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062 戦闘訓練の授業
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入学式から一週間ほど。
学園の施設の説明や短縮授業を終えて、ようやく通常授業が始まった。
オレとしては早く戦闘訓練をしたかったので、通常授業が始まるのが楽しみだったんだ。
ゲームでも登場したクラスの主要キャラの戦闘スキルは知っているけど、他のモブキャラがどんな武器を使うのかもオレは知らない。
つまり、未知との戦闘だ!
わくわくするね?
この頃になると、クラスメイトたちのグループも固まり始めていた。
このクラスには、大きく分けて四つのグループが存在する。
まず、高位貴族のグループ。マルゲリットを中心としたグループで、クラスの中心だ。シャルリーヌたちはここに属している。
そして、中央の低位貴族のグループ。こいつらは高位貴族グループの完全なる下位互換って感じだな。高位貴族のグループに顔を覚えてもらおうと必死だね。
そして、我らが辺境貴族のグループ。オレやエロワ、ポールのような東方辺境領だけではなく、西方辺境領の貴族もいる。辺境の貴族は武術に優れると聞くし、こいつらとの戦闘受業は楽しみだ。
そして最後が、平民のグループだ。クラスで一番人数が少なく、影響力も少ないグループ。しかし、ゲームの主人公が居るので無視はできない。
オレとしては平民たちのグループと仲良くして主人公を見定めたいのだが、テオドールと決闘したせいで、どうやら平民の生徒たちに怖がられているようだ。
不本意だね?
テオドールとシラスだけど、彼らはどこにも所属せずに孤立を深めている。いきなり決闘を仕掛けてくる奴らだからね。完全に危ない奴扱いだ。
そんな感じにクラス内がグループに分かれているのだが、それぞれグループごとに特色があったりする。
高位貴族のグループは文武両道の成績優秀者が多く、中央の低位貴族は主に学問に優れている。オレたち辺境貴族は武に優れ、平民たちは個人の才能が豊か。まぁ、そんな感じだね。
未だにゲームの主人公が誰かはわからないけど、オレはあまり焦ってはいなかった。まぁ、そのうち頭角を現すだろう。そう軽く考えているくらいだ。
オレはモブだし、たぶんゲーム通り主人公との接点もなく過ごすことになるだろうからな。
◇
「うしっ!」
そして、待ちに待った戦闘訓練の授業。
グラウンドに出て、気合いを入れて授業に臨む。
戦闘訓練の先生は、シャキッと背筋の伸びたおじいちゃん先生だった。
「全員揃ったかな? 儂が皆の戦闘訓練を指導するアンセルムじゃ。今日は皆がどれだけ強いか、一人ずつ儂と手合わせしてもらおうと思っとる。最初は平民の生徒からいくかのう」
どうやら初回は先生との模擬戦をするようだ。
あんまり強そうなオーラは感じないけど、オレより強いのかな?
戦闘訓練の教官ということは、このお爺ちゃん先生もそれなりに強いのだろうが……。なんだろう、まるで掴みどころがなく、強いのか弱いのかわからない。
オレもそこそこ人を見る目を鍛えてきたつもりだったんだが、まだまだのようだな。
「じゃあ、あたしからいくわ!」
最初はピンク髪の平民生徒、ジゼルがいくらしい。
「へー……」
ジゼルは左右の手に簡素なナックルダスターを装備していた。拳闘士とは珍しい。
どんな模擬戦になるのか楽しみだな。
見ていれば、ジゼルの力量と、おじいちゃん先生の力量もわかるだろう。
この模擬戦でゲーム主人公が誰かわかるかもな。
学園の施設の説明や短縮授業を終えて、ようやく通常授業が始まった。
オレとしては早く戦闘訓練をしたかったので、通常授業が始まるのが楽しみだったんだ。
ゲームでも登場したクラスの主要キャラの戦闘スキルは知っているけど、他のモブキャラがどんな武器を使うのかもオレは知らない。
つまり、未知との戦闘だ!
わくわくするね?
この頃になると、クラスメイトたちのグループも固まり始めていた。
このクラスには、大きく分けて四つのグループが存在する。
まず、高位貴族のグループ。マルゲリットを中心としたグループで、クラスの中心だ。シャルリーヌたちはここに属している。
そして、中央の低位貴族のグループ。こいつらは高位貴族グループの完全なる下位互換って感じだな。高位貴族のグループに顔を覚えてもらおうと必死だね。
そして、我らが辺境貴族のグループ。オレやエロワ、ポールのような東方辺境領だけではなく、西方辺境領の貴族もいる。辺境の貴族は武術に優れると聞くし、こいつらとの戦闘受業は楽しみだ。
そして最後が、平民のグループだ。クラスで一番人数が少なく、影響力も少ないグループ。しかし、ゲームの主人公が居るので無視はできない。
オレとしては平民たちのグループと仲良くして主人公を見定めたいのだが、テオドールと決闘したせいで、どうやら平民の生徒たちに怖がられているようだ。
不本意だね?
テオドールとシラスだけど、彼らはどこにも所属せずに孤立を深めている。いきなり決闘を仕掛けてくる奴らだからね。完全に危ない奴扱いだ。
そんな感じにクラス内がグループに分かれているのだが、それぞれグループごとに特色があったりする。
高位貴族のグループは文武両道の成績優秀者が多く、中央の低位貴族は主に学問に優れている。オレたち辺境貴族は武に優れ、平民たちは個人の才能が豊か。まぁ、そんな感じだね。
未だにゲームの主人公が誰かはわからないけど、オレはあまり焦ってはいなかった。まぁ、そのうち頭角を現すだろう。そう軽く考えているくらいだ。
オレはモブだし、たぶんゲーム通り主人公との接点もなく過ごすことになるだろうからな。
◇
「うしっ!」
そして、待ちに待った戦闘訓練の授業。
グラウンドに出て、気合いを入れて授業に臨む。
戦闘訓練の先生は、シャキッと背筋の伸びたおじいちゃん先生だった。
「全員揃ったかな? 儂が皆の戦闘訓練を指導するアンセルムじゃ。今日は皆がどれだけ強いか、一人ずつ儂と手合わせしてもらおうと思っとる。最初は平民の生徒からいくかのう」
どうやら初回は先生との模擬戦をするようだ。
あんまり強そうなオーラは感じないけど、オレより強いのかな?
戦闘訓練の教官ということは、このお爺ちゃん先生もそれなりに強いのだろうが……。なんだろう、まるで掴みどころがなく、強いのか弱いのかわからない。
オレもそこそこ人を見る目を鍛えてきたつもりだったんだが、まだまだのようだな。
「じゃあ、あたしからいくわ!」
最初はピンク髪の平民生徒、ジゼルがいくらしい。
「へー……」
ジゼルは左右の手に簡素なナックルダスターを装備していた。拳闘士とは珍しい。
どんな模擬戦になるのか楽しみだな。
見ていれば、ジゼルの力量と、おじいちゃん先生の力量もわかるだろう。
この模擬戦でゲーム主人公が誰かわかるかもな。
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