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第130話 閉鎖的な村1
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「ここがウォレンスの西にある村か。柵がしてあるし門もひとつ。はてさて、中に入れるのかこれ?」
次の日、僕たちはウォレンスの西にある村に来ていた。例のごとく飛行船で来たわけだけど、空から見た感じ村は完全に柵に覆われており、外から人が入っていることを防いでいるようだった。村人たちも盗賊とか来たら困るわけだしその位はするものなのかな。
一応村に入るのだから、ということで剣などの武器は僕やリーネ、フィンで預かっている。武装していて警戒されても困るからね。
「まぁ、とりあえず声をかけてみようぜ。すいませーん」
村へ入る門があり、その門戸は閉ざされている。それだけで閉鎖的な印象もあるが、見張りが立っていないのはなんでだろう。矢倉を組んで見張り台を置いてある様子はなかったと思うんだけど。
そしてルードが声をかけるが全く返事がないのも妙だ。普通門の内側くらい誰かいそうなもんだけど。破られたらどうするつもりなんだろうね。
「ちっ、返事無しかよ。ルウ、俺の声の大きさを強化してくれ」
「うん、わかった」
僕の返事を待たずにルードが思いっきり息を吸う。
「強化」
「すいまーーーーん!! 誰かいませんかぁぁぁっっ!?」
強化したルードの声はあまりにも大きかった。それはもう、近くにいた僕の頭がクラクラするほどに。大きな声が山に響き渡ると、こだままで返ってきた。相当な声量だね。
「やかましいぞ! なんのようだ!」
門の外側から男の怒声が聞こえた。やかましすぎたのか、かなりおかんむりのようだ。
「すいません旅の者なのですが、村で少し休ませてはもらえないでしょうか?」
「帰れ。余所者を受け入れる気はない」
「そこをなんとか!」
「くどい。まだ日も明るいだろ。山を降りるには十分な時間だ」
けんもほろろに断られ、ルードが僕を見る。うーん、行商人を装った方がまだ良かったかもしれない。来る前に考えておくべきだったかなぁ。まぁ、売れそうなものはあるしちょっとやってみるか。
「ところで、僕達結構珍しい魔道具やポーションを持っているんですが、買っていただくことはできますか?」
「……たとえば?」
「作物を成長させる薬や怪我を治す薬、水を生み出す魔道具もありますよ」
「……ちょっと待っていろ」
よし、少しはマシな反応になった。作物を成長させる薬は即興で作ってしまえばいいだろう。効果のほどは試してないからわからないけど、その都度調整すればいい。水は神水を渡す訳にはいかないのでフィンの水創を使って作ればいい。後は要望に応じてかな。
待つことしばし。
「入れ」
門戸は開かれ、中へと招かれる。どうやら成功したようだ。出迎えたのは数人の男達。男達は特に武器など持っておらず、着ている服も皆一般的な麻の服だ。
「ではお邪魔します」
「待て。ガキばっかりじゃないか。本当に言っていた魔道具やポーションはあるんだろうな? 全員ほとんど手ぶらじゃないか」
「収納魔法が使えるんですよ」
僕は虚空からポーションを取り出して見せる。中身は僕の作ったやつなので重症でも治せる程のものだ。
「魔導士がいるのか。まぁいい。この村でおかしな真似はしないことだ。下手なことをすれば二ー様の怒りに触れ、その下僕に殺されることになるからな」
「……! わかりました」
どうやら既にアマラ達の手が延びていたようだ。フィンの予想した通りになってしまったみたいだね。これは話を聞かない訳にはいかないかな。
村の男達が先導し、僕たちは村の中へと入る。村はパッと見よくある牧歌的な風景だ。畑があり、それを耕す人。村の中で飼っているのであろう鶏や牛たちが柵の中の緑に囲まれ、のんびりと過ごしている。天気もいいためそんな風景がより一層似合っていた。
「村長が商品を見せて欲しいと言っている。付いてこい。しかし人数が多いな。九人もいるのか……」
「食糧はありますのでお気遣いなく。せっかくなので何か買っていただければ」
周りを見た感じ、露骨に怪しい建物はさすがに無さそうだ。神殿の類も今のところ見当たらない。男の案内に従い、なんの舗装もされていない道を歩く。途中走り回って遊んでいる子供たちとすれ違った。
「あはははははー! 悪い盗賊なんかみーな殺しだー! 待て待てー!」
……なかなか物騒な遊びかと思ったけど、ただの鬼ごっこのようだ。鬼ごっこだよね?
