物が湧いてもおかしくはない。

「運ぶ。今すぐだ」

 アルバートの判断は速かった。

 彼ははるを抱き上げると同時に、光魔法で瘴気を取り込まないよう結界を張る。
 彼は鋭い声で周囲の五人へ命じる。

「…結界も張られていない
――この少年の存在については他言無用だ」

 その声は普段より低く、重かった。

 一人の騎士が驚いて口を開く。

「し、しかし団長……黒髪黒眼の子など、王国が放って――」

「だからだ」

 アルバートは言葉を切り、さらに強く言い放った。

「この子の身に何が起きたか分からない。
 国の者の耳に軽々しく入れば、利用される可能性すらある。
 俺が直接、ルートとセナと共に判断する。……誰一人として漏らすな」

 その“命令”に、五人は背筋を震わせて敬礼した。

「了解いたしました、団長!」

 アルバートは短く頷くと、少年を抱き直し駐屯地へ向け歩き出す。

 結界は薄く、彼の光魔法では完全ではない。
 それでも、肌の熱くなっていく腕の中の少年を守るために、一瞬たりとも足を止めなかった。



(……必ず助ける。なぜここにいたのかは、その後でいい)







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