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第156話 《アマラの視点》アマラの過去1
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「ところでアマラ。これからどうするつもりなんだい?」
城の自室に戻り、やれやれとベッドに横たわるなりニーグリが問いかける。おいおい、帰るなり次の相談かよ。
「どう、とは?」
「クリフォトの木も植えたことだし僕ら悪魔としては最大の目的は果たしたと言っていいんだよね。後はほっとけばどんどん悪魔が生まれ、やがてこの世界は悪魔たちの楽園となるだろう」
悪魔たちの楽園か。悪魔の楽しみと俺の楽しみが同じかは知らんけどな。
「人間どもはどうなる?」
俺は別に人間どもを滅ぼしたいわけじゃないんだよな。ま、貴族とやらの支配する世界ってのは気に入らないから変えていくつもりだけど。
「君との約定通り君の支配する国だけが人類の生存を許されるだろう。このことは魔王となった僕の名において守られる。そして悪魔たちもまた君の支配下に置かれることになるかな」
「ニーグリンド以外の国は滅ぼすことになるのか?」
「君が望むならそうしよう。しかし君が望むのなら君の支配下に入り忠誠を誓うことを条件に生存を許してもいい」
「なるほど、俺が許すから生存を許される。そんな世の中になるわけか。もはや王様じゃなくて神様じゃねぇか」
圧倒的な暴力を背景に世界を支配か。確かにこれ以上ないくらいビッグな存在だ。全ての悪魔が俺に付き従うなら世界の支配体制すら俺の意のままになるのか。
「うん、そうだね。もちろん神々も黙っちゃいないだろう。と言っても自分たちの選んだ使徒を送り込むくらいだろうけど、それは確実に僕達の前に現れるはずだ」
「ああ、わかっているさ」
そうだな。あいつらはきっと俺の前に立ちはだかるだろう。いつからだ?
いつから俺はそれを望むようになった?
今一度確かめる必要があるな。俺はもう引き返せないところに来ちまっている。全てをやり遂げるために覚悟を決めないとな。
「だからそろそろ聞かせてくれないかな。どうして君はあんなにあいつらにこだわっているんだい? 直接的な面識なんて大してなかったと思うけど」
「ん? ああ、そうだな……。昔に遡る話になるけど聞かせてやるよ。そうだな、あれは今から3年程前だったな」
「ちっくしょう……。腹減ったな」
俺はいつものように腹を空かせていた。15になった俺は既に冒険者として生活しちゃいたが、大した成果もなく懐はいつも寂しかった。せめて魔法でも使えりゃ良かったんだが、学のない俺に読み書きなんてできるわけがないからな。読み書きできなきゃ魔法も覚えられないし、読み書きを習うにも金がいる。
ハッキリ言って孤児なんて生まれついての負け組だ。これから頑張ったところで裕福な生活なんて得られるとは思えない。ちくしょう、貴族の奴らはいいよな。金があるから読み書きだってできるし、飢えることもねぇんだろ?
スキルでもあればいいけどスキルを得るにも金がいる。貧乏人はどうやって這い上がればいいんだよ、クソッタレ!
やり場のない怒りをぶつけるように俺は乱暴に薬草を引きちぎる。いけね、根っこごと取れちまった。根は残しておかないと次が生えないからな。残しておくのがルールなんだとよ。めんどくせぇな。
「だいたいは刈り取れたか。籠いっぱいに集めてもせいぜい銀貨5枚ってとこか。飯が食えるだけマシか」
俺は一人ぼやきながら立ち上がる。他の奴らもだいたいは刈り終えたようだ。ふと視界の端に俺は野ウサギを捕らえる。
「お、ウサギいるじゃん。捕まえてやる!」
「よせアマラ、素手で捕まえられるわけないだろ。無駄に腹を減らすだけだ」
仲間の言うことを無視して俺は篭をその場において野ウサギを追いかけた。肉、肉が食いたいんだよ!
