【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ

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第61話 克肖者《こくしょうしゃ》ルウ

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 作者注※克肖者とはキリスト教における聖人に付される称号の1つです。
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 この日、王城では勲章の授与式が行われることになった。王城なんて初めて入ったけど、とにかく広い!
 天井高い!
 それにとても綺麗!

 失礼のないように貴族様の着るような礼服を買ったけど、安いのでも金貨8枚もした。平民の1ヶ月の給料並じゃん!

 招かれた謁見の間には多くの貴族様方が集まっている。みんな高そうな服やドレスに身を包んでいて僕なんて場違いじゃなかろうか?

 僕と一緒にいるのはクランリーダーのライミスさんとリオネッセさん、僕とリーネだ。リーネは赤いドレスに身を包み、慣れないヒールを履いている。最初は歩きにくそうだったけどすぐ慣れたみたいだ。リーネは勲章の授与はないけど、この後聞き取りと誓いの儀があるため参列している。不安なのか僕の腕にしがみついていた。

    リーネのドレス姿を初めて見たとき、思わず見惚れてしまったのは内緒。どう言ったらいいのかわかんなくて「うん、似合ってるよ」なんていうありきたりな言葉しか出なかった自分が少し情けない。

 控えていた楽団がファンファーレを鳴らす。式典が始まったのか。緊張するなぁ……。正直生きた心地がしないよ。

「諸君、本日はよく集まってくれた。まずはこれを見るがいい」

 国王陛下が挨拶もそこそこに取り出したのはシーサーペントの魔石で作った水の神石だ。人の頭ほどもある巨大なサファイアの結晶体のようにも見える。

「これは水の神石というアーティファクトである。万病を癒し、傷を癒すという神の水を無限に生み出すものだ。これがあれば疫病が流行ったとしてもその流行を抑え、多くの命を救うだろう。余はこの水の神石を国宝と定め、この神石を作り上げ、献上したクラン勇士の紋章に勲章を授与したいと思う!」

 国王陛下が神石を掲げ、その持つ力を周りに伝える。神水を無限に生み出すという恩恵は非常に大きいと思う。外遊時に携帯させれば水の心配は要らないし、わざわざ井戸や川に水を汲みに行く必要も無い。回復薬としても使え、万病を癒す力があるため疫病対策にもなる。その価値のわからない者はこの場にはいなかった。

 勲章の授与に異を唱えることもなく拍手で応えると、会場には割れんばかりの拍手が。
 その拍手も国王陛下が手で合図するとすぐに鳴り止む。予行演習でもしたのかと思うほどだ。

「勇士の紋章リーダー、勇者ライミスよ。余の前に立つことを許す!」
「はっ!」

 国王陛下の許しを得てライミスさんが右手を胸に当てて一礼すると、前に出る。そして国王陛下の前で片膝をつくと顔を伏せた。

「勇者ライミス、面をあげよ」
「はっ!」
「水の神石を作り上げたその功績を讃え、天守勲章を授ける」

 国王陛下の言により、美しい女性が木箱に入れられた勲章を持って来た。この国の王女様かな?
 見たことないから顔知らないや。

「これからも我が国のために尽力することを期待します」
「ありがたき幸せにございます!」

 (多分)王女様から木箱を両手で受け取ると、ライミスさんは立ち上がって一礼し、僕たちの所へ戻って来た。

 授与式はまだ終わらない。国王陛下は周りを眺めた後、大きな声で皆に伝えた。

「そしてまだ諸君らに伝えねばならぬことがある。サンマルクの街では最近魔黒病が流行り出したのだ!」
「魔黒病だって!」

 魔黒病、という言葉に反応する貴族様たち。一気に会場がざわつく。もう根絶したことを知らない貴族は多いのかもしれない。

「静まりたまえ。安心するがいい。サンマルクの街からは既に魔黒病は根絶されている。その事はサンマルクの街の領主ルッツェン伯爵がクラン勇士の紋章に宛てた感謝状という形で私の元に知らされている。皆も知っての通り魔黒病は治療方法の無い死の疫病として恐れられてきた。しかし彼等はその病の正体を明らかにし、根絶して見せたのだ!」

 国王陛下の告知により会場の皆が驚きの声をあげる。

「素晴らしい!」
「その英雄には見合った報奨を!」
「歴史に名を残す偉業だ!」

 そして口々にその偉業を褒め讃える。凄い熱気で気圧されてしまいそう……。

「私はその偉業を成し遂げた2人に聖珠勲章を授けようと思う!    聖女リオネッセ、冒険者ルウ、余の前に立つことを許す!」

 そして僕とリオネッセさんの番になった。緊張でカチコチになりながらも国王陛下の前までたどり着くと、片膝をついて顔を伏せた。

「2人とも面をあげよ。2人には聖珠勲章を授ける。そして冒険者ルウよ。お前には克肖者の称号が与えられる。これは正式な聖人に付される称号であり、教会にも克肖者ルウとしてその名が連ねられることとなるだろう」

 ナンデスト?
 僕が聖人?
 身分的には実質平民以下なんだけど?
 そこまで凄い功績だったのかな?

「なんと!」
「つまり教会が認めたのか!」

 謁見の間がまたもざわめく。聖人の認定なんてそうそうあるものじゃないはずだよね?

「これからも我が国のため尽力することを期待します」

 リオネッセさんには多分王子殿下?
 僕には先程より小さい女の子、多分王女殿下?
 より勲章を授けられた。そして受け取ると、盛大な拍手が巻き起こるのだった。

 



 その後、非公式に僕とリーネの聞き取りが行われた。聞き取りを行っているのはこの国の魔導士団の団長さんだそうだ。すっごい偉い人!
 で、僕のできることを話したんだけど……。

「ちょっと異常だね2人とも。特にルウ、君は危険だ。心の中で思うだけで魔法が発動する?    相手の恩恵ギフトスキルを破壊?    強化魔法や弱化魔法で相手を戦闘不能にできる?     もう君一人で国を滅ぼせるんじゃないか?」

 団長さんは呆れていた。無声発動と弱化と強化による戦闘不能は実際にやって見せた。食らってみたいなんて変わってるよね。すぐに回復ヒールで治したけどさ。

「無理ですよ。殴り合いならオークにも勝てませんから」
「殴られる前に魔法で終わるでしょ。で、そちらのリーネと組んで空を飛んだり野営で石の家を作ったり、もうなんなの?    しかも人の数倍のサイズの氷の塊を大量に落として廃村のオークを壊滅させた話もぶっ飛んでいる!」

 まぁ、あれは魔力が大きければできるわけじゃないからねぇ……。多重発動がえぐいんです。

「やはり2人とも忠誠の誓いを立てていただくことになりますね。あなた方程の人材が他国に流れでもしたら困りますからね」
「はあ……」

 なんとなく気のない返事をする。理由はわかっているから納得はしてるんだけどね。

「言っておきますけど、忠誠の誓いがあるからあなた方は自由に活動できていることを知ってくださいね?」
「わかってますよ」

 こうして僕とリーネは忠誠の誓いを立てることになった。実質管理下に置かれることになるけど冒険者としての信用は格段に上がるので悪いことばかりじゃなさそうだ。Sランクへの昇格条件にもなってるそうで。よくできてるな……。
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