身代わりで生贄となりましたが、なぜか聖女になってしまいました。美味しく食べられることが最終目標なので、聖女認定は謹んでお断りします!

石河 翠

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「……は?」

 肌は見たことないくらいつるぴかだし、輝く長い髪の色も違う。でも、その笑顔には見覚えがあるんですけど! これはもしかしなくても……。

「神父さま?」
「はい、なんでしょう」
「いやいや、神父さまが神さまとか聞いてないし!」
「僕も呪いに縛られていましたからね。お伽噺とぎばなしにもよくあるでしょう。愛し合うふたりの口づけで呪いが解けると」
「あ、愛しっ」
「レベッカは照れ屋さんですね。あなたが聖女だったおかげで、呪いが解けるだけでなく、神としての力も上がりましたよ」

 くつくつと楽しそうに神父さまが笑った。ほっとしたせいか、ついひねくれたことを言ってしまう。

「さっきまで竜だったくせに、服を着ているのおかしくない?」
「裸がお好みでしたか。意外と大胆ですね」
「違うし!」

 腰が抜けたままの私を、神父さまがひょいと抱えあげた。

「積もる話もありますし、場所を移動しましょうか」

 そのまま神父さまの部屋に連れて行かれる。

「なんで神父さまは、生贄なんて要求したの?」
「呪いを解くことはもう随分前から諦めていましたので。そのぶん、死ぬ前に、ちょっとくらいいい思いをしてもいいかなと」
「別人を要求してたくせに」
「もともと、レベッカが欲しかったんです。でもあの男に素直に言ったら、絶対にあなたを手放さないとわかっていましたからね」
「ありそう!」
「一回きりで我慢して、逃がしてあげようと思ったんですよ。でも、あなたがあんまり可愛いから、つい契約で縛ってしまいました」

 深く深く口づけられる。求められることがこれほど幸せだなんて、知らなかった。
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