しかしウサギは素早く、たちまち見失ってしまった。気がつけば結構走っていたようであまり見覚えのない場所に出ていた。
「ちっ、ツイてないぜ。ここはどこだ?」
俺は辺りを見回しつつ宛もなく歩き出す。草をかき分けてしばらく歩くと洞穴を見つけることができた。もしかしたら何か小動物でもいるかもしれんな。手ぶらで帰るなんてカッコ悪いことできるかよ。
洞穴といってもそんな大きな穴じゃなかったようだ。中に少し入ったら4,5メートル程で行き止まりかよ。ただそこにはちと嫌なもんがあった。
「なんじゃこりゃ。頭蓋骨とかいうやつだなこれは。しかし頭蓋骨以外には骨がないのも変だな」
俺はしゃがみ込み、その頭蓋骨をしげしげと眺めた。見えているのは後頭部だな。あまり触りたくないな。
もし何かが人間をここで食ってたなら他の骨もあるはずなんだがな。しかしこの骨あまり大きくないな。見た感じまだ子供の頭蓋骨だろこれ。つか人を食う奴がいるならここから離れるべきか。
俺は立ち上がろうと膝に手を置いた。その瞬間頭蓋骨が振り返って俺と目が合う。
「いいっ!?」
「こんな所に人が来るとは珍しいな。おっと、逃げなくていいぜ。別に取って食いやしねーよ」
その頭蓋骨の目にはどす黒く濁った赤い光が灯っていた。
それが、俺とドレカヴァクとの出会いだった。そう、全てはここから始まったのさ。
城の自室に戻り、やれやれとベッドに横たわるなりニーグリが問いかける。おいおい、帰るなり次の相談かよ。
「どう、とは?」
「クリフォトの木も植えたことだし僕ら悪魔としては最大の目的は果たしたと言っていいんだよね。後はほっとけばどんどん悪魔が生まれ、やがてこの世界は悪魔たちの楽園となるだろう」
悪魔たちの楽園か。悪魔の楽しみと俺の楽しみが同じかは知らんけどな。
「人間どもはどうなる?」
俺は別に人間どもを滅ぼしたいわけじゃないんだよな。ま、貴族とやらの支配する世界ってのは気に入らないから変えていくつもりだけど。
「君との約定通り君の支配する国だけが人類の生存を許されるだろう。このことは魔王となった僕の名において守られる。そして悪魔たちもまた君の支配下に置かれることになるかな」
「ニーグリンド以外の国は滅ぼすことになるのか?」
「君が望むならそうしよう。しかし君が望むのなら君の支配下に入り忠誠を誓うことを条件に生存を許してもいい」
「なるほど、俺が許すから生存を許される。そんな世の中になるわけか。もはや王様じゃなくて神様じゃねぇか」
圧倒的な暴力を背景に世界を支配か。確かにこれ以上ないくらいビッグな存在だ。全ての悪魔が俺に付き従うなら世界の支配体制すら俺の意のままになるのか。
「うん、そうだね。もちろん神々も黙っちゃいないだろう。と言っても自分たちの選んだ使徒を送り込むくらいだろうけど、それは確実に僕達の前に現れるはずだ」
「ああ、わかっているさ」
そうだな。あいつらはきっと俺の前に立ちはだかるだろう。いつからだ?
いつから俺はそれを望むようになった?
今一度確かめる必要があるな。俺はもう引き返せないところに来ちまっている。全てをやり遂げるために覚悟を決めないとな。
「だからそろそろ聞かせてくれないかな。どうして君はあんなにあいつらにこだわっているんだい? 直接的な面識なんて大してなかったと思うけど」
「ん? ああ、そうだな……。昔に遡る話になるけど聞かせてやるよ。そうだな、あれは今から3年程前だったな」
「ちっくしょう……。腹減ったな」
俺はいつものように腹を空かせていた。15になった俺は既に冒険者として生活しちゃいたが、大した成果もなく懐はいつも寂しかった。せめて魔法でも使えりゃ良かったんだが、学のない俺に読み書きなんてできるわけがないからな。読み書きできなきゃ魔法も覚えられないし、読み書きを習うにも金がいる。
ハッキリ言って孤児なんて生まれついての負け組だ。これから頑張ったところで裕福な生活なんて得られるとは思えない。ちくしょう、貴族の奴らはいいよな。金があるから読み書きだってできるし、飢えることもねぇんだろ?
スキルでもあればいいけどスキルを得るにも金がいる。貧乏人はどうやって這い上がればいいんだよ、クソッタレ!
やり場のない怒りをぶつけるように俺は乱暴に薬草を引きちぎる。いけね、根っこごと取れちまった。根は残しておかないと次が生えないからな。残しておくのがルールなんだとよ。めんどくせぇな。
「だいたいは刈り取れたか。籠いっぱいに集めてもせいぜい銀貨5枚ってとこか。飯が食えるだけマシか」
俺は一人ぼやきながら立ち上がる。他の奴らもだいたいは刈り終えたようだ。ふと視界の端に俺は野ウサギを捕らえる。
「お、ウサギいるじゃん。捕まえてやる!」
「よせアマラ、素手で捕まえられるわけないだろ。無駄に腹を減らすだけだ」
仲間の言うことを無視して俺は篭をその場において野ウサギを追いかけた。肉、肉が食いたいんだよ!
しかしウサギは素早く、たちまち見失ってしまった。気がつけば結構走っていたようであまり見覚えのない場所に出ていた。
「ちっ、ツイてないぜ。ここはどこだ?」
俺は辺りを見回しつつ宛もなく歩き出す。草をかき分けてしばらく歩くと洞穴を見つけることができた。もしかしたら何か小動物でもいるかもしれんな。手ぶらで帰るなんてカッコ悪いことできるかよ。
洞穴といってもそんな大きな穴じゃなかったようだ。中に少し入ったら4,5メートル程で行き止まりかよ。ただそこにはちと嫌なもんがあった。
「なんじゃこりゃ。頭蓋骨とかいうやつだなこれは。しかし頭蓋骨以外には骨がないのも変だな」
俺はしゃがみ込み、その頭蓋骨をしげしげと眺めた。見えているのは後頭部だな。あまり触りたくないな。
もし何かが人間をここで食ってたなら他の骨もあるはずなんだがな。しかしこの骨あまり大きくないな。見た感じまだ子供の頭蓋骨だろこれ。つか人を食う奴がいるならここから離れるべきか。
俺は立ち上がろうと膝に手を置いた。その瞬間頭蓋骨が振り返って俺と目が合う。
「いいっ!?」
「こんな所に人が来るとは珍しいな。おっと、逃げなくていいぜ。別に取って食いやしねーよ」
その頭蓋骨の目にはどす黒く濁った赤い光が灯っていた。
それが、俺とドレカヴァクとの出会いだった。そう、全てはここから始まったのさ。
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