41 / 188
第40話 家を回復《ヒール》はさすがに無理?
しおりを挟む
「よし、今度は家を直してみるよ。全員外に出てもらっていい?」
「わかった。よし、全員外に出るぞ!」
「はーい!」
ヘタイロスの号令で皆が一斉に外に出る。もちろんサルヴァンもアレサもリーネも外へ。
「よし、じゃあやってみるよ!」
頼んだよ拡大解釈!
持てよ、僕の魔力!
「この家を回復! 強化! 強化おおおっ!」
過剰に魔力を注ぎ、フルブースト!
すると家は光に包また。しかし……。
家は確かに綺麗にはなった。腐りかけてた部分は直り、板が綺麗になっている。しかし無くなった板は元に戻らないし、穴の空いた箇所はそのままだ。
しかしそれも当たり前かもしれない。オークの肉質を戻すことはできても、失った部分は戻っていなかったのだから。それと同じだ。人の怪我は自然に治るけど、壊れた板はいつまで経っても壊れた板のままに過ぎない、ということだ。
「すげぇー! 家が前より綺麗になってる!」
「ほんとだー!」
それでも子供たちは大喜びだ。少なくとも前ほどみすぼらしくは無いもんね。正直、がっかりさせるんじゃないかと心配したけど、喜んで貰えて良かった。
「ルウ、ありがとな。後は自分たちで修繕してみるよ」
「うん、わかった」
僕は返事をすると、サルヴァンに近づき、内緒話を始める。あまりお金の話を大っぴらにしたくないんだよね。今は懐もあったかいけど、金持ちアピールなんてしたくないから。それをやるとヘタイロス達との間に壁が生まれてしまうんじゃないだろうか。僕はそれが怖いのだ。
「ねぇ、サルヴァン。修繕費用を少し出せないかな?」
「じゃあ金貨2枚と銀貨300枚くらい出してくれ。俺が渡すよ」
「うん、頼むね」
「気持ちは俺も同じだからな」
僕は言われた額を皮袋に入れ、サルヴァンに渡した。一応僕らパーティのお金は僕が預かっているけど、小遣い以外は全てサルヴァンの許可無しには使わないのがルールなのだ。
これはサルヴァンを絶対のリーダーとしているからで、僕らの結束を高めるためでもある。年長者がリーダーなのはストリートチルドレン共通のルールなんだよね。
「ヘタイロス。これを使ってくれ。それなりに入っているから大事にな。それとルウ、オーク1匹出してやれ。解体用のナイフはあるから自分たちでできるだろ。失敗しても食えないわけじゃないしな」
「うん、わかった」
僕はサルヴァンに言われた通りオークを1匹脇に置いてあったリアカーに載せた。
「ありがとうサルヴァン。こんなにしてもらって助かるよ」
「気にすんな。お前が頑張ってくれているのは知ってるからな。もう本も読めるようになったんだってな?」
「ああ、拙いながらもチビたちに教えてやれるようになってきたよ」
サルヴァンからお金を受け取るとヘタイロスは深々と頭を下げる。お金は大事だ。これだけあれば2ヶ月おなかいっぱい食べても残るほどの金額になる。これで僕たちがいない間でもなんとかなるだろう。
それにヘタイロスが文字をある程度理解できるようになったおかげで他の子達にも教えてあげられるようになったようだ。後は計算を覚えれば商人に雇われることだってできるし、冒険者以外の道も見えてくるかもしれない。それこそ読み書きを教えるだけでもお金になるだろうし。
つまりは教育を受けられないというストリートチルドレンのハンデを乗り越えることもできるわけだ。なんと言っても平民でも読み書きを出来ない人達は一定数存在するわけたからね。
「それは良かった。じゃあ俺たちはもう行くな。後は頼んだぞ」
「ああ、任せてくれ!」
僕たちは手を振り、皆に別れを告げる。皆が手を振り返し、声をかけあって再会を約束した。そして僕たちはクランハウスへと戻るのだった。
「わかった。よし、全員外に出るぞ!」
「はーい!」
ヘタイロスの号令で皆が一斉に外に出る。もちろんサルヴァンもアレサもリーネも外へ。
「よし、じゃあやってみるよ!」
頼んだよ拡大解釈!
