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119 ジゼルVSグラシアン
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オレは敵のリーダーであるブランディーヌを討伐した。だが、オレに休むことは許されない。敵はまだ残っている。オレは敵を求めて視線を巡らせた。
「ちぇああ!」
「ぐっ!?」
奇声に目を向ければ、ジゼルの剣がグラシアンの右脚を捕えていた。浅い。だが、格上のグラシアンに攻撃を当てた。
「はぁああッ!」
そして、グラシアンの意識がジゼルに向いた瞬間に、エレオノールの剣が閃く。
「ふっ!」
グラシアンは、両手に装備したナックルダスターで受け止めることに成功した。だが、そのせいでジゼルへの反撃の機会を逸してしまう。
「んっ……!」
そして、次にグラシアンに襲いかかるのは、リディの持つさすまただ。ジゼル、エレオノール、リディの三人は、お互いの隙を庇うようにタイミングをズラして攻撃し、グラシアンに攻撃の機会を与えない。
さすがのグラシアンも三人の代わる代わるの攻撃に対処しきれないのか、その白い修道服が徐々に赤黒く染まっていく。それでも急所への攻撃は確実に防御しているのは、グラシアンがまだ勝利を諦めていない証拠だ。
このままでは、グラシアンに勝機は無い。どこかで肉を切らせて骨を断つ一撃が必要だ。そして、その一撃で一人を屠ることができれば、グラシアンの勝利の扉が開く。
今のグラシアンは、捨て身の一撃で、確実に一人屠れるチャンスを狙っているのだ。ジゼル、エレオノール、リディが優勢に見えても、一撃でひっくり返される可能性がある。気が抜けない状態だ。そして、危険な状態でもある。
オレは、次にクロエの方に目を走らせる。
クロエは一人でジョルジュと対峙していた。お互いの装備には傷が走り、両者が何度か剣を交えたことが窺える。見たところ、優勢なのはジョルジュだ。
クロエもジョルジュも不意打ちを狙うタイプで、正面からの戦闘はあまり得意ではない。それでも経験の差か、ジョルジュに軍配が上がっているようだ。
クロエがまだ負けていないのは、偏にジョルジュの左脚の怪我が原因だろう。ジョルジュの左脚の怪我は、文字通りジョルジュの足を引っ張り、ジョルジュの追撃の手を緩めている。
オレは瞬間悩んだ。
クロエとジゼルたち、どちらの方に応援に向かうかだ。劣勢だが命の危険は低く、粘り強く耐えているクロエか、命の危険はあるが、一応の優勢であるジゼルたちか。
本音を言ってしまえば、今すぐにでもクロエの助けに向かいたいところだが……。
オレは歯を食いしばって、どちらにも応援に行かないことを選択した。
格上との本気の殺し合い。今、クロエもジゼルたちも、驚くほど経験値を積んでいることだろう。皆の成長の機会を奪うわけにはいかない。
それに、オレには“ショット”がある。いざとなれば、離れたところからでも即座に援護ができるのだ。
オレは、クロエとジゼルたちをいつでも援護できるようにしながら、二つの戦闘の行方を見守った。
先に動きを見せたのは、グラシアンだった。
「がぁあああああああああ!」
ジゼルの剣戟をナックルダスターで防いだ直後、グラシアンが雄叫びを上げ、ジゼルへと迫る。
もちろん、それをタダで許すエレオノールとリディではない。
「せあ!」
「ふんすっ……!」
グラシアンへと振るわれる剣とさすまたの一撃。しかし、グラシアンはそれらに一瞥もくれずにジゼルへと駆ける。左肩にエレオノールの一撃を受け、左腰にリディのさすまたを喰らっても、グラシアンの歩みは止まらない。
もうグラシアンの目はジゼルしか映していない。まるでイノシシ武者のようにジゼルへと我武者羅に疾走する。
どうやらグラシアンは、ジゼルを倒すことによって、このどうしようもない現状を打開することに決めたようだ。
「ちょちょちょっ!?」
グラシアンの行動に驚いたのか、ジゼルが声が聞こえてくる。これは援護が必要か?
いや、違う。ジゼルは口では情けない声を上げてはいるが、その行動は強気のものだった。なんと、グラシアンを迎え撃つつもりのようだ。両足を広げ、腰を落とし、その手に持った長剣を大上段に構える。防御を無視した一撃必殺の構えだ。
面白い。ジゼルが負けん気の強い少女だとは知ってはいたが、まさかこれほどとは。
格上のグラシアンと正面からぶつかることの危険性はジゼルも分かっているだろう。命の危険がある。その上での選択だ。
オレはジゼルの思い切りのよさに素直に驚いた。突然、命の危機に瀕した時、人はなかなかジゼルのように行動できない。覚悟を決めたつもりでも、いざその時になると、人は迷うものだ。迷い、そして中途半端な行動になる。そして、逃げ切ることもできず、かといって攻撃も形だけのものになり、敗死していく。
少なくとも、ジゼルの覚悟は攻撃一本に決まっているようだ。
あとは、ジゼルの攻撃でグラシアンを止められるかどうかだろう。そして、グラシアンもこの攻撃でジゼルを仕留められなくては未来はない。グラシアンも必死だ。
覚悟の決まった二人の一騎打ち。この勝負どうなる……?
「ちぇああ!」
「ぐっ!?」
奇声に目を向ければ、ジゼルの剣がグラシアンの右脚を捕えていた。浅い。だが、格上のグラシアンに攻撃を当てた。
「はぁああッ!」
そして、グラシアンの意識がジゼルに向いた瞬間に、エレオノールの剣が閃く。
「ふっ!」
グラシアンは、両手に装備したナックルダスターで受け止めることに成功した。だが、そのせいでジゼルへの反撃の機会を逸してしまう。
「んっ……!」
そして、次にグラシアンに襲いかかるのは、リディの持つさすまただ。ジゼル、エレオノール、リディの三人は、お互いの隙を庇うようにタイミングをズラして攻撃し、グラシアンに攻撃の機会を与えない。
さすがのグラシアンも三人の代わる代わるの攻撃に対処しきれないのか、その白い修道服が徐々に赤黒く染まっていく。それでも急所への攻撃は確実に防御しているのは、グラシアンがまだ勝利を諦めていない証拠だ。
このままでは、グラシアンに勝機は無い。どこかで肉を切らせて骨を断つ一撃が必要だ。そして、その一撃で一人を屠ることができれば、グラシアンの勝利の扉が開く。
今のグラシアンは、捨て身の一撃で、確実に一人屠れるチャンスを狙っているのだ。ジゼル、エレオノール、リディが優勢に見えても、一撃でひっくり返される可能性がある。気が抜けない状態だ。そして、危険な状態でもある。
オレは、次にクロエの方に目を走らせる。
クロエは一人でジョルジュと対峙していた。お互いの装備には傷が走り、両者が何度か剣を交えたことが窺える。見たところ、優勢なのはジョルジュだ。
クロエもジョルジュも不意打ちを狙うタイプで、正面からの戦闘はあまり得意ではない。それでも経験の差か、ジョルジュに軍配が上がっているようだ。
クロエがまだ負けていないのは、偏にジョルジュの左脚の怪我が原因だろう。ジョルジュの左脚の怪我は、文字通りジョルジュの足を引っ張り、ジョルジュの追撃の手を緩めている。
オレは瞬間悩んだ。
クロエとジゼルたち、どちらの方に応援に向かうかだ。劣勢だが命の危険は低く、粘り強く耐えているクロエか、命の危険はあるが、一応の優勢であるジゼルたちか。
本音を言ってしまえば、今すぐにでもクロエの助けに向かいたいところだが……。
オレは歯を食いしばって、どちらにも応援に行かないことを選択した。
格上との本気の殺し合い。今、クロエもジゼルたちも、驚くほど経験値を積んでいることだろう。皆の成長の機会を奪うわけにはいかない。
それに、オレには“ショット”がある。いざとなれば、離れたところからでも即座に援護ができるのだ。
オレは、クロエとジゼルたちをいつでも援護できるようにしながら、二つの戦闘の行方を見守った。
先に動きを見せたのは、グラシアンだった。
「がぁあああああああああ!」
ジゼルの剣戟をナックルダスターで防いだ直後、グラシアンが雄叫びを上げ、ジゼルへと迫る。
もちろん、それをタダで許すエレオノールとリディではない。
「せあ!」
「ふんすっ……!」
グラシアンへと振るわれる剣とさすまたの一撃。しかし、グラシアンはそれらに一瞥もくれずにジゼルへと駆ける。左肩にエレオノールの一撃を受け、左腰にリディのさすまたを喰らっても、グラシアンの歩みは止まらない。
もうグラシアンの目はジゼルしか映していない。まるでイノシシ武者のようにジゼルへと我武者羅に疾走する。
どうやらグラシアンは、ジゼルを倒すことによって、このどうしようもない現状を打開することに決めたようだ。
「ちょちょちょっ!?」
グラシアンの行動に驚いたのか、ジゼルが声が聞こえてくる。これは援護が必要か?
いや、違う。ジゼルは口では情けない声を上げてはいるが、その行動は強気のものだった。なんと、グラシアンを迎え撃つつもりのようだ。両足を広げ、腰を落とし、その手に持った長剣を大上段に構える。防御を無視した一撃必殺の構えだ。
面白い。ジゼルが負けん気の強い少女だとは知ってはいたが、まさかこれほどとは。
格上のグラシアンと正面からぶつかることの危険性はジゼルも分かっているだろう。命の危険がある。その上での選択だ。
オレはジゼルの思い切りのよさに素直に驚いた。突然、命の危機に瀕した時、人はなかなかジゼルのように行動できない。覚悟を決めたつもりでも、いざその時になると、人は迷うものだ。迷い、そして中途半端な行動になる。そして、逃げ切ることもできず、かといって攻撃も形だけのものになり、敗死していく。
少なくとも、ジゼルの覚悟は攻撃一本に決まっているようだ。
あとは、ジゼルの攻撃でグラシアンを止められるかどうかだろう。そして、グラシアンもこの攻撃でジゼルを仕留められなくては未来はない。グラシアンも必死だ。
覚悟の決まった二人の一騎打ち。この勝負どうなる……?
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