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第157話 《アマラの視点》アマラの過去2
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「それよりお前、俺と契約しないか?」
「契約だと?」
いや、こいつどう見ても悪魔かなんかの類だよな?
何を企んでやがる。
「そうだ。俺と契約すれば俺の加護をくれてやる。スキルも手に入るし魔法も使えるようにしてやるぞ」
「なに! スキルと魔法だって? 俺は読み書きできねーぞ?」
おいおい、これはひょっとしてひょっとするのか?
俺騙されてないよな?
「心配いらねーよ。魔法を覚えるのに読み書きが必要なのは契約文言を読み上げなきゃならねーからだ。しかし俺と契約すれば俺との契約により修得が可能なのさ。なんといっても俺は侯爵級の魔神様だぜ?」
「魔神? そういえば1年くらい前に魔神が討伐されたって話を聞いたことがあるな」
そうだ、確かドレカヴァクとかいう魔神が現れて討伐されたって話があったな。
「それが俺だ。今は大した力はねーけど、お前が協力してくれるなら力を取り戻すことができる。なーに、そのために悪事を働けってことじゃねーのよ。要求も別に大したことじゃない。むしろ感謝されるかもな」
「言えよ。何をすればいい?」
「乗ってきたな。いいぞ、実に簡単なことだ。ガキの死体を集めて墓地に埋める。それだけだ」
「なんじゃそりゃ」
は?
ガキの死体なんか集めてどうすんだよ。人の肉なんて俺達ですら食わねーぞ。忌避感が半端ねぇんだよな。
「まぁ聞け。その墓地の中に俺を隠してくれればいい。そしてその墓地に埋められた死体は俺の餌になるのさ。生きているガキは抵抗されるからな。死体がいいのさ」
やっぱり食うのか。悪魔だし人間を食ってもおかしくないのか?
「それなら難しくはないな。ガキの死体なんざしょっちゅうお目にかかるし、それこそ捨てられてることさえ珍しくない。回収は容易だな」
運ぶのに手引き車が要るが、あれなら俺達のホームにも何台かあったな。運べる量が桁違いだが薬草をそんなにたくさん集めること自体が難しいから実はそんなに使わないんだよな。
「そうか、それはありがたいな。ならしようぜ、契約をよ」
「待て。力を取り戻したらどうするつもりか教えろ」
人を食うってことは復活したら人を襲うってことじゃねーか。殺されるなんてまっぴらごめんだぞ。
「そうだな、先ずはこの国を攻め滅ぼしてやるよ。だがお前とお前の仲間は見逃してやるぞ? 言っておくがお前が断っても他のやつと契約するだけだ。そしたら俺は断ったお前を真っ先に殺しにいくだろう」
「俺が教会に伝えにいくかもしれんぞ?」
どう考えても危険だろ。こいつを教会に売れば少しは報酬が手に入るかもしれん。
「おいおい、よーく考えろ。お前のその格好から見て孤児だろ? 俺と契約して力を手に入れれば冒険者として金を稼げるようになるだろう。惨めな生活から抜け出したくはないか? お前がひもじい思いをしていたとき、貴族どもはぬくぬくと温かい肉や飯をほうばりお腹を満たしていたんだ。この国になんの義理立てをする必要がある」
確かにな。別に貴族どもが死ぬ分には俺が困ることはない。むしろ俺は貴族といった権力者が嫌いだ。奴らはいつも俺達をゴミを見るような目で見やがるからな。
そうだ、俺が黙っているとこいつはさらに言葉を続け誘惑してきたんだ。
「いいか、俺はお前を契約者に選んだ。神々はお前を救わないが俺はお前を救ってやれる。このチャンスを逃せばお前が今の生活から抜け出す機会は永遠に来ないだろう」
痛いところを突いてきやがる。確かに金もコネも力もない俺のようなストリートチルドレンが這い上がるにはそれしかないのが現実だ。冒険者としてやっていこうにも学がないから魔法も覚えられない。飯に金がかかるし金はみんなの共有財産だから、ろくな武器もない俺達に討伐なんて無理だ。
スキルを得るにも金がいる。しかしそんな貯蓄なんて簡単にできるもんじゃない。ここでこのチャンスを逃せば俺は永遠に底辺のままだ。それは絶対に嫌だ。
「わかった。契約しようぜ。くれよ、その力ってやつをよ」
「いい判断だ。お前は今、自分の運命を変えたんだ。さぁ、俺の頭に右手を乗せろ」
「わかった」
俺は地面にめり込んだままの奴の額に手を乗せた。すると奴の身体から黒い霧が生じて俺の身体を包み始める。これが何なのかわからなかったが、少なくとも苦痛はなかった。
その黒い霧は俺の身体の中へと染み込んでいったが苦痛よりも変な心地良さがあり、力が湧いてくるようだ。すげぇ、これか。これが力ってやつか!?
