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第133話 閉鎖的な村4
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「うーむ、何をそんなに怒っているのか全く理解できんのだが……」
周りにはレッサーデーモンがいるのだがアレサは余裕たっぶりだ。確かにまぁ、レッサーデーモンなんて神域への昇華を使えば軽く全滅するけどさ、一応囲まれているんだよね。
「……悪魔を前に随分と余裕ですね。私が命令すればあなた達、死にますよ?」
「ふむ、これでは話ができんではないか。ルウよ、さっさとレッサーデーモンを滅ぼしてしまえ」
「はいはい、全く……。戦いに来たわけじゃないんだけどな……。神域への昇華」
あー、一応あの巫女もどきも人魔だった。下手すると一緒に浄化しちゃうから守っておくか。無声発動でゴルドに光の膜を張る。これで大丈夫だろう。
僕を中心に光の波動が駆け抜ける。その波動の通った空間は浄化され、全てのレッサーデーモンが白い光に包まれてその身を崩していった。
「な、なんですって……!」
ゴルドは目を見開き、歯を食いしばってワナワナと震えている。使えるのは僕の知る限り僕を含めて二人くらいしかいない魔法だ。そりゃ驚くだろう。
「す、すげぇな……」
「聖人てのは伊達じゃないのね……」
ルードやミラも驚いている。そういや彼らの前じゃ使わなかったっけ。
「で、私の質問には答えてくれるのか?」
「……ニーグリ様が巫女は男が女になり切ってするものだとおっしゃったからよ」
「つまりニーグリの趣味か……。全く理解できん」
あの悪魔の趣味かい。村の男全員に女装を強いていないだけマシなのか……?
「あなた達にニーグリ様を理解できるわけがないわ。それでどうするの? 私も殺すつもりかしら?」
「待て待て待て待て。あんたが男なのは本当なのか?」
「心は女よ! 名前だってフランソワと改めたんだから」
つまり身体は男と。あの悪魔なら性別変えるとか出来そうだけど、それはしないのか出来ないのか。
「そ、そうなのか……」
あ、ルードがなんかショック受けてる。もしかして好みのタイプだったとか?
「で、フランソワさん。先に言っておくが、俺らの目的はクリフォトの種が周囲にどのくらい広まっているのかの調査だけだ。悪魔が悪さしてるとか計画しているとかならともかく、そうでないなら戦うつもりはねぇよ」
「……それを信じろと? 調査しているのは敵対しているからでしょ。悪魔信仰が良くないことくらい知ってるわ。でも神様はこの村に何もしてくれないじゃない。手を差し伸べられたから手を取っただけよ」
「対価は?」
これが一番の問題だ。その対価次第で何を企んでいるか予測を立てないといけない。
「信仰と祈りよ。それ以外何かしろとも言われていないわ。それにもしニーグリ様がいなかったらこの村は盗賊に攻められて多くの死者が出ていたのよ。作物だって良く育つようになったし」
フランソワはその場に座るとぶすっとした顔で不承不承話し始めた。その場に座ったということは戦意はない、ということかな。
「それだけか?」
「それだけよ。もういいでしょ、あなた達早くこの村から出ていきなさいよ」
「信仰と祈りをやめるつもりは?」
「ないわね。助けられた恩があるのよ」
うーん、これ以上つついても何も出そうにないなぁ。悪さしてるわけでもないのに無理矢理吐かせるのもなぁ……。
「ねぇ、そういえば案内してくれた村長の息子さんいないんだけど……」
「え?」
あ、そういえばいつの間にかいなくなってる。多分レッサーデーモンが召喚されたときに逃げたのだろう。そうなると当然その行き先は村長の家か。面倒なことになるかも。
「まずいかも。すぐに村を出よう!」
「わかった。全員撤収だ、逃げるぞ!」
下手をすると村人に囲まれてしまう。そうなる前に逃げないと。一番手っ取り早いのは空を飛んで逃げることだろう。
「じゃあ全員空飛んで逃げるよ!」
「おう!」
全員には普段から飛翔の魔法を封じた魔晶石を持たせてある。緊急時に使うこともある魔法なので悠長に全員に手渡ししていられない時もあるからね。
そして僕らは急いで建物を出た。するとやはり建物の外には村長やその息子、そして村人達が数人いた。
「貴様ら何者だ! 大人しくしてもらおう」
手に縄を持っている者も見受けられる。僕だけならわざと捕まって調査もありだけど、仲間にそんな危険な真似はさせられない。
「嫌だね。全員飛ぶぞ!」
「「「おう!!」」」
サルヴァンが号令をかけ、皆が一斉に空を飛ぶ。
「飛んだ!?」
下から村人達の驚く声が聞こえた。まぁ、想定していないよね普通。サルヴァンを先頭に僕らは村の外を目指して逃げた。これで追っては来られないだろう。
そう思ってたんだけどね。
「むぁてぇぇぇい!」
後ろから声が聞こえた。村長の声か?
