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別れと旅立ち
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翌日の朝は村を上げての葬儀を執り行い、ヘクターの亡骸は村の墓地に葬られることとなった。
パーラには今朝の内にヘクターとの対面を行って、おおまかな事情も話してある。
遺体を前に放心状態だったパーラだが、徐々に意識が現実に戻り始めると、ヘクターにしがみ付いてただ涙を流すだけとなってしまった。
べスネー村では教会がないため、村長が神父替わりとなってヘクターの体に聖水を振りかけ、埋葬していく。
棺替わりの厚手の布に包まれているヘクターの顔の部分を覆っている布が開けられ、その場にいる全員に最後の別れの時間が与えられる。
厳かな雰囲気とすすり泣く声が漂う中、掘った穴の中へとヘクターが横たえられるのに合わせて、男たちが土を被せていく。
すると、人の列の中からパーラが飛び出して、穴へと入っていこうとした。
慌てて周りの人たちが止めなければ、そこそこの深さのある穴に落ちて怪我をしていたのかもしれない。
声こそ出ていないが、涙と鼻水でグシャグシャに濡れたパーラの顔のせいで、聞こえないはずの慟哭が耳の奥にこだましているような気分になる。
体を押さえられているのに前に出て行こうとするパーラだが、病み上がりの身ではまだ無茶だったようで、その場に膝をついてしまった。
年かさの女性たちがパーラの肩を抱いて慰めるが、一向に涙が引く様子はなく、その空気が参列者にも伝染していく。
空は快晴なのに、どこかその明るさが白々しく思えて、曇天がこの場のみんなの心の中に広がっていくようだった。
葬儀の締めには参列者に酒が振る舞われ、残される者が笑顔になることで死者の魂を安心させるというのがこの辺りの風習なのだそうだ。
当然のことながら身内が無くなった人間がすぐに笑顔になれるわけもなく、代わりに参列者が笑い騒ぐことで死者を送り出すことになる。
村人達が騒ぐ輪を外れ、パーラが休んでいる家へと向かう。
埋葬の時の騒ぎで体力の消耗が大きかったようで、村の女性が一人だけ付き添って先に家へ戻っていた。
俺がこの村にいる間はヘクター達の家に間借りしていたのだが、流石にパーラに合わせる顔が無く、昨夜だけは村長の家に世話になった。
初めて人をこの手で殺した事実に、いつぞやに感じた罪悪感に襲われることを覚悟していたのだが、ヘクターを殺した相手への怒りと、ヘクターの死を悲しむ気持ちが幾分か殺人への罪悪感を薄められたようで、さほど心が乱されること無くその夜は眠りにつけた。
「おや、アンディじゃないか。パーラちゃんに会いに来たのかい?」
家の扉を開けると女性が俺に気付き、何かの編み物をしている手を休めて応対をしてくれた。
「ええまあ。パーラは部屋に?」
目線でパーラの居場所が伝えられ、そちらへと向かう。
「パーラ、アンディだ。入るぞ」
ノックの後に入室を告げて、少し時間を空けてドアを開ける。
普通の人なら返事があるが、パーラは声が出せないためこうして時間をおいて開けたら着替え中などといった事故を避ける努力をしている。
まあそういう場合はドアにつっかえ棒などをして開かないようにしておくだろうがな。
中に入ると、パーラはベッドの上で膝を抱える形のいわゆる三角座りをして膝頭に顔を埋める体勢のため、顔の表情はわからない。
入室した俺に気付いているだろうが、身じろぎ一つせずにいるその様子から、外界からの刺激を遮断して自分の中の世界に没入したがっているのが伝わる。
まるでヘクターとの幸せだった記憶を思い出して、襲い掛かる悲しみから逃れようとしているかのようだ。
ベッドへと近付いていき、そばにある椅子に腰掛けてからパーラに話しかける。
「ヘクターのことは残念だった」
ヘクターという名前に微かな反応を示したパーラだが、それでもまだ顔を上げることは無いようで、一応俺の声は届いているというのが分かっただけでも今はいい。
「…あいつの最後の話を聞くか?」
ピクリと今度はさっきよりも大きな反応があり、ゆっくりと顔を上げて俺の方を見るパーラと目が合った。
目は泣き腫らした跡がはっきりとわかるぐらいで、今も目の端には涙が僅かに滲んでいる。
ジッと俺の言葉を待っているパーラにヘクターとの最後の場面を話してやる。
