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3章⭐︎仲間集まってきた編⭐︎
紛れ込んでいた人物
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―side エリク―
「父上、母上!」
セシル達と別れた後、エレナ、ソフィア、ジル、トムたちは参加者を接待している。
「おお、エリクか。何か、問題ないか?」
「はい!わざわざ、接待を手伝っていただきありがとうございます!」
「いい、いい。そういうのは気にするな。エリクもまだ子供だ。大人になるのはまだ早い。今は存分に大人に甘やかされてればいい」
「はーい!」
父上であるトム=ドーソンは控えめに言ってダメ人間製造機だった。
息子、娘を溺愛していている優しいお父さん。昔から好きなものはなんでも買ってあげたし、エリクのやることは一切否定せず、むしろ、肯定して頑張れ、頑張れと言っていた。なんせ、息子を信じて追放された土地に領地ごと付いてきてしまう父親だ。貴族として、当主としては甘すぎる。
まあ、そのおかげでエリクはマスク王国時代、スキルを駆使して無双して領地開拓ができたという功績もしっかりある。
だが、そのせいでエリクがこれだけダラダラしようとしているのも、間違いなくこの人のせいだろう。
溺愛教育にもメリットとデメリットがあるということだ。
ちなみに、今もレオンからあのダメ人間製造機が……という視線を送られているのに、トムは気づいていない。鈍感なのは遺伝である。
だが、トムは甘すぎるが決断力がないわけではない。やる時はしっかりやる父親でもある。
「もうそろそろだろ?みんながご飯食べ終わるのは。足湯と闘技施設のお披露目の準備だな」
「そうですね」
ちなみに、今回のパーティ。トムにはものすごく沢山進行を手伝ってもらっている。
流石は元貴族家当主。主催している場数が違う。エリクもトムやセバスに色々教えてもらいながら、見よう見まねで色々学んでいる最中だ。追放されてから受けれていなかった、本来受けるべき立派な貴族教育がここの魔境では行われていた。
ちなみに、ルークとトールは本来の姿だ。人の姿にもなれるが、めんどいからという理由でなっていない。参加者もドラゴンやフェンリルには慣れたものだ。
「……?どうしたんですか?兄上?」
「見て……あそこの人……」
何かに気づいた様子のトムが驚いたように指を指す。
見ると、ガタイのいい白髪に褐色がかった肌色のダンディーなおじさんがいた。
知らん人だなーと思って首を傾げるエリク。
『あれ?ラルフじゃん』
レオンも何かに気づいた様子だ。どうやら、あのおっさんはラルフと言う名前だ。
それを聞いて何かを思い出すトムとエリク。
「ラルフといえば……」
「冒険者ギルドのグランドマスター……」
冒険者のグランドギルドマスターとは、冒険者ギルドのギルドマスターから投票によって選ばれる、平たく言えば、全冒険者を束ねる1番偉い人間。
「見間違いか?」
「んーん。僕が呼んだよ」
後ろを見ると、さっき別れたはずのセシルが悪い笑顔で立っていた。
どうやら、食事を取りに戻ってきていたらしい。
「は?」
エリクは呆れた様子で問う。
「ちょうど、ラルフさんがマーチャルトにいてさ、僕たちがエリクのところへ行くって行ったら、護衛として自分も一緒に行きたいって言われて、こちらとしても断る理由ないし一緒に来てもらった」
「いや、断れよ」
ツッコミどころ満載なセシルの発言をズバッとぶった斬るエリク。
まず持って常人は魔境にわざわざ来ないし、グランドギルドマスターにしてはフッ軽すぎる。
それに受け入れ側の意見としては、そんなお偉いさんをおもてなしするのには相応の時間が必要なので、せめて前もって一報入れろノリ軽すぎるだろとかエリクは思っている。
「いやさー。僕たちだって冒険者のグランドギルドマスターは敵に回せないし、頼まれたら無碍にはできないって」
「それもそうか」
この世の中は冒険者を抜きにして世界が回らないほど、冒険者に対する依存が高い。セシルは国を出て行ったとは言え、一国の王子なのだ。
あんな国でも善良な民も中にはいる。自分のせいで冒険者のグランドギルドマスターを怒らせて、冒険者ギルドから制裁を喰らったら大変だ。
特にグランドマスターは、投票によって決められるため、実力の他にカリスマ性なども求められる。下手したら、全世界の冒険者を敵に回してしまう。
「お忍びで行ってみたいんだね~、秘密で行くんだったらいいんじゃない?って言われたら断りずらかったし」
「あー……」
どうやらセシル達もうまく丸め込まれたらしい。
流石はグランドギルドマスター。やり手だな。
「でも、結局このパーティ出てるならお忍びではないのでは?」
「うん、それも実は頼まれて……」
テキトーな理由つけて断れよとエリクが言おうとした瞬間……
「エリク殿!!」
後ろからラルフが声をかけてきた。
「ご挨拶が遅れて申し訳ない。既にセシル殿から聞いていると思うが、私が冒険者ギルドのグランドギルドマスターのラルフだ」
「存じ上げております」
『嘘つけ!さっきまで、知らねーよって顔してたくせに!』とレオンから念話でツッコミをもらうが、華麗にスルーするエリク。
「それで、この度はどのようなご用件で?」
どーせ何か話があるから、こっちに来たのだろうというのを察して、本題を促すエリク。
厄介そうな人を相手に警戒心マックスで会話がスタートするのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「父上、母上!」
セシル達と別れた後、エレナ、ソフィア、ジル、トムたちは参加者を接待している。
「おお、エリクか。何か、問題ないか?」
「はい!わざわざ、接待を手伝っていただきありがとうございます!」
「いい、いい。そういうのは気にするな。エリクもまだ子供だ。大人になるのはまだ早い。今は存分に大人に甘やかされてればいい」
「はーい!」
父上であるトム=ドーソンは控えめに言ってダメ人間製造機だった。
息子、娘を溺愛していている優しいお父さん。昔から好きなものはなんでも買ってあげたし、エリクのやることは一切否定せず、むしろ、肯定して頑張れ、頑張れと言っていた。なんせ、息子を信じて追放された土地に領地ごと付いてきてしまう父親だ。貴族として、当主としては甘すぎる。
まあ、そのおかげでエリクはマスク王国時代、スキルを駆使して無双して領地開拓ができたという功績もしっかりある。
だが、そのせいでエリクがこれだけダラダラしようとしているのも、間違いなくこの人のせいだろう。
溺愛教育にもメリットとデメリットがあるということだ。
ちなみに、今もレオンからあのダメ人間製造機が……という視線を送られているのに、トムは気づいていない。鈍感なのは遺伝である。
だが、トムは甘すぎるが決断力がないわけではない。やる時はしっかりやる父親でもある。
「もうそろそろだろ?みんながご飯食べ終わるのは。足湯と闘技施設のお披露目の準備だな」
「そうですね」
ちなみに、今回のパーティ。トムにはものすごく沢山進行を手伝ってもらっている。
流石は元貴族家当主。主催している場数が違う。エリクもトムやセバスに色々教えてもらいながら、見よう見まねで色々学んでいる最中だ。追放されてから受けれていなかった、本来受けるべき立派な貴族教育がここの魔境では行われていた。
ちなみに、ルークとトールは本来の姿だ。人の姿にもなれるが、めんどいからという理由でなっていない。参加者もドラゴンやフェンリルには慣れたものだ。
「……?どうしたんですか?兄上?」
「見て……あそこの人……」
何かに気づいた様子のトムが驚いたように指を指す。
見ると、ガタイのいい白髪に褐色がかった肌色のダンディーなおじさんがいた。
知らん人だなーと思って首を傾げるエリク。
『あれ?ラルフじゃん』
レオンも何かに気づいた様子だ。どうやら、あのおっさんはラルフと言う名前だ。
それを聞いて何かを思い出すトムとエリク。
「ラルフといえば……」
「冒険者ギルドのグランドマスター……」
冒険者のグランドギルドマスターとは、冒険者ギルドのギルドマスターから投票によって選ばれる、平たく言えば、全冒険者を束ねる1番偉い人間。
「見間違いか?」
「んーん。僕が呼んだよ」
後ろを見ると、さっき別れたはずのセシルが悪い笑顔で立っていた。
どうやら、食事を取りに戻ってきていたらしい。
「は?」
エリクは呆れた様子で問う。
「ちょうど、ラルフさんがマーチャルトにいてさ、僕たちがエリクのところへ行くって行ったら、護衛として自分も一緒に行きたいって言われて、こちらとしても断る理由ないし一緒に来てもらった」
「いや、断れよ」
ツッコミどころ満載なセシルの発言をズバッとぶった斬るエリク。
まず持って常人は魔境にわざわざ来ないし、グランドギルドマスターにしてはフッ軽すぎる。
それに受け入れ側の意見としては、そんなお偉いさんをおもてなしするのには相応の時間が必要なので、せめて前もって一報入れろノリ軽すぎるだろとかエリクは思っている。
「いやさー。僕たちだって冒険者のグランドギルドマスターは敵に回せないし、頼まれたら無碍にはできないって」
「それもそうか」
この世の中は冒険者を抜きにして世界が回らないほど、冒険者に対する依存が高い。セシルは国を出て行ったとは言え、一国の王子なのだ。
あんな国でも善良な民も中にはいる。自分のせいで冒険者のグランドギルドマスターを怒らせて、冒険者ギルドから制裁を喰らったら大変だ。
特にグランドマスターは、投票によって決められるため、実力の他にカリスマ性なども求められる。下手したら、全世界の冒険者を敵に回してしまう。
「お忍びで行ってみたいんだね~、秘密で行くんだったらいいんじゃない?って言われたら断りずらかったし」
「あー……」
どうやらセシル達もうまく丸め込まれたらしい。
流石はグランドギルドマスター。やり手だな。
「でも、結局このパーティ出てるならお忍びではないのでは?」
「うん、それも実は頼まれて……」
テキトーな理由つけて断れよとエリクが言おうとした瞬間……
「エリク殿!!」
後ろからラルフが声をかけてきた。
「ご挨拶が遅れて申し訳ない。既にセシル殿から聞いていると思うが、私が冒険者ギルドのグランドギルドマスターのラルフだ」
「存じ上げております」
『嘘つけ!さっきまで、知らねーよって顔してたくせに!』とレオンから念話でツッコミをもらうが、華麗にスルーするエリク。
「それで、この度はどのようなご用件で?」
どーせ何か話があるから、こっちに来たのだろうというのを察して、本題を促すエリク。
厄介そうな人を相手に警戒心マックスで会話がスタートするのだった。
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