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第1章 シルヴァリオン
【6】 惚れてまうやろー!!
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次の日、意気揚々とクラスに入り「おはよう!」と元気よく挨拶してみたけど、クラスメイトの目線はすぐ横にいたオーディンに注がれていてボクの挨拶は黙殺された。
すぐに人垣に囲まれたオーディンを横目にトボトボと1番後ろの窓側の自分の席に腰掛ける。
この学園は1クラスが20人ほどで、広い教室の席は一人ひとり独立した大きな机と豪華な一人がけソファで背もたれは湾曲していて前以外はよく見えないようになっているので、ボッチのボクがションボリしているのは他の人には見えにくくて助かる。
『今日こそは友達を作る!』と意気込んでた心が早くもくじけた。
今日からは本格的に授業が始まり、午後の授業もある。
休み時間ごとにオーディンに群がるクラスメイトたちを羨ましく眺める。
エーリスよりも進んでいる授業内容に必死でくらいついた午前の授業が終わると、オーディンが昼食を食べに行こうと誘ってくれた。
食堂があるらしい、まずいシアーズ国のご飯でも食べないわけにもいかないのでついていくと、オーディンは教室の上の階の絨毯敷の廊下を進む。
明らかに教室なんかとは造りの違う豪華な雰囲気に緊張していると、1つの部屋に招き入れられた。
部屋に入ると、降り注ぐ光に目眩がしそうになった。
美しい調度品はオーディンの部屋とどこか似通っていて、応接セットがありバルコニーにつながる部屋はサンルームのようになっており天井までガラスで出来ている。
そこにあるダイニングテーブルには美味しそうな料理がこれでもかと盛られていて、エーリス料理もチラホラと見える。
「シアーズの料理が口に合わないようだから各国の料理を作らせてみたよ」
天井からの光をニッコリと金髪に受けながらイケメン皇子が微笑む。
『どれでも好きなの食べてみて』と勧められ久々にたくさん食べた。
幸せ気分に浸っていると、皇子宮にも各国料理を作れるシェフを用意するからとオーディンが言った。
(惚れてまうやろー!!)
胃袋をガッチリと掴まれた気がした。
そしてこの部屋はオーディン専用の部屋で、これからは昼休みはここで過ごすんだと告げられる。
(え…?)
昼休みが友人を作る1番のチャンスだと思ってたボクは、喜びが一気に去ってゆく。
「お昼は…食堂でいいよ?こんなにあっても食べきれないし…」
控えめに丁重にお断りしたけど聞き入れられなかった。
(そうか、ボクが食堂に行っちゃうとオーディンここで一人ぼっちになっちゃうのか)
給餌のボーイさんやメイドさんはたくさんいるけれど一人で食べるのって寂しいよねと思い直し、明日からもここで食べることを了承した。
昼休みは2時間もあり、食後のお茶をオーディンとサンルームのカウチで飲んでいた。
ポカポカと暖かく、爽やかな風が吹き抜ける。
目の前にそびえる大木の葉がサワサワと揺れる音を聞きながら、温暖なシアーズ国の気候を楽しんでいたボクは昨日の寝不足もありウトウトと眠ってしまっていた。
ピッチュ―――ッピピピピピィ―
小鳥のさえずりで目を覚ましたボクの髪を誰かが撫でている。
眩しい光…ではなくこれはオーディンの金髪だ。
なんということでしょう、ボクは長カウチに横になり、恐れ多くも大親分国の若様のお膝を枕にして眠ってしまっていた。
あわてて起き上がろうとすると抑え込まれてそれも叶わない。
「昼休みはまだ1時間ほどもあるから、ユックリおやすみ」
髪を撫でる手は止まらない、顔が近い、頬に触れるオーディンの体温、全てが恥ずかしく眠るどころじゃなくなった。
ため息が出るほどのイケメンをジッと見つめる。
(友達はまだ出来ないけど、オーディンがいつも側にいてくれるから寂しくない)
負け惜しみじゃなく本当にそう思ったんだ。
すぐに人垣に囲まれたオーディンを横目にトボトボと1番後ろの窓側の自分の席に腰掛ける。
この学園は1クラスが20人ほどで、広い教室の席は一人ひとり独立した大きな机と豪華な一人がけソファで背もたれは湾曲していて前以外はよく見えないようになっているので、ボッチのボクがションボリしているのは他の人には見えにくくて助かる。
『今日こそは友達を作る!』と意気込んでた心が早くもくじけた。
今日からは本格的に授業が始まり、午後の授業もある。
休み時間ごとにオーディンに群がるクラスメイトたちを羨ましく眺める。
エーリスよりも進んでいる授業内容に必死でくらいついた午前の授業が終わると、オーディンが昼食を食べに行こうと誘ってくれた。
食堂があるらしい、まずいシアーズ国のご飯でも食べないわけにもいかないのでついていくと、オーディンは教室の上の階の絨毯敷の廊下を進む。
明らかに教室なんかとは造りの違う豪華な雰囲気に緊張していると、1つの部屋に招き入れられた。
部屋に入ると、降り注ぐ光に目眩がしそうになった。
美しい調度品はオーディンの部屋とどこか似通っていて、応接セットがありバルコニーにつながる部屋はサンルームのようになっており天井までガラスで出来ている。
そこにあるダイニングテーブルには美味しそうな料理がこれでもかと盛られていて、エーリス料理もチラホラと見える。
「シアーズの料理が口に合わないようだから各国の料理を作らせてみたよ」
天井からの光をニッコリと金髪に受けながらイケメン皇子が微笑む。
『どれでも好きなの食べてみて』と勧められ久々にたくさん食べた。
幸せ気分に浸っていると、皇子宮にも各国料理を作れるシェフを用意するからとオーディンが言った。
(惚れてまうやろー!!)
胃袋をガッチリと掴まれた気がした。
そしてこの部屋はオーディン専用の部屋で、これからは昼休みはここで過ごすんだと告げられる。
(え…?)
昼休みが友人を作る1番のチャンスだと思ってたボクは、喜びが一気に去ってゆく。
「お昼は…食堂でいいよ?こんなにあっても食べきれないし…」
控えめに丁重にお断りしたけど聞き入れられなかった。
(そうか、ボクが食堂に行っちゃうとオーディンここで一人ぼっちになっちゃうのか)
給餌のボーイさんやメイドさんはたくさんいるけれど一人で食べるのって寂しいよねと思い直し、明日からもここで食べることを了承した。
昼休みは2時間もあり、食後のお茶をオーディンとサンルームのカウチで飲んでいた。
ポカポカと暖かく、爽やかな風が吹き抜ける。
目の前にそびえる大木の葉がサワサワと揺れる音を聞きながら、温暖なシアーズ国の気候を楽しんでいたボクは昨日の寝不足もありウトウトと眠ってしまっていた。
ピッチュ―――ッピピピピピィ―
小鳥のさえずりで目を覚ましたボクの髪を誰かが撫でている。
眩しい光…ではなくこれはオーディンの金髪だ。
なんということでしょう、ボクは長カウチに横になり、恐れ多くも大親分国の若様のお膝を枕にして眠ってしまっていた。
あわてて起き上がろうとすると抑え込まれてそれも叶わない。
「昼休みはまだ1時間ほどもあるから、ユックリおやすみ」
髪を撫でる手は止まらない、顔が近い、頬に触れるオーディンの体温、全てが恥ずかしく眠るどころじゃなくなった。
ため息が出るほどのイケメンをジッと見つめる。
(友達はまだ出来ないけど、オーディンがいつも側にいてくれるから寂しくない)
負け惜しみじゃなく本当にそう思ったんだ。
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