175 / 188
第169話 天鳳VS魔神龍 後編
しおりを挟む
上空で待ち構える魔神龍目指し、無数の青い鳥が飛び立つ。元々は範囲魔法なのだが魔法生物化してことで一匹一匹の持つ冷却範囲は狭い。その分が数で補われているのだ。
「魔力を持った鳥か。我が炎で蹴散らしてくれるわ!」
魔神龍が首をもたげ、大きく息を吸い込む。ちょうどそのタイミングで魔神龍の真上に大量の水が出現した。ミラの遠隔発動による水創である。
「がぼがぼっ!?」
そしてその大量の水を空気と一緒に飲み込んでしまった。
「うぶっ、ゲホゲホゲホゲホ!!」
そして盛大にむせる。ミラも別に狙ったわけではなくただの偶然なのだが魔神龍にとっては最悪のタイミングであった。
その間にも冷気の化身たる青い鳥は魔神龍を取り囲み、冷気を浴びせようと迫ってくる。
「お、おのれい!」
迫りくる鳥達を大きな剣で振り払うが、物量に押され一匹、また一匹と魔神龍の身体に冷気の化身がぶつかっていく。
上空は寒く、魔神龍の身体は水でびしょ濡れである。そんな状態で冷気魔法を受けるとどうなるか。たとえ魔神龍の鱗が魔法耐性が高く、直接凍ることはなかろうと周りの水は凍る。
「い、いかん。このままでは!」
羽根も凍り初め、身体の至る所に氷がへばりつく。空に浮かんでいるのは魔法によるものだから墜落することはない。しかしへばりついた氷は魔神龍の体温を奪い始め、身体の動きも阻害する。
そこへまたも大量の水が魔神龍に降り注いだ。激しい冷気により魔神龍の身体を厚めの氷が覆い始めた。
「舐めるなぁっ! 燃焼!」
魔神龍は自らの身体を燃焼魔法で燃え上がらせる。と、そこへ。
どっぱーーーーん!
三度目に降り注いだ大量の水が炎を消してしまった。そして再び魔神龍の身体は冷気に覆われる。
「お、おのれい!」
魔神龍は憤るが事態は全く好転せず、冷気に気を取られて迫る本命の攻撃に気づいていなかった。
「ぐわぁっ!?」
突如首の後ろに激痛が走る。何かが突き刺さったような感覚だった。
「よぉ、隙だらけだったな」
ルードである。
「ぬうっ、いつの間に……」
飛翔で最大限に加速し、一気に魔神龍の首をぶっ刺したのである。ドラゴニウムより硬いと云われた鱗も龍神特製の神剣であれば一点集中で貫くことは可能だったのだ。
とはいえ食い込んだ刃は20センチ程だ。体長5メートルを誇る魔神龍の肉体に致命傷を与えるには至らない。
「だが致命傷には程遠いな。貴様から血祭りにあげてくれる!」
「そいつはごめんだな。これをくれてやるよ!」
ルードは剣を引き抜くと、素早く懐から魔晶石を取り出してその傷口に押し込んだ。そして飛翔魔法により素早く下の方へ向かって距離を取る。
「な、何をした!?」
「すぐわかるさ。『爆ぜろ』!」
ルードの口にしたキーワードを受け、魔晶石が大爆発を起こす。ルウお手製の強化爆発魔法を付与したもので、その凄まじい威力は爆風で地面へ向かって飛ばされる。ルードに目を向けるため、下を向いたために起こった悲劇であった。
さしもの魔神龍もその強烈な爆風に抗うことはできず、地面へと激突する。その質量と速度により土砂が高く舞い上がり、土煙が広範囲に渡ってもうもうと立ちこめた。
「お、おぐぐぉ……」
辛うじて意識は保っているが、爆発による首の損傷は甚大であった。首をやられたことと地面に激突したダメージは深刻でまともに身体が動かず、上手く言葉を発することさえできない。
「よぉ、いいザマだな」
土煙がまだ立ちこめている中、聞き覚えのある声が聞こえた。その声は魔神龍にとって死の宣告のようなものだった。
「ぐぅっ……!」
魔神龍は上手く言葉を発せられず、また声のした方に目を向けることも叶わない。それほどに損傷は甚大であった。
「じゃあな」
首の傷口に剣を差し込み、首の内部をズタズタに斬り裂いていく。やがて魔神龍の首は完全に切断され息を引き取った。
「うし、討伐完了。余裕かますからそんな目にあうんだよ。まともにやったらもう少し苦戦したのにな」
物言わぬ魔神龍に捨て台詞を吐くと、収納魔法を持つフィンを呼びに行く。魔神龍の肉体は素材の宝庫である。持ち帰らない理由などなかった。
「魔力を持った鳥か。我が炎で蹴散らしてくれるわ!」
魔神龍が首をもたげ、大きく息を吸い込む。ちょうどそのタイミングで魔神龍の真上に大量の水が出現した。ミラの遠隔発動による水創である。
「がぼがぼっ!?」
そしてその大量の水を空気と一緒に飲み込んでしまった。
「うぶっ、ゲホゲホゲホゲホ!!」
そして盛大にむせる。ミラも別に狙ったわけではなくただの偶然なのだが魔神龍にとっては最悪のタイミングであった。
その間にも冷気の化身たる青い鳥は魔神龍を取り囲み、冷気を浴びせようと迫ってくる。
「お、おのれい!」
迫りくる鳥達を大きな剣で振り払うが、物量に押され一匹、また一匹と魔神龍の身体に冷気の化身がぶつかっていく。
上空は寒く、魔神龍の身体は水でびしょ濡れである。そんな状態で冷気魔法を受けるとどうなるか。たとえ魔神龍の鱗が魔法耐性が高く、直接凍ることはなかろうと周りの水は凍る。
「い、いかん。このままでは!」
羽根も凍り初め、身体の至る所に氷がへばりつく。空に浮かんでいるのは魔法によるものだから墜落することはない。しかしへばりついた氷は魔神龍の体温を奪い始め、身体の動きも阻害する。
そこへまたも大量の水が魔神龍に降り注いだ。激しい冷気により魔神龍の身体を厚めの氷が覆い始めた。
「舐めるなぁっ! 燃焼!」
魔神龍は自らの身体を燃焼魔法で燃え上がらせる。と、そこへ。
どっぱーーーーん!