持てよ、僕の魔力!
「この家を回復! 強化! 強化おおおっ!」
過剰に魔力を注ぎ、フルブースト!
すると家は光に包また。しかし……。
家は確かに綺麗にはなった。腐りかけてた部分は直り、板が綺麗になっている。しかし無くなった板は元に戻らないし、穴の空いた箇所はそのままだ。
しかしそれも当たり前かもしれない。オークの肉質を戻すことはできても、失った部分は戻っていなかったのだから。それと同じだ。人の怪我は自然に治るけど、壊れた板はいつまで経っても壊れた板のままに過ぎない、ということだ。
「すげぇー! 家が前より綺麗になってる!」
「ほんとだー!」
それでも子供たちは大喜びだ。少なくとも前ほどみすぼらしくは無いもんね。正直、がっかりさせるんじゃないかと心配したけど、喜んで貰えて良かった。
「ルウ、ありがとな。後は自分たちで修繕してみるよ」
「うん、わかった」
僕は返事をすると、サルヴァンに近づき、内緒話を始める。あまりお金の話を大っぴらにしたくないんだよね。今は懐もあったかいけど、金持ちアピールなんてしたくないから。それをやるとヘタイロス達との間に壁が生まれてしまうんじゃないだろうか。僕はそれが怖いのだ。
「ねぇ、サルヴァン。修繕費用を少し出せないかな?」
「じゃあ金貨2枚と銀貨300枚くらい出してくれ。俺が渡すよ」
「うん、頼むね」
「気持ちは俺も同じだからな」
僕は言われた額を皮袋に入れ、サルヴァンに渡した。一応僕らパーティのお金は僕が預かっているけど、小遣い以外は全てサルヴァンの許可無しには使わないのがルールなのだ。
これはサルヴァンを絶対のリーダーとしているからで、僕らの結束を高めるためでもある。年長者がリーダーなのはストリートチルドレン共通のルールなんだよね。
「ヘタイロス。これを使ってくれ。それなりに入っているから大事にな。それとルウ、オーク1匹出してやれ。解体用のナイフはあるから自分たちでできるだろ。失敗しても食えないわけじゃないしな」
「うん、わかった」
僕はサルヴァンに言われた通りオークを1匹脇に置いてあったリアカーに載せた。
「ありがとうサルヴァン。こんなにしてもらって助かるよ」
「気にすんな。お前が頑張ってくれているのは知ってるからな。もう本も読めるようになったんだってな?」
「ああ、拙いながらもチビたちに教えてやれるようになってきたよ」
サルヴァンからお金を受け取るとヘタイロスは深々と頭を下げる。お金は大事だ。これだけあれば2ヶ月おなかいっぱい食べても残るほどの金額になる。これで僕たちがいない間でもなんとかなるだろう。
それにヘタイロスが文字をある程度理解できるようになったおかげで他の子達にも教えてあげられるようになったようだ。後は計算を覚えれば商人に雇われることだってできるし、冒険者以外の道も見えてくるかもしれない。それこそ読み書きを教えるだけでもお金になるだろうし。
つまりは教育を受けられないというストリートチルドレンのハンデを乗り越えることもできるわけだ。なんと言っても平民でも読み書きを出来ない人達は一定数存在するわけたからね。
「それは良かった。じゃあ俺たちはもう行くな。後は頼んだぞ」
「ああ、任せてくれ!」
僕たちは手を振り、皆に別れを告げる。皆が手を振り返し、声をかけあって再会を約束した。そして僕たちはクランハウスへと戻るのだった。
51
あなたにおすすめの小説
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
異世界で世界樹の精霊と呼ばれてます
空色蜻蛉
ファンタジー
普通の高校生の樹(いつき)は、勇者召喚された友人達に巻き込まれ、異世界へ。
勇者ではない一般人の樹は元の世界に返してくれと訴えるが。
事態は段々怪しい雲行きとなっていく。
実は、樹には自分自身も知らない秘密があった。
異世界の中心である世界樹、その世界樹を守護する、最高位の八枚の翅を持つ精霊だという秘密が。
【重要なお知らせ】
※書籍2018/6/25発売。書籍化記念に第三部<過去編>を掲載しました。
※本編第一部・第二部、2017年10月8日に完結済み。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる