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epilogue 2
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「俺が先ですってば!」
「いーや!私が先だ!!千歳ちゃんの大事なヴァージン奪ったんだから、花嫁姿を一番に見る権利くらいお義父様に譲りなさい!!」
アホみたいな会話が筒抜けになってきたかと思うと、晴臣とお父さんが、ノックもなしにもつれ合うように入ってきた。
そして、私と遼平くんの姿を見て、仲良く絶叫。
「「あ゛ーーーーーーーっ!!?」」
もう、折角の遼平くんとの感動のシーン、ぶち壊し。
「何でよりによってアンタが最初に見てるんだよ!?」
「遼平、そういうとこあるよね!!?いつもシレーッと抜け駆け的な!!」
「仕方ないでしょう?二人がいるとちーちゃんと落ち着いて話もできないんですから」
呆気にとられ、すっかり私の涙が引っ込んだのを確認すると、遼平くんはハンカチをポケットにさり気なくしまった。
でも、目ざとい晴臣は、その仕草を見逃さなかった。
「泣かせたのか?千歳に何言った?」
通り過ぎようとする遼平くんの肩を掴み、引き止めた晴臣の目は一触即発だ。
「…純粋に、僕と永美からのお祝いの気持ちを伝えただけだよ」
ふ、と晴臣の手から力が抜けると、遼平くんはそのままドアまで歩いて行った。
そして、ピタリと足を止め、振り返って一言。
「言い忘れてたけど、ちーちゃん、椎名くんに愛想が尽きたら、いつでも僕の所においで」
再び晴臣の怒りが沸点に達するより早く、退散して行った。
晴臣がドアに向かって聞くに堪えない罵詈雑言を浴びせている一方。
「千歳ちゃん…世界で一番、宇宙で一番綺麗だよおぉ。生まれたときは、お猿さんみたいだったのに…」
お父さんはすっかり自分の世界に入り、跪いて私を拝みながら、涙を流している。
…何?この混沌。
「それでも可愛くて可愛くて…どうせお嫁にやるなら私の認めた男にと…いや、そもそもお嫁に出したくなくて。実家が近くて次男の晴臣と婚約者にさせたんだった。それなのに、それなのに…」
お父さんの、殺気のこもった視線の矛先が自分だと気づいた晴臣が、ピタリと喚くのを止め、そっとこちらを振り返る。
「結局お嫁にもらわれちゃうし?上場企業のLotusの社長にしてはささやかで慎ましい夢も打ち砕かれちゃうし?恩を仇で返すってこういうことだよね?ね??」
「ほんと、申し訳ありません。でも…」
晴臣は、気まずそうな声で謝った後、頭を上げ、お父さんを真っ直ぐ見た。
「おじさんより千歳のこと大事に思ってる人間、世界中探しても俺以外にいないんで」
「……知ってるよ」
初めて見るお父さんの呆れたような、淋しげな笑顔に、不覚にもまた涙が溢れてしまった。
「いーや!私が先だ!!千歳ちゃんの大事なヴァージン奪ったんだから、花嫁姿を一番に見る権利くらいお義父様に譲りなさい!!」
アホみたいな会話が筒抜けになってきたかと思うと、晴臣とお父さんが、ノックもなしにもつれ合うように入ってきた。
そして、私と遼平くんの姿を見て、仲良く絶叫。
「「あ゛ーーーーーーーっ!!?」」
もう、折角の遼平くんとの感動のシーン、ぶち壊し。
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「遼平、そういうとこあるよね!!?いつもシレーッと抜け駆け的な!!」
「仕方ないでしょう?二人がいるとちーちゃんと落ち着いて話もできないんですから」
呆気にとられ、すっかり私の涙が引っ込んだのを確認すると、遼平くんはハンカチをポケットにさり気なくしまった。
でも、目ざとい晴臣は、その仕草を見逃さなかった。
「泣かせたのか?千歳に何言った?」
通り過ぎようとする遼平くんの肩を掴み、引き止めた晴臣の目は一触即発だ。
「…純粋に、僕と永美からのお祝いの気持ちを伝えただけだよ」
ふ、と晴臣の手から力が抜けると、遼平くんはそのままドアまで歩いて行った。
そして、ピタリと足を止め、振り返って一言。
「言い忘れてたけど、ちーちゃん、椎名くんに愛想が尽きたら、いつでも僕の所においで」
再び晴臣の怒りが沸点に達するより早く、退散して行った。
晴臣がドアに向かって聞くに堪えない罵詈雑言を浴びせている一方。
「千歳ちゃん…世界で一番、宇宙で一番綺麗だよおぉ。生まれたときは、お猿さんみたいだったのに…」
お父さんはすっかり自分の世界に入り、跪いて私を拝みながら、涙を流している。
…何?この混沌。
「それでも可愛くて可愛くて…どうせお嫁にやるなら私の認めた男にと…いや、そもそもお嫁に出したくなくて。実家が近くて次男の晴臣と婚約者にさせたんだった。それなのに、それなのに…」
お父さんの、殺気のこもった視線の矛先が自分だと気づいた晴臣が、ピタリと喚くのを止め、そっとこちらを振り返る。
「結局お嫁にもらわれちゃうし?上場企業のLotusの社長にしてはささやかで慎ましい夢も打ち砕かれちゃうし?恩を仇で返すってこういうことだよね?ね??」
「ほんと、申し訳ありません。でも…」
晴臣は、気まずそうな声で謝った後、頭を上げ、お父さんを真っ直ぐ見た。
「おじさんより千歳のこと大事に思ってる人間、世界中探しても俺以外にいないんで」
「……知ってるよ」
初めて見るお父さんの呆れたような、淋しげな笑顔に、不覚にもまた涙が溢れてしまった。
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