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3章⭐︎仲間集まってきた編⭐︎
パーティ開幕
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-side エリク-
「諸君、本日はようこそお越し下さった。皆が頑張ってくれたからこそ、こうして今、パーティを開催できている。今宵は日頃の感謝を胸に、心ゆくまで歓談と饗宴を楽しんでいただきたい」
パーティが始まった。
ダンジョン産のお肉。この国で作られたワイン。ドワーフが食器類を作ってくれたし、音楽はちょうどこの魔境へ来ていた吟遊詩人を呼んだ。エンタメ施設もバッチリだ。招待状もセバスが配ってくれた。
「お久しぶりです。エリク様」
「おお久しぶりだな!ラクス」
ラクスはエリクが公爵家にいた頃、側近中の側近だった人物だ。最近はセバスの事を手伝っているとエリクも聞いていたが、直接会うのは初めてだった。
あの頃は貴族の色々なしがらみが嫌で、家から逃げ出したいと思っていたが、公爵家の人たちと仲は良かったエリク。久しぶりの再会に嬉しそうだ。
「こんなに立派になられて……」
「やめろよ……まだ、ガキでいたい」
「それ、大人がいうセリフですよ」
涙ぐんで喜んでいるラクスに対し、普通に嫌そうにするエリク。
大人になるということは、色々な責任やらなんやらで忙しくて萎える可能性が高まるということだ。
まだまだ、グータラする気満々なエリクは大人になるのを一旦キャンセルする。
もちろん、今でも背負うものは大きいので、責任も重い。それはエリクもわかっているが、それでもエリクはモーレツキャンセル界隈であった。ワークライフバランスが大事らしい。なお、若干、ライフの方に比重が偏りすぎている可能性も否定しなくはない。
「それにしても、美味しいですね、ここの料理は……使っている食材も超一流食材ばかりです。この食器も滅多にお目にかかれないレベルでとても繊細な技巧が凝らされている素晴らしいものです。よく、この短期間でこれだけの食材を取り揃えられましたね。流石です」
「ああ、俺と、そこにいるみんなでダンジョンに潜って狩ってきたんだ」
そう言って、エリクはレオンたちの方を指差す。
ちなみにレオンとトールルーク、ゼクロンさっきならダンジョンで狩ってきた肉をガツガツ食べている。
エリクシア王国の料理人がこれでもかと贅沢で豪勢な料理を作ってくれたのだ。
「なんと……エリク様自ら……!」
「ああ。ちなみに、食器は領地にいるドワーフが作ってくれたものだよ」
「はあーー……どうりで」
「だから、ラクスも遠慮せずに食べていってくれ、あいつらみたいにな」
そう言ってエリクは参加者の一部を指さす。
参加者の一部はそれはもう無我夢中に食べていた。エリクに媚を売るのを全く興味のない人たちだ。
大体、メチャクチャ能力が高くて一人でも生きていけるタイプの人間。
エリクはそういう人間が好きだったので、公爵家にいた時も優先してそういう人たちを集めていた。
「ははっ……そうですね。では、お言葉に甘えて」
ちなみに、ラクスもそういうタイプの人間だ。一応、元貴族なので礼儀は弁えているため、しっかりと挨拶をしにくるが、程よくドライでパーティでは大体の時間美味しくご飯を食べているタイプ。
社交の場で色々人たちと話すのもいいが、美味しいご飯やエンタメをたっぷり楽しむ方が合理的だ。
なので、前者は感情的に動くタイプの人、後者は論理で動くタイプの人が多い。そして、エリクと相性がいいのは後者の方だということだろう。
そんな参加者の一部を見て、見知った人物がいたので声をかける。
「セシル、エリーゼ」
「もぐもぐもぐもぐ……もごごごご……」
「ああ、食べ終わってからでいいぞ」
そう、エリクの親友でマスク王国王子のセシルとエリーゼだ。今は、商業国家マーチャルトに亡命しているが、実質もうエリクシアの住民と言っても過言ではない存在だ。
「ごめんごめん、失敬失敬」
「いいよ、それよりきてくれてありがとう」
「もちろん、こっちこそこの国をエンジョイさせてくれてありがとう!」
どうやら、セシルとエリーゼはこの国を満喫しているらしい。