ヘクターが最後までパーラのことを気にしていたこと、安らかな死に顔だったことをなるべく感情的にならないように話したつもりだったが、途中からパーラの目からは止めどなく涙が溢れ、全て話し終わる頃には顔を覆って泣いていた。
しばらくは泣くままに任せて落ち着くのを待ち、次にパーラが顔を上げた時にはどこかスッキリした顔をして目にも力が戻っているような気がした。
「落ち着いたか?…そうか」
俺の声に頷きで返したパーラの様子から、今なら敵の話をしてもいいだろうと判断して連中の名前から狙いまで、わかっていることを全て話していく。
昨夜村長と相談して貴族のものと思われる紋章から敵を探そうと思ったのだが、見たことも無い紋章から家を割り出すなど普通の生活を送る人間にはまず無理と言っていいだろう。
だが俺は既にこの紋章から家を探り当てる算段をつけている。
アシャドル王国の中でも辺境を治める重鎮ということで各方面に顔が広い貴族、ルドラマ・ギル・エイントリア伯爵なら分かるかもしれないのだ。
こうして布に書き写した紋章を持ってルドラマに会いに行くことに決めたのだが、村を離れる前にパーラがどうするのかを俺は聞いておきたかった。
「俺はグエンを追う。奴には必ず報いを受けさせるつもりだ。…パーラ、お前はどうする?どうしたい?」
俺の問いに一瞬下を向いて考える仕草をしたが、すぐに顔を上げて俺の目を見つめ返して大きく頷いた。
「それは一緒に来るということでいいんだな?危険は当然承知の上で」
またも大きく頷くことで肯定の意を返し、こうしてパーラが旅の共となることが決まった。
喪に服すという考えがこちらの世界でもあるのかわからないが、ヘクターの埋葬の次の日には村を発つ準備を終える予定で話が決まり、パーラが早速部屋を飛び出して旅の荷物の整理に動きだす。
その様子にパーラの世話をしていた女性が驚いたがそれも一瞬で、元気になったパーラの姿に安堵していた。
「一体何があったんだい?急に飛び出してきたから驚いたよ。まあパーラちゃんが元気になったのは素直にうれしいけどさ」
敵討ちが活力を与えたというのは聞こえは悪いのではないかと思ったが、女性へ素直に説明すると納得気な顔で頷いていた。
こっちの世界では敵討ちは珍しい話ではないし、今回はヘクター達に全く過失がないことから当然の権利のようにとらえるのが普通なのだそうだ。
結局パーラの方は旅の用意をするのにさほど時間がかからなかったため、村の広場に行って皆に元気になった姿を見せるのと、敵討ちの旅に出ることを伝えるために家を飛び出していった。
すっかり元気になったパーラの様子に俺も安心したが、すぐに村長にこのことを伝えるのと、俺がいない間の田んぼの管理に関する注意書きをまとめるために動き出すことになり、それからは暫く慌ただしく走り回ることになりそうだった。
結局俺はほとんど寝ることなく指南書をまとめ、村の何人かに田んぼを託して旅立つ準備を終えた。
あまり長い事村を空けるのは好ましくないのだが、グエンを追うのにどれだけの期間がかかるのかわからないので、俺がいない間に収穫まで行く場合も想定して備えておく。
次の日の朝にはパーラを連れて村を旅立った。
村人から見送られ、バイクの後部シートにパーラを乗せ、2人分に増えた荷物はバイクのサイドバッグに収まりきらないため、リヤカーに詰んで牽いて行く形で走り出す。
初めて走るバイクに乗って興奮気味のパーラを落ち着かせるのに苦労し、出せる限りのスピードで街道を疾走していく。
まずは王都を目指して走るのだが、今回はなるべく急ぎたいので街道の途中から道を外れ、最短距離を走ることにしている。
通る道は荒地ではあるが、とにかく魔物に襲われやすい場所であるため、今では通る者はほとんどいないのだが、俺達にはバイクの速度があるので追いつける魔物はまずいないだろうから気にせずに行ける。
バイクでそこを抜けて安全な場所で野営して、王都まではおそらく2日で着けるはず。
心配なのはパーラが慣れない乗り物に酔ったりしないかということだ。
なにせこれから通る場所は気分が悪くなったから一度止まって休憩というのが難しい場所だ。
「パーラ、これから少し危ない場所を通る。具合が悪くなったからって簡単に止まれないんだ。もし今の時点で気分が悪かったら言えよ?先に休憩を取ってから一気に抜けるからな」
