転生して王子になったボクは、王様になるまでノラリクラリと生きるはずだった

angel

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秘密のミッション

9【オーディン視点】

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数日前から廃神殿宮殿がなにやら落ち着かない。
その理由はシルヴィが【影:友人】を呼び、相談事をした日から始まってる。

当日の話の内容、二人の動き、接近具合など事細かに報告を受け、いくつかは不愉快な点もあったが、夫の余裕としてそれは許そう。
私は寛大な夫なのだ。

その日の夜はいつもより情熱的にしつこく抱いてしまったのは多少の嫉妬心があったのは否めない。

落ち着かない空気の宮殿内を黒服に問うても「そうですか?」「お気のせいでは?」とかわされる。
私はこの国の最高権力者だというのに、この廃神殿宮殿ではシルヴィが最優先とされている。
そのことに否やはない。
ここにいる黒服はすべてシルヴィのために存在しているのだから。

シルヴィの悩みを【影:友人】が聞き、うまく説明し安心させてくれた。
そのことに対してはよくやったと褒美もはずもう、しかし接近しすぎだし、シルファの衣装をマジマジと見て顔を赤くしたとか減点も多数あった。
現在エーリスから留学中のギデオンもシルヴィの親友の立ち位置にいる。
【影:友人】は今のところアイツ一人で、黒服たちとの協議の結果あと一人くらい増やしてもいいのではないか、と思案中だ。

黒服からの報告を聞き終えた私は、昨晩もシルヴィと愛し合った寝室へと向かう。
その場所は最上階にあり、20メートルほどの高さの天井には絵付けガラスが嵌め込まれ、シルヴィが知る前世の様々な物語の再現がなされていて、それを通して降り注ぐ光が神々しく我が最愛を照らす。

まだ目覚めぬ最愛の妃は昨夜の朝方まで続いた行為により疲れ果てたのか、朝日が天に近づいた今もグッスリと眠っている。
大人が10人は眠れそうな大きな円形の真っ白な天蓋ベッドを囲うのはシアーズ特産のシルファという高価な物で薄絹よりもさらに薄く、真っ白なのに光り輝く軽い布地だ。

黒服が私のガウンを受け取り、ベッド脇にいた黒服がサッと左右にシルファのカーテンを開く。
わが身を滑り込ませるとすぐさまカーテンは閉められ、黒服の姿がどこかへと消えた。


天蓋のシルファ越しに降り注ぐ絵付きガラスの色とりどりな光の中に、私の命よりも大事な愛妃がスヤスヤと眠っている。
昨夜の数度の行為で私が精を放つまでに、聖蜜を数え切れぬほど放出していたシルヴィはトロトロと眠りに落ちそうに疲れていて、私が自ら抱き上げ湯殿に運び、綺麗にしようと洗いだしたのだが、体中に散らばる所有印と腫れぼったくピンと立ち上がる胸の飾りを目にしてそのまままた行為に及んでしまった時にはシルヴィは泣き声で「もう無理だがらぁ…あん、あっ…」と涙声で訴えてきていたなと思い返す。

シルヴィの意識がなくなるまで抱きつぶしてしまった露天浴室から戻ってきた寝台は寝具全体が取り替えられ、交わる前にふんだんに散らばっていた花弁は1つも落ちていない清潔な物だった。


その寝台に横たわり、シルファの薄絹の夜着とそこから透けて見えるシルファの下着を身に着けたシルヴィにまたもや欲情しそうになるのをこらえ、寝台にあがりシルヴィの体を抱き寄せる。

「……んっ」と微かな声と共に、白真珠よりもまろやかな腕が無意識に抱き着いてくる。

交わっている時間も最高に幸せを感じるが、こういう何気ない仕草1つを取ってしても手放すなど考えられない世界一の宝だと今日も実感する。

眠る宝物の唇に触れるか触れないかの口づけをそっと授けると、シルヴィの瞼がゆっくりとその美しいライラック色の瞳をのぞかせる。
視線が交錯した瞬間、極上の笑顔で私を見つめるシルヴィの抱き着く腕に力が入るのを感じる。

「ぉはよ…オ…ディ」

少しかれてしまった声は昨夜の交わりのせいだ。
こんな声が聴けるのも私だけだとほくそ笑む。

「おはよう、シルヴィ。愛してるよ」

いつものやりとり。
いつもと違うのは今日は私の公務がなく1日シルヴィと過ごせると言うことだ。


ーーーーーーーーーーーーーー
オーディン様の性格こんなだよね~?と
思い出しながら書いてます(;'∀')


BL小説大賞に、
*「転生して王子になったボクは、王様になるまでノラリクラリと生きるはずだった」
*「悠遠の誓い」
*新作「ひとりぼっちの嫌われ獣人のもとに現れたのは運命の番でした」
 
合わせてエントリーしていますので、ぽちっと投票していただけると大喜びします♪
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