「契約完了だ。後は俺を連れて行ってもらわにゃならんが、隠れるところがねーな。なんか適当な獲物を狩ってそいつの腹ん中にでも入れてくれ。今のお前ならオークくらいは余裕で殺せるはずだ」
「そうなのか? いきなり実戦かよ」
「大丈夫だ。俺がサポートしてやるから安心してやれ。ちょうど近くに一体オークがいるようだしな。不意をつけば余裕だ」
「わかった。案内してくれ」
俺はドレカヴァクを両手で拾い上げると左手に持ち替え歩き出す。オークか。もし狩ることができれば金を稼ぐのも大分楽になるな。
「へーっ、凄い偶然のイタズラだね。ドレカヴァクが生まれなかったから僕も生まれていないわけだから奴には感謝だね」
まぁ確かに凄い偶然かもな。ニーグリも目をパチクリさせている。
「まぁ、大元のドレクの奴は粛清しちまったけどな」
「それで、本題はいつ入るのさ」
「まぁ慌てるな。少し昔話に付き合えよ」
俺は焦れるニーグリをなだめ話の続きを話し始めた。
「契約だと?」
いや、こいつどう見ても悪魔かなんかの類だよな?
何を企んでやがる。
「そうだ。俺と契約すれば俺の加護をくれてやる。スキルも手に入るし魔法も使えるようにしてやるぞ」
「なに! スキルと魔法だって? 俺は読み書きできねーぞ?」
おいおい、これはひょっとしてひょっとするのか?
俺騙されてないよな?
「心配いらねーよ。魔法を覚えるのに読み書きが必要なのは契約文言を読み上げなきゃならねーからだ。しかし俺と契約すれば俺との契約により修得が可能なのさ。なんといっても俺は侯爵級の魔神様だぜ?」
「魔神? そういえば1年くらい前に魔神が討伐されたって話を聞いたことがあるな」
そうだ、確かドレカヴァクとかいう魔神が現れて討伐されたって話があったな。
「それが俺だ。今は大した力はねーけど、お前が協力してくれるなら力を取り戻すことができる。なーに、そのために悪事を働けってことじゃねーのよ。要求も別に大したことじゃない。むしろ感謝されるかもな」
「言えよ。何をすればいい?」
「乗ってきたな。いいぞ、実に簡単なことだ。ガキの死体を集めて墓地に埋める。それだけだ」
「なんじゃそりゃ」
は?
ガキの死体なんか集めてどうすんだよ。人の肉なんて俺達ですら食わねーぞ。忌避感が半端ねぇんだよな。
「まぁ聞け。その墓地の中に俺を隠してくれればいい。そしてその墓地に埋められた死体は俺の餌になるのさ。生きているガキは抵抗されるからな。死体がいいのさ」
やっぱり食うのか。悪魔だし人間を食ってもおかしくないのか?
「それなら難しくはないな。ガキの死体なんざしょっちゅうお目にかかるし、それこそ捨てられてることさえ珍しくない。回収は容易だな」
運ぶのに手引き車が要るが、あれなら俺達のホームにも何台かあったな。運べる量が桁違いだが薬草をそんなにたくさん集めること自体が難しいから実はそんなに使わないんだよな。
「そうか、それはありがたいな。ならしようぜ、契約をよ」
「待て。力を取り戻したらどうするつもりか教えろ」
人を食うってことは復活したら人を襲うってことじゃねーか。殺されるなんてまっぴらごめんだぞ。
「そうだな、先ずはこの国を攻め滅ぼしてやるよ。だがお前とお前の仲間は見逃してやるぞ? 言っておくがお前が断っても他のやつと契約するだけだ。そしたら俺は断ったお前を真っ先に殺しにいくだろう」
「俺が教会に伝えにいくかもしれんぞ?」
どう考えても危険だろ。こいつを教会に売れば少しは報酬が手に入るかもしれん。
「おいおい、よーく考えろ。お前のその格好から見て孤児だろ? 俺と契約して力を手に入れれば冒険者として金を稼げるようになるだろう。惨めな生活から抜け出したくはないか? お前がひもじい思いをしていたとき、貴族どもはぬくぬくと温かい肉や飯をほうばりお腹を満たしていたんだ。この国になんの義理立てをする必要がある」
確かにな。別に貴族どもが死ぬ分には俺が困ることはない。むしろ俺は貴族といった権力者が嫌いだ。奴らはいつも俺達をゴミを見るような目で見やがるからな。
そうだ、俺が黙っているとこいつはさらに言葉を続け誘惑してきたんだ。
「いいか、俺はお前を契約者に選んだ。神々はお前を救わないが俺はお前を救ってやれる。このチャンスを逃せばお前が今の生活から抜け出す機会は永遠に来ないだろう」
痛いところを突いてきやがる。確かに金もコネも力もない俺のようなストリートチルドレンが這い上がるにはそれしかないのが現実だ。冒険者としてやっていこうにも学がないから魔法も覚えられない。飯に金がかかるし金はみんなの共有財産だから、ろくな武器もない俺達に討伐なんて無理だ。
スキルを得るにも金がいる。しかしそんな貯蓄なんて簡単にできるもんじゃない。ここでこのチャンスを逃せば俺は永遠に底辺のままだ。それは絶対に嫌だ。
「わかった。契約しようぜ。くれよ、その力ってやつをよ」
「いい判断だ。お前は今、自分の運命を変えたんだ。さぁ、俺の頭に右手を乗せろ」
「わかった」
俺は地面にめり込んだままの奴の額に手を乗せた。すると奴の身体から黒い霧が生じて俺の身体を包み始める。これが何なのかわからなかったが、少なくとも苦痛はなかった。
その黒い霧は俺の身体の中へと染み込んでいったが苦痛よりも変な心地良さがあり、力が湧いてくるようだ。すげぇ、これか。これが力ってやつか!?
「契約完了だ。後は俺を連れて行ってもらわにゃならんが、隠れるところがねーな。なんか適当な獲物を狩ってそいつの腹ん中にでも入れてくれ。今のお前ならオークくらいは余裕で殺せるはずだ」
「そうなのか? いきなり実戦かよ」
「大丈夫だ。俺がサポートしてやるから安心してやれ。ちょうど近くに一体オークがいるようだしな。不意をつけば余裕だ」
「わかった。案内してくれ」
俺はドレカヴァクを両手で拾い上げると左手に持ち替え歩き出す。オークか。もし狩ることができれば金を稼ぐのも大分楽になるな。
「へーっ、凄い偶然のイタズラだね。ドレカヴァクが生まれなかったから僕も生まれていないわけだから奴には感謝だね」
まぁ確かに凄い偶然かもな。ニーグリも目をパチクリさせている。
「まぁ、大元のドレクの奴は粛清しちまったけどな」
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俺は焦れるニーグリをなだめ話の続きを話し始めた。
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