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063 アンセルムと訓練
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生徒とおじいちゃん先生の模擬戦は見応えがあった。
どうやらこのおじいちゃん先生、アンセルムは、生徒たちに実力を出させるためにわざと生徒と同じくらいの力で戦っているようだ。
それができるのは、アンセルムが卓越した戦士という証だ。
これは模擬戦が楽しくなるね。
そして、平民の生徒たちの模擬戦を見ていると、ゲーム主人公はジゼルかギーの二人に絞れた。
ジゼルは一番最初に模擬戦に名乗りを上げたピンク髪の少女だ。己の拳で戦う拳闘士で、なんと魔法も使える万能戦士だ。
そして、ギーも剣と魔法を使う二刀流の魔法剣士だ。
他の平民生徒は、魔法を使うことができないらしい。
『ヒーローズ・ジャーニー』の主人公は、【大器早成】というギフトを持っている。
この【大器早成】というギフトの効果は、すべての武器やすべての属性魔法、神聖魔法に適性があり、成長速度にボーナスが付くというものだ。
ぶっちゃけかなりのチートである。
このギフトのおかげで、主人公は何にでもなれた。まさに万能のギフトだね。
どちらが主人公かはまだわからないが、今現在の実力なら、オレはジゼルにもギーにも楽に勝てる。
だが、成長ボーナスを持っている主人公に将来的に抜かされるかもしれない。
やっぱりオレは休まず地道にコツコツと積み上げていこう。
そしていつか、最強になるんだ!
「次は、オレか……」
そうこうしているうちにオレの番がやって来た。片手剣と盾を持ってアンセルムの前へと向かう。アンセルムの得物は双剣だった。
「アベル・ヴィアラット、いきます」
「ほう? お主があのガストンの息子か」
まずは小手調べにシールドバッシュを仕掛けようかと思ったら、アンセルムが気になることを呟いた。
「父を知っているんですか?」
「もちろん知っておるぞ。あれは儂の教え子の中でも群を抜いて才能があったからのう。よく覚えておる」
「教え子……!?」
このお爺ちゃん先生、父上の先生でもあったのか!?
学園時代の父上とかすげー気になる! 話を聞きたい!
だが、今は模擬戦の最中だ。オレは気を取り直して盾を構え、アンセルムに疾走する。
これ見よがしに盾を前に構え、盾で強打すると見せかけて、本命は盾の後ろに隠した片手剣による突きだ。
オレのお得意の戦法である。父上の先生だったアンセルムに通用するとは思えないが、小手調べにはいいだろう。
「せああっ!」
オレは渾身の力でアンセルムにシールドバッシュをお見舞いする。
しかし――――。
オレの渾身のシールドバッシュは、アンセルムが余裕をもってバックステップを踏んだことで空振りに終わる。
だが、オレの本命は、この後の片手剣による突きだ!
シールドバッシュを放った勢いそのまま状態を回転し、オレは縦の後ろから隠していた片手剣で突きを繰り出す。
「ほう? その歳で小賢しいことを考える!」
「くっ!?」
オレの突きは、アンセルムの左剣によってシャリンッという澄んだ音と共に軌道を上に逸らされてしまった。
盾も使うオレは、攻撃を受け止めるよりも攻撃の軌道を逸らす方が何倍も難しいことをよく知っている。
しかも、アンセルムはオレの剣を力任せに弾いたわけではない。オレの剣の軌道を読んで、すっと持ち上げるように自然な逸らし方だった。
これだけで、アンセルムがオレ以上の実力者だということがわかった。
こんな逸らし方もあるのか。勉強になるなぁ。
ピタリと首に冷たい物が当てられる。いつの間に動いたのか、それはアンセルムの持つ右の剣だった。
オレはアンセルムに敗北したのだ。
だが、オレの心の中には歓喜が広がっていた。
まさかこれほどの使い手が学園にいるとは!
