「 この国を出て行け!」と婚約者に怒鳴られました。さっさと出て行きますわ喜んで。

十条沙良

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「 フランシス・バローヌ、お前との婚約は破棄させてもらう。だから聖女の資格も剥奪だ。さっさとこの国を出て行け!この嘘つき女め。」

婚約者であるカール王子から大勢の前で大声で怒鳴られた私は驚くよりも、あきれてしまった。

聖女として一国を守ってきた私に、いくら王子だからって失礼過ぎ。それに他の女と浮気してる事を私が気が付かないとでも思ってるのかしら。

無礼にも程がある。だって私には、そこにもご先祖様達や守護霊様達や天使様達や精霊達やら
が見えてる。他の人には見えてないってわかった時にどれだけ驚いたか。

私はこの国を出た。私の後ろには国民の列が出来た。ほとんどの人が出国するやいなや魔獣が侵入して山は燃えて水は腐った。この世の地獄の風景が広がった。

私はたくさんの人々と隣国に移り住み、その土地に守護を与えた。そこで皆と幸せに暮らす事だけを考えたい。

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