後ろを振り向くと村長とその息子が空を飛んで追いかけてきた。うそん。
「全員村の外の平原に降りるぞ!」
どうやら迎え撃つことになりそうだ。恐らく彼らも人魔なのだろう。説得して帰ってくれるといいんだけど。
サルヴァンが平原に降り立ち、僕らもその周辺に降り立つ。村長とその息子も僕らの近くに降りてきた。
「貴様ら一体何者だ!」
「お前らニーグリ様の敵か? 何の目的で村に来たのか吐いてもらうぞ」
二人は眉間に皺を寄せ、肩を怒らせている。問答無用でないだけマシなのかな?
「それはあの巫女さん? フランソワさんに話した。村を出ていけと言われたからそのまま帰らせてくれ」
「答えになっとらんわ! レッサーデーモンを召喚したところを見られた以上このまま帰す訳にはいかんな」
「確かにな。冒険者ギルドに話されでもしたら討伐隊が来ちまう」
「しねーよそんな真似。そっちこそ悪用しないってんなら黙っててやるぞ」
村人にしてみれば確かにそれは困るだろう。下手すりゃ村人全員処刑も有り得る。そうなる可能性がある以上他言する気は無い。もちろん力を悪用する、というなら話は別だ。
「それを信用しろと? 悪いけどその口封じさせてもらう!」
息子の方は問答無用のようだ。右手に黒い魔力を集め、僕たちに襲いかかって来た。
周りにはレッサーデーモンがいるのだがアレサは余裕たっぶりだ。確かにまぁ、レッサーデーモンなんて神域への昇華を使えば軽く全滅するけどさ、一応囲まれているんだよね。
「……悪魔を前に随分と余裕ですね。私が命令すればあなた達、死にますよ?」
「ふむ、これでは話ができんではないか。ルウよ、さっさとレッサーデーモンを滅ぼしてしまえ」
「はいはい、全く……。戦いに来たわけじゃないんだけどな……。神域への昇華」
あー、一応あの巫女もどきも人魔だった。下手すると一緒に浄化しちゃうから守っておくか。無声発動でゴルドに光の膜を張る。これで大丈夫だろう。
僕を中心に光の波動が駆け抜ける。その波動の通った空間は浄化され、全てのレッサーデーモンが白い光に包まれてその身を崩していった。
「な、なんですって……!」
ゴルドは目を見開き、歯を食いしばってワナワナと震えている。使えるのは僕の知る限り僕を含めて二人くらいしかいない魔法だ。そりゃ驚くだろう。
「す、すげぇな……」
「聖人てのは伊達じゃないのね……」
ルードやミラも驚いている。そういや彼らの前じゃ使わなかったっけ。
「で、私の質問には答えてくれるのか?」
「……ニーグリ様が巫女は男が女になり切ってするものだとおっしゃったからよ」
「つまりニーグリの趣味か……。全く理解できん」
あの悪魔の趣味かい。村の男全員に女装を強いていないだけマシなのか……?
「あなた達にニーグリ様を理解できるわけがないわ。それでどうするの? 私も殺すつもりかしら?」
「待て待て待て待て。あんたが男なのは本当なのか?」
「心は女よ! 名前だってフランソワと改めたんだから」
つまり身体は男と。あの悪魔なら性別変えるとか出来そうだけど、それはしないのか出来ないのか。
「そ、そうなのか……」
あ、ルードがなんかショック受けてる。もしかして好みのタイプだったとか?