さらなる高みを見た。オレもそこに立ってみせるぞ!
どうやらこのおじいちゃん先生、アンセルムは、生徒たちに実力を出させるためにわざと生徒と同じくらいの力で戦っているようだ。
それができるのは、アンセルムが卓越した戦士という証だ。
これは模擬戦が楽しくなるね。
そして、平民の生徒たちの模擬戦を見ていると、ゲーム主人公はジゼルかギーの二人に絞れた。
ジゼルは一番最初に模擬戦に名乗りを上げたピンク髪の少女だ。己の拳で戦う拳闘士で、なんと魔法も使える万能戦士だ。
そして、ギーも剣と魔法を使う二刀流の魔法剣士だ。
他の平民生徒は、魔法を使うことができないらしい。
『ヒーローズ・ジャーニー』の主人公は、【大器早成】というギフトを持っている。
この【大器早成】というギフトの効果は、すべての武器やすべての属性魔法、神聖魔法に適性があり、成長速度にボーナスが付くというものだ。
ぶっちゃけかなりのチートである。
このギフトのおかげで、主人公は何にでもなれた。まさに万能のギフトだね。
どちらが主人公かはまだわからないが、今現在の実力なら、オレはジゼルにもギーにも楽に勝てる。
だが、成長ボーナスを持っている主人公に将来的に抜かされるかもしれない。
やっぱりオレは休まず地道にコツコツと積み上げていこう。
そしていつか、最強になるんだ!
「次は、オレか……」
そうこうしているうちにオレの番がやって来た。片手剣と盾を持ってアンセルムの前へと向かう。アンセルムの得物は双剣だった。
「アベル・ヴィアラット、いきます」
「ほう? お主があのガストンの息子か」
まずは小手調べにシールドバッシュを仕掛けようかと思ったら、アンセルムが気になることを呟いた。
「父を知っているんですか?」
「もちろん知っておるぞ。あれは儂の教え子の中でも群を抜いて才能があったからのう。よく覚えておる」
「教え子……!?」
このお爺ちゃん先生、父上の先生でもあったのか!?
学園時代の父上とかすげー気になる! 話を聞きたい!
だが、今は模擬戦の最中だ。オレは気を取り直して盾を構え、アンセルムに疾走する。
これ見よがしに盾を前に構え、盾で強打すると見せかけて、本命は盾の後ろに隠した片手剣による突きだ。
オレのお得意の戦法である。父上の先生だったアンセルムに通用するとは思えないが、小手調べにはいいだろう。
「せああっ!」
オレは渾身の力でアンセルムにシールドバッシュをお見舞いする。
しかし――――。
オレの渾身のシールドバッシュは、アンセルムが余裕をもってバックステップを踏んだことで空振りに終わる。
だが、オレの本命は、この後の片手剣による突きだ!
シールドバッシュを放った勢いそのまま状態を回転し、オレは縦の後ろから隠していた片手剣で突きを繰り出す。
「ほう? その歳で小賢しいことを考える!」
「くっ!?」
オレの突きは、アンセルムの左剣によってシャリンッという澄んだ音と共に軌道を上に逸らされてしまった。
盾も使うオレは、攻撃を受け止めるよりも攻撃の軌道を逸らす方が何倍も難しいことをよく知っている。
しかも、アンセルムはオレの剣を力任せに弾いたわけではない。オレの剣の軌道を読んで、すっと持ち上げるように自然な逸らし方だった。
これだけで、アンセルムがオレ以上の実力者だということがわかった。
こんな逸らし方もあるのか。勉強になるなぁ。
ピタリと首に冷たい物が当てられる。いつの間に動いたのか、それはアンセルムの持つ右の剣だった。
オレはアンセルムに敗北したのだ。
だが、オレの心の中には歓喜が広がっていた。
まさかこれほどの使い手が学園にいるとは!
さらなる高みを見た。オレもそこに立ってみせるぞ!
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