俺の問いに視線を上に向けて考えるような仕草をしたが、すぐに顔を戻して横に振ったことから休憩は不要ということでいいのだろう。
それを確認してから徐々にバイクの速度を上げ、危険な荒野へと向けて最高速度で突っ走っていった。
パーラには今朝の内にヘクターとの対面を行って、おおまかな事情も話してある。
遺体を前に放心状態だったパーラだが、徐々に意識が現実に戻り始めると、ヘクターにしがみ付いてただ涙を流すだけとなってしまった。
べスネー村では教会がないため、村長が神父替わりとなってヘクターの体に聖水を振りかけ、埋葬していく。
棺替わりの厚手の布に包まれているヘクターの顔の部分を覆っている布が開けられ、その場にいる全員に最後の別れの時間が与えられる。
厳かな雰囲気とすすり泣く声が漂う中、掘った穴の中へとヘクターが横たえられるのに合わせて、男たちが土を被せていく。
すると、人の列の中からパーラが飛び出して、穴へと入っていこうとした。
慌てて周りの人たちが止めなければ、そこそこの深さのある穴に落ちて怪我をしていたのかもしれない。
声こそ出ていないが、涙と鼻水でグシャグシャに濡れたパーラの顔のせいで、聞こえないはずの慟哭が耳の奥にこだましているような気分になる。
体を押さえられているのに前に出て行こうとするパーラだが、病み上がりの身ではまだ無茶だったようで、その場に膝をついてしまった。
年かさの女性たちがパーラの肩を抱いて慰めるが、一向に涙が引く様子はなく、その空気が参列者にも伝染していく。
空は快晴なのに、どこかその明るさが白々しく思えて、曇天がこの場のみんなの心の中に広がっていくようだった。
葬儀の締めには参列者に酒が振る舞われ、残される者が笑顔になることで死者の魂を安心させるというのがこの辺りの風習なのだそうだ。
当然のことながら身内が無くなった人間がすぐに笑顔になれるわけもなく、代わりに参列者が笑い騒ぐことで死者を送り出すことになる。
村人達が騒ぐ輪を外れ、パーラが休んでいる家へと向かう。
埋葬の時の騒ぎで体力の消耗が大きかったようで、村の女性が一人だけ付き添って先に家へ戻っていた。
俺がこの村にいる間はヘクター達の家に間借りしていたのだが、流石にパーラに合わせる顔が無く、昨夜だけは村長の家に世話になった。
初めて人をこの手で殺した事実に、いつぞやに感じた罪悪感に襲われることを覚悟していたのだが、ヘクターを殺した相手への怒りと、ヘクターの死を悲しむ気持ちが幾分か殺人への罪悪感を薄められたようで、さほど心が乱されること無くその夜は眠りにつけた。
「おや、アンディじゃないか。パーラちゃんに会いに来たのかい?」
家の扉を開けると女性が俺に気付き、何かの編み物をしている手を休めて応対をしてくれた。
「ええまあ。パーラは部屋に?」
目線でパーラの居場所が伝えられ、そちらへと向かう。
「パーラ、アンディだ。入るぞ」
ノックの後に入室を告げて、少し時間を空けてドアを開ける。
普通の人なら返事があるが、パーラは声が出せないためこうして時間をおいて開けたら着替え中などといった事故を避ける努力をしている。
まあそういう場合はドアにつっかえ棒などをして開かないようにしておくだろうがな。
中に入ると、パーラはベッドの上で膝を抱える形のいわゆる三角座りをして膝頭に顔を埋める体勢のため、顔の表情はわからない。
入室した俺に気付いているだろうが、身じろぎ一つせずにいるその様子から、外界からの刺激を遮断して自分の中の世界に没入したがっているのが伝わる。
まるでヘクターとの幸せだった記憶を思い出して、襲い掛かる悲しみから逃れようとしているかのようだ。
ベッドへと近付いていき、そばにある椅子に腰掛けてからパーラに話しかける。
「ヘクターのことは残念だった」
ヘクターという名前に微かな反応を示したパーラだが、それでもまだ顔を上げることは無いようで、一応俺の声は届いているというのが分かっただけでも今はいい。
「…あいつの最後の話を聞くか?」
ピクリと今度はさっきよりも大きな反応があり、ゆっくりと顔を上げて俺の方を見るパーラと目が合った。
目は泣き腫らした跡がはっきりとわかるぐらいで、今も目の端には涙が僅かに滲んでいる。
ジッと俺の言葉を待っているパーラにヘクターとの最後の場面を話してやる。
ヘクターが最後までパーラのことを気にしていたこと、安らかな死に顔だったことをなるべく感情的にならないように話したつもりだったが、途中からパーラの目からは止めどなく涙が溢れ、全て話し終わる頃には顔を覆って泣いていた。
しばらくは泣くままに任せて落ち着くのを待ち、次にパーラが顔を上げた時にはどこかスッキリした顔をして目にも力が戻っているような気がした。
「落ち着いたか?…そうか」
俺の声に頷きで返したパーラの様子から、今なら敵の話をしてもいいだろうと判断して連中の名前から狙いまで、わかっていることを全て話していく。
昨夜村長と相談して貴族のものと思われる紋章から敵を探そうと思ったのだが、見たことも無い紋章から家を割り出すなど普通の生活を送る人間にはまず無理と言っていいだろう。
だが俺は既にこの紋章から家を探り当てる算段をつけている。
アシャドル王国の中でも辺境を治める重鎮ということで各方面に顔が広い貴族、ルドラマ・ギル・エイントリア伯爵なら分かるかもしれないのだ。
こうして布に書き写した紋章を持ってルドラマに会いに行くことに決めたのだが、村を離れる前にパーラがどうするのかを俺は聞いておきたかった。
「俺はグエンを追う。奴には必ず報いを受けさせるつもりだ。…パーラ、お前はどうする?どうしたい?」
俺の問いに一瞬下を向いて考える仕草をしたが、すぐに顔を上げて俺の目を見つめ返して大きく頷いた。
「それは一緒に来るということでいいんだな?危険は当然承知の上で」
またも大きく頷くことで肯定の意を返し、こうしてパーラが旅の共となることが決まった。
喪に服すという考えがこちらの世界でもあるのかわからないが、ヘクターの埋葬の次の日には村を発つ準備を終える予定で話が決まり、パーラが早速部屋を飛び出して旅の荷物の整理に動きだす。
その様子にパーラの世話をしていた女性が驚いたがそれも一瞬で、元気になったパーラの姿に安堵していた。
「一体何があったんだい?急に飛び出してきたから驚いたよ。まあパーラちゃんが元気になったのは素直にうれしいけどさ」
敵討ちが活力を与えたというのは聞こえは悪いのではないかと思ったが、女性へ素直に説明すると納得気な顔で頷いていた。
こっちの世界では敵討ちは珍しい話ではないし、今回はヘクター達に全く過失がないことから当然の権利のようにとらえるのが普通なのだそうだ。
結局パーラの方は旅の用意をするのにさほど時間がかからなかったため、村の広場に行って皆に元気になった姿を見せるのと、敵討ちの旅に出ることを伝えるために家を飛び出していった。
すっかり元気になったパーラの様子に俺も安心したが、すぐに村長にこのことを伝えるのと、俺がいない間の田んぼの管理に関する注意書きをまとめるために動き出すことになり、それからは暫く慌ただしく走り回ることになりそうだった。
結局俺はほとんど寝ることなく指南書をまとめ、村の何人かに田んぼを託して旅立つ準備を終えた。
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次の日の朝にはパーラを連れて村を旅立った。
村人から見送られ、バイクの後部シートにパーラを乗せ、2人分に増えた荷物はバイクのサイドバッグに収まりきらないため、リヤカーに詰んで牽いて行く形で走り出す。
初めて走るバイクに乗って興奮気味のパーラを落ち着かせるのに苦労し、出せる限りのスピードで街道を疾走していく。
まずは王都を目指して走るのだが、今回はなるべく急ぎたいので街道の途中から道を外れ、最短距離を走ることにしている。
通る道は荒地ではあるが、とにかく魔物に襲われやすい場所であるため、今では通る者はほとんどいないのだが、俺達にはバイクの速度があるので追いつける魔物はまずいないだろうから気にせずに行ける。
バイクでそこを抜けて安全な場所で野営して、王都まではおそらく2日で着けるはず。
心配なのはパーラが慣れない乗り物に酔ったりしないかということだ。
なにせこれから通る場所は気分が悪くなったから一度止まって休憩というのが難しい場所だ。
「パーラ、これから少し危ない場所を通る。具合が悪くなったからって簡単に止まれないんだ。もし今の時点で気分が悪かったら言えよ?先に休憩を取ってから一気に抜けるからな」
俺の問いに視線を上に向けて考えるような仕草をしたが、すぐに顔を戻して横に振ったことから休憩は不要ということでいいのだろう。
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