「で、フランソワさん。先に言っておくが、俺らの目的はクリフォトの種が周囲にどのくらい広まっているのかの調査だけだ。悪魔が悪さしてるとか計画しているとかならともかく、そうでないなら戦うつもりはねぇよ」
「……それを信じろと? 調査しているのは敵対しているからでしょ。悪魔信仰が良くないことくらい知ってるわ。でも神様はこの村に何もしてくれないじゃない。手を差し伸べられたから手を取っただけよ」
「対価は?」
これが一番の問題だ。その対価次第で何を企んでいるか予測を立てないといけない。
「信仰と祈りよ。それ以外何かしろとも言われていないわ。それにもしニーグリ様がいなかったらこの村は盗賊に攻められて多くの死者が出ていたのよ。作物だって良く育つようになったし」
フランソワはその場に座るとぶすっとした顔で不承不承話し始めた。その場に座ったということは戦意はない、ということかな。
「それだけか?」
「それだけよ。もういいでしょ、あなた達早くこの村から出ていきなさいよ」
「信仰と祈りをやめるつもりは?」
「ないわね。助けられた恩があるのよ」
うーん、これ以上つついても何も出そうにないなぁ。悪さしてるわけでもないのに無理矢理吐かせるのもなぁ……。
「ねぇ、そういえば案内してくれた村長の息子さんいないんだけど……」
「え?」
あ、そういえばいつの間にかいなくなってる。多分レッサーデーモンが召喚されたときに逃げたのだろう。そうなると当然その行き先は村長の家か。面倒なことになるかも。
「まずいかも。すぐに村を出よう!」
「わかった。全員撤収だ、逃げるぞ!」
下手をすると村人に囲まれてしまう。そうなる前に逃げないと。一番手っ取り早いのは空を飛んで逃げることだろう。
「じゃあ全員空飛んで逃げるよ!」
「おう!」
全員には普段から飛翔の魔法を封じた魔晶石を持たせてある。緊急時に使うこともある魔法なので悠長に全員に手渡ししていられない時もあるからね。
そして僕らは急いで建物を出た。するとやはり建物の外には村長やその息子、そして村人達が数人いた。
「貴様ら何者だ! 大人しくしてもらおう」
手に縄を持っている者も見受けられる。僕だけならわざと捕まって調査もありだけど、仲間にそんな危険な真似はさせられない。
「嫌だね。全員飛ぶぞ!」
「「「おう!!」」」
サルヴァンが号令をかけ、皆が一斉に空を飛ぶ。
「飛んだ!?」
下から村人達の驚く声が聞こえた。まぁ、想定していないよね普通。サルヴァンを先頭に僕らは村の外を目指して逃げた。これで追っては来られないだろう。
そう思ってたんだけどね。
「むぁてぇぇぇい!」
後ろから声が聞こえた。村長の声か?
後ろを振り向くと村長とその息子が空を飛んで追いかけてきた。うそん。
「全員村の外の平原に降りるぞ!」
どうやら迎え撃つことになりそうだ。恐らく彼らも人魔なのだろう。説得して帰ってくれるといいんだけど。
サルヴァンが平原に降り立ち、僕らもその周辺に降り立つ。村長とその息子も僕らの近くに降りてきた。
「貴様ら一体何者だ!」
「お前らニーグリ様の敵か? 何の目的で村に来たのか吐いてもらうぞ」
二人は眉間に皺を寄せ、肩を怒らせている。問答無用でないだけマシなのかな?
「それはあの巫女さん? フランソワさんに話した。村を出ていけと言われたからそのまま帰らせてくれ」
「答えになっとらんわ! レッサーデーモンを召喚したところを見られた以上このまま帰す訳にはいかんな」
「確かにな。冒険者ギルドに話されでもしたら討伐隊が来ちまう」
「しねーよそんな真似。そっちこそ悪用しないってんなら黙っててやるぞ」
村人にしてみれば確かにそれは困るだろう。下手すりゃ村人全員処刑も有り得る。そうなる可能性がある以上他言する気は無い。もちろん力を悪用する、というなら話は別だ。
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◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
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