三度目に降り注いだ大量の水が炎を消してしまった。そして再び魔神龍の身体は冷気に覆われる。
「お、おのれい!」
魔神龍は憤るが事態は全く好転せず、冷気に気を取られて迫る本命の攻撃に気づいていなかった。
「ぐわぁっ!?」
突如首の後ろに激痛が走る。何かが突き刺さったような感覚だった。
「よぉ、隙だらけだったな」
ルードである。
「ぬうっ、いつの間に……」
飛翔で最大限に加速し、一気に魔神龍の首をぶっ刺したのである。ドラゴニウムより硬いと云われた鱗も龍神特製の神剣であれば一点集中で貫くことは可能だったのだ。
とはいえ食い込んだ刃は20センチ程だ。体長5メートルを誇る魔神龍の肉体に致命傷を与えるには至らない。
「だが致命傷には程遠いな。貴様から血祭りにあげてくれる!」
「そいつはごめんだな。これをくれてやるよ!」
ルードは剣を引き抜くと、素早く懐から魔晶石を取り出してその傷口に押し込んだ。そして飛翔魔法により素早く下の方へ向かって距離を取る。
「な、何をした!?」
「すぐわかるさ。『爆ぜろ』!」
ルードの口にしたキーワードを受け、魔晶石が大爆発を起こす。ルウお手製の強化爆発魔法を付与したもので、その凄まじい威力は爆風で地面へ向かって飛ばされる。ルードに目を向けるため、下を向いたために起こった悲劇であった。
さしもの魔神龍もその強烈な爆風に抗うことはできず、地面へと激突する。その質量と速度により土砂が高く舞い上がり、土煙が広範囲に渡ってもうもうと立ちこめた。
「お、おぐぐぉ……」
辛うじて意識は保っているが、爆発による首の損傷は甚大であった。首をやられたことと地面に激突したダメージは深刻でまともに身体が動かず、上手く言葉を発することさえできない。
「よぉ、いいザマだな」
土煙がまだ立ちこめている中、聞き覚えのある声が聞こえた。その声は魔神龍にとって死の宣告のようなものだった。
「ぐぅっ……!」
魔神龍は上手く言葉を発せられず、また声のした方に目を向けることも叶わない。それほどに損傷は甚大であった。
「じゃあな」
首の傷口に剣を差し込み、首の内部をズタズタに斬り裂いていく。やがて魔神龍の首は完全に切断され息を引き取った。
「うし、討伐完了。余裕かますからそんな目にあうんだよ。まともにやったらもう少し苦戦したのにな」
物言わぬ魔神龍に捨て台詞を吐くと、収納魔法を持つフィンを呼びに行く。魔神龍の肉体は素材の宝庫である。持ち帰らない理由などなかった。
7
あなたにおすすめの小説
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
異世界で世界樹の精霊と呼ばれてます
空色蜻蛉
ファンタジー
普通の高校生の樹(いつき)は、勇者召喚された友人達に巻き込まれ、異世界へ。
勇者ではない一般人の樹は元の世界に返してくれと訴えるが。
事態は段々怪しい雲行きとなっていく。
実は、樹には自分自身も知らない秘密があった。
異世界の中心である世界樹、その世界樹を守護する、最高位の八枚の翅を持つ精霊だという秘密が。
【重要なお知らせ】
※書籍2018/6/25発売。書籍化記念に第三部<過去編>を掲載しました。
※本編第一部・第二部、2017年10月8日に完結済み。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる