妖精の森の、日常のおはなし。

華衣

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本編

50.一難去って Side.ハーヴェイ、ミント

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「なっ!! こんなすぐに騎士が来るなんて聞いてないぞ!? おい! 早くこっちへ来い!!」

 地下の階段の先には、案の定見張りの黒フードを被った者が居た。そいつはさらに奥へ呼びかけると、仲間の黒フードが4人現れた。⋯⋯あまり手練れには見えないが、油断はしない。おそらく奥にミントが囚われているはずだ。ここを突破して、必ず助け出す。

「行くぞ!」
「「「「はっ!」」」」


 ▷◇◁


Side.ミント

 なんだか外が騒がしい。もしかして、助けが来たのかな? 僕をさらったやつらも焦っている。

「おいっ! 増援は来ないのか!?」
「そ、それが、居住区に情報収集しにいった者たちと連絡が付きません。騎士に捕まったのかもしれ──」
「もう良い!! お前も戦いに加わって俺を守れ!!」
「ヒッ、で、ですが自分は戦闘能力は──」
「ああ? 盾にはなれるだろ?」
「は、はいぃぃ⋯⋯」

 ボスと思われるやつと側近? の戦えないやつがこの部屋にいたけど、側近? は命令で入口へ加勢に行ったみたい。少しの間部屋に静寂が降りる。

「フ、フフ、これであいつらが騎士を足止めしてる間に逃げれるぜ。手柄は独り占めだ!」

 ボスがそう言ったかと思うと、ドスドスと足音が聞こえた。いきなり袋がグワンと揺れて、僕はこてんっと転がった。

「わっ!」
「ヒヒヒッ。お前は俺と来るんだ。あのお方に献上すれば、俺は億万長者に──」

 その時、バンッ! と扉の開く音と、ガチャガチャと金属の音が聞こえた。そこに、聞き慣れた安心する声も聞こえた。

「王国騎士団だ! 大人しく降伏しろ!」

 ハーヴェイさんだ!! 助けに来てくれた!

「はっ? なんでこんなに早く⋯⋯!?」
「拘束しろ」
「「はっ!」」

 ハーヴェイさんが言った後、ドタバタと部屋が騒がしくなり、僕の入った袋もブンブンと振り回される。ちょ、ちょっと、目が回る~!

「わぁあぁあぁ~!」
「ミント! そこか!」

 ハーヴェイさんが袋をバッと取り上げてくれたおかげで、ぐるぐるが止まった。ふぅ~。袋の口を開けてくれて、ようやく僕は外に出ることができた。

「ミント!」
「ハーヴェイさぁーん!! ⋯⋯ひぐっ、うぇぇぇ~~!!」
「⋯⋯ミント、もう大丈夫だ」

 本当に怖かったようで、ハーヴェイさんの顔を見た瞬間安心感が込み上げてきて、泣いてしまった。優しくポンポンと背中を叩く温もりを感じながら、しばらく僕は泣き続けた。



「⋯⋯ずずっ、もうだいじょぶ」
「そうか。そろそろ臨時本部だ。お前のメイドが待ってるぞ」
「えふぃさん⋯⋯?」

 僕が泣いてる間に広場へと移動していたようで、気づいたら周りが賑やかだった。ハーヴェイさんは僕を抱っこしたまま、広場の片隅のテントまでやって来た。中に入ると、すぐにエフィさんの姿が見えた。

「えふぃさん!」

 まだ少し鼻声のまま呼びかけると、エフィさんはハッと顔を上げ、みるみるうちに涙を目に溜めた。

「よ゛う゛せ゛い゛さ゛ま゛~!!! よ゛か゛っ゛た゛で゛す゛~!!」

 僕がハーヴェイさんの腕からぴゅ~っと飛んで行くと、エフィさんもとたとたと駆け寄ってきて、二人でぎゅうぎゅうと抱きしめあった。

「ずみまぜん、わだしが不甲斐ないばっがりに!」
「んーん! えふぃさんのせいじゃないよ! ⋯⋯ぐすっ」

 僕もつられてまた泣き始めてしまい、しばらく二人の泣き声が臨時本部に響いた。そして僕はそのまま泣き疲れて眠ってしまっていたようで、起きたらもう騎士団が後処理を終えていた。エフィさんは僕の側にずっといてくれて、起きた僕に気づくと、安心した笑みを浮かべてくれた。

 こうして、僕の誘拐騒動は一段落ついた。

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感想 2

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みんなの感想(2件)

あーちゃん
2025.10.12 あーちゃん

みんな可愛い(*´꒳`*)
癒されます。
これからも楽しみにしてます!!

2025.10.12 華衣

感想ありがとうございます!
ほのぼのして下さったのなら幸いです
( ´∀`)
これからも更新頑張ります!!

解除
すとりーむ
2025.09.23 すとりーむ

ほのぼのした物語が読みたくてこーゆのを探してました!
最新話で王国の話があり、物語が動きそうでワクワクしてます!
ミントがこれからどんな風に関わっていくのか楽しみです!

2025.09.23 華衣

感想ありがとうございます!
これからも頑張って書いていきますので、楽しみにしていて下さい( ´∀`)

解除

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