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本編
20.膨大な霊力 Side.とある王国
しおりを挟む──森の側にある、ガルディアン王国にて。
ひとりの甲冑に身を包んだ男が、玉座に座る王の前で膝を着き、声を上げた。
「報告いたします! 我々騎士団の向かったファータ大森林にて、大森林の奥へ逃げた魔物の魔力が消えたという事態が起こりました。それと同時に、魔法部隊から、並々ならぬ強さの霊力が感知された、との報告がありました」
「うむ。報告ご苦労じゃ。して、その感知された霊力とは、どのようなものがもっているのか分かっておるのか」
「はっ! 我々の見解ですと、動物、植物、無機物のいずれにも属さないものかと」
「⋯⋯そうか。しかしそれでは、当てはまる存在が無いのではないか?」
「し、しかし、どの記録にも当てはまらない性質の霊力であることは確かです!」
「ふむ⋯⋯」
一言をこぼして考え込んだ王に対し、玉座の側で声を上げた者がいた。
「王よ。発言をしてもよろしいでしょうか」
「宰相。どうした」
「今挙げられた動物、植物、無機物のいずれにも当てはまらない存在として考えられるのは、太古の昔に存在したと言われる、妖精や精霊などが当てはまります」
その発言に対し、玉座の間全体から微かなざわめきが聞こえ出した。
「確かに当てはまるが、そんなものが今存在するのか?」
「だが、昔は存在していたのだろう?」
「いやしかし、資料が無さすぎて、本当にいたのかも怪しいと言われているそうだぞ」
ざわざわざわ⋯⋯
「静粛に」
王の声が響くと、ピタリとざわめきが止まった。ピリピリとした緊張感が走る中、王に視線が集まる。
「⋯⋯宰相よ。お主は、妖精や精霊などというものが存在していると考えておるのか」
「はい」
「⋯⋯⋯⋯よろしい。では真偽を確かめるために、ファータ大森林へ調査隊を派遣する。騎士団長、お主を調査隊の隊長に命ずる」
「はっ! 謹んでお受け致します!」
甲冑に身を包んだ男、騎士団長は、一礼をしてから、玉座の間から去っていった。
「これにて、謁見を終了致します」
宰相の声が響くと、王族や側仕えの者たちが退場し、玉座の間に集っていた者たちも、各々去っていった。
▷◇◁
「ねえ、グィド」
「どうしましたか、ヴィンデ王子」
「妖精がいるってほんとかな!?」
「ハハ⋯⋯どうですかね。調査隊が戻ってくれば、居るかどうか分かりますよ。それに、とても昔には実際に居たという記録が残されているそうですよ」
「じゃあほんとにいるんだ!!」
「⋯⋯いやぁ、それは⋯⋯ハハ」
王城の一室。ガルディアン王国の第二王子、ヴィンデが、侍従のグィドと仲良く話していた。今年10歳になったばかりのヴィンデは、少し幼いところがあるが、実に聡明に育っている。ただ、空想の物語が大好きで、今日の謁見で聞いた妖精や精霊が存在しているかもしれない、という話を忘れられずにいた。
グィドは、夢を壊してはいけないと思いつつも、妖精も精霊も存在していないことが常識であるため、冷や汗をかきながら微妙な反応を返していた。
「妖精かぁ⋯⋯ちっちゃくて可愛いんだろうなぁ。お話はできるかな? お友達になりたいな!」
⋯⋯王子の純粋な独り言に、調査隊がいい知らせを持ってきてくれることを切に願うグィドであった。
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エールありがとうございます!(気づくのが遅れてすみません汗)
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