追いかける鬼役の子が持っているのはただの長い木の枝だ。そして追い回され逃げる子供たち。うん、どう見ても遊んでいるだけにしか見えない。
「やれやれ、口の悪い子供たちだ。気にしないでくれ、前に盗賊が来たんだがそいつらを皆殺しにしてやっただけだ」
「み、皆殺し……!?」
「そうだ。ま、やったのは俺じゃねーが、この村には守り神様がついているからな」
なるほど、どうやらその守り神様とやらがこの村を牛耳る悪魔、ってことか。恐らく村を護らせることでクリフォトの種に入信させているのだろう。しかしそれだと状況によってはその悪魔を退治するわけにはいかなくなるかもしれない。その悪魔を倒せば村を守る者がいなくなるわけだから……。
次の日、僕たちはウォレンスの西にある村に来ていた。例のごとく飛行船で来たわけだけど、空から見た感じ村は完全に柵に覆われており、外から人が入っていることを防いでいるようだった。村人たちも盗賊とか来たら困るわけだしその位はするものなのかな。
一応村に入るのだから、ということで剣などの武器は僕やリーネ、フィンで預かっている。武装していて警戒されても困るからね。
「まぁ、とりあえず声をかけてみようぜ。すいませーん」
村へ入る門があり、その門戸は閉ざされている。それだけで閉鎖的な印象もあるが、見張りが立っていないのはなんでだろう。矢倉を組んで見張り台を置いてある様子はなかったと思うんだけど。
そしてルードが声をかけるが全く返事がないのも妙だ。普通門の内側くらい誰かいそうなもんだけど。破られたらどうするつもりなんだろうね。
「ちっ、返事無しかよ。ルウ、俺の声の大きさを強化してくれ」
「うん、わかった」
僕の返事を待たずにルードが思いっきり息を吸う。
「強化」
「すいまーーーーん!! 誰かいませんかぁぁぁっっ!?」
強化したルードの声はあまりにも大きかった。それはもう、近くにいた僕の頭がクラクラするほどに。大きな声が山に響き渡ると、こだままで返ってきた。相当な声量だね。
「やかましいぞ! なんのようだ!」
門の外側から男の怒声が聞こえた。やかましすぎたのか、かなりおかんむりのようだ。
「すいません旅の者なのですが、村で少し休ませてはもらえないでしょうか?」
「帰れ。余所者を受け入れる気はない」
「そこをなんとか!」
「くどい。まだ日も明るいだろ。山を降りるには十分な時間だ」
けんもほろろに断られ、ルードが僕を見る。うーん、行商人を装った方がまだ良かったかもしれない。来る前に考えておくべきだったかなぁ。まぁ、売れそうなものはあるしちょっとやってみるか。
「ところで、僕達結構珍しい魔道具やポーションを持っているんですが、買っていただくことはできますか?」
「……たとえば?」
「作物を成長させる薬や怪我を治す薬、水を生み出す魔道具もありますよ」
「……ちょっと待っていろ」
よし、少しはマシな反応になった。作物を成長させる薬は即興で作ってしまえばいいだろう。効果のほどは試してないからわからないけど、その都度調整すればいい。水は神水を渡す訳にはいかないのでフィンの水創を使って作ればいい。後は要望に応じてかな。
待つことしばし。
「入れ」
門戸は開かれ、中へと招かれる。どうやら成功したようだ。出迎えたのは数人の男達。男達は特に武器など持っておらず、着ている服も皆一般的な麻の服だ。
「ではお邪魔します」
「待て。ガキばっかりじゃないか。本当に言っていた魔道具やポーションはあるんだろうな? 全員ほとんど手ぶらじゃないか」
「収納魔法が使えるんですよ」
僕は虚空からポーションを取り出して見せる。中身は僕の作ったやつなので重症でも治せる程のものだ。
「魔導士がいるのか。まぁいい。この村でおかしな真似はしないことだ。下手なことをすれば二ー様の怒りに触れ、その下僕に殺されることになるからな」
「……! わかりました」
どうやら既にアマラ達の手が延びていたようだ。フィンの予想した通りになってしまったみたいだね。これは話を聞かない訳にはいかないかな。
村の男達が先導し、僕たちは村の中へと入る。村はパッと見よくある牧歌的な風景だ。畑があり、それを耕す人。村の中で飼っているのであろう鶏や牛たちが柵の中の緑に囲まれ、のんびりと過ごしている。天気もいいためそんな風景がより一層似合っていた。
「村長が商品を見せて欲しいと言っている。付いてこい。しかし人数が多いな。九人もいるのか……」
「食糧はありますのでお気遣いなく。せっかくなので何か買っていただければ」
周りを見た感じ、露骨に怪しい建物はさすがに無さそうだ。神殿の類も今のところ見当たらない。男の案内に従い、なんの舗装もされていない道を歩く。途中走り回って遊んでいる子供たちとすれ違った。
「あはははははー! 悪い盗賊なんかみーな殺しだー! 待て待てー!」
……なかなか物騒な遊びかと思ったけど、ただの鬼ごっこのようだ。鬼ごっこだよね?
追いかける鬼役の子が持っているのはただの長い木の枝だ。そして追い回され逃げる子供たち。うん、どう見ても遊んでいるだけにしか見えない。
「やれやれ、口の悪い子供たちだ。気にしないでくれ、前に盗賊が来たんだがそいつらを皆殺しにしてやっただけだ」
「み、皆殺し……!?」
「そうだ。ま、やったのは俺じゃねーが、この村には守り神様がついているからな」
なるほど、どうやらその守り神様とやらがこの村を牛耳る悪魔、ってことか。恐らく村を護らせることでクリフォトの種に入信させているのだろう。しかしそれだと状況によってはその悪魔を退治するわけにはいかなくなるかもしれない。その悪魔を倒せば村を守る者がいなくなるわけだから……。
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