おかしい、こんななんもないど田舎にエンジョイできる施設なんてあっただろうか?とエリクは自身の領地ながら普通に失礼なことを疑問に思ったのでセシルに尋ねる。
「最近は何しているの?」
「ダンジョン攻略が多いかな?エリーゼと一緒に魔物を色々狩っているけど、ここら辺いいね」
「あーそっか、二人とも強かったもんなあ」
セシルは剣聖でエリーゼは聖女だ。エリクは学園にいた時、二人とパーティを組んでいたので、その強さはよく知っている。その時、エリクはふと思った。『というか、今更だけど、マスク王国の国王陛下……ネロは確か、セシルを王にしたいと思ったから、俺を追放したんじゃなかったっけ?それなのに、無能すぎて本人に逃げられてるとか、ざーまあー』内心、しめしめ……と思っているエリク。
「おっと、食事の邪魔をして悪かったね、じゃあ、楽しんで!」
「うん、ふふ……なんだか今日、機嫌よさそうだね」
「別に~?」
珍しく、ルンルンで会場を回り始めるエリクだった。
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「諸君、本日はようこそお越し下さった。皆が頑張ってくれたからこそ、こうして今、パーティを開催できている。今宵は日頃の感謝を胸に、心ゆくまで歓談と饗宴を楽しんでいただきたい」
パーティが始まった。
ダンジョン産のお肉。この国で作られたワイン。ドワーフが食器類を作ってくれたし、音楽はちょうどこの魔境へ来ていた吟遊詩人を呼んだ。エンタメ施設もバッチリだ。招待状もセバスが配ってくれた。
「お久しぶりです。エリク様」
「おお久しぶりだな!ラクス」
ラクスはエリクが公爵家にいた頃、側近中の側近だった人物だ。最近はセバスの事を手伝っているとエリクも聞いていたが、直接会うのは初めてだった。
あの頃は貴族の色々なしがらみが嫌で、家から逃げ出したいと思っていたが、公爵家の人たちと仲は良かったエリク。久しぶりの再会に嬉しそうだ。
「こんなに立派になられて……」
「やめろよ……まだ、ガキでいたい」
「それ、大人がいうセリフですよ」
涙ぐんで喜んでいるラクスに対し、普通に嫌そうにするエリク。
大人になるということは、色々な責任やらなんやらで忙しくて萎える可能性が高まるということだ。
まだまだ、グータラする気満々なエリクは大人になるのを一旦キャンセルする。
もちろん、今でも背負うものは大きいので、責任も重い。それはエリクもわかっているが、それでもエリクはモーレツキャンセル界隈であった。ワークライフバランスが大事らしい。なお、若干、ライフの方に比重が偏りすぎている可能性も否定しなくはない。
「それにしても、美味しいですね、ここの料理は……使っている食材も超一流食材ばかりです。この食器も滅多にお目にかかれないレベルでとても繊細な技巧が凝らされている素晴らしいものです。よく、この短期間でこれだけの食材を取り揃えられましたね。流石です」
「ああ、俺と、そこにいるみんなでダンジョンに潜って狩ってきたんだ」
そう言って、エリクはレオンたちの方を指差す。
ちなみにレオンとトールルーク、ゼクロンさっきならダンジョンで狩ってきた肉をガツガツ食べている。
エリクシア王国の料理人がこれでもかと贅沢で豪勢な料理を作ってくれたのだ。
「なんと……エリク様自ら……!」
「ああ。ちなみに、食器は領地にいるドワーフが作ってくれたものだよ」
「はあーー……どうりで」
「だから、ラクスも遠慮せずに食べていってくれ、あいつらみたいにな」
そう言ってエリクは参加者の一部を指さす。
参加者の一部はそれはもう無我夢中に食べていた。エリクに媚を売るのを全く興味のない人たちだ。
大体、メチャクチャ能力が高くて一人でも生きていけるタイプの人間。
エリクはそういう人間が好きだったので、公爵家にいた時も優先してそういう人たちを集めていた。
「ははっ……そうですね。では、お言葉に甘えて」
ちなみに、ラクスもそういうタイプの人間だ。一応、元貴族なので礼儀は弁えているため、しっかりと挨拶をしにくるが、程よくドライでパーティでは大体の時間美味しくご飯を食べているタイプ。
社交の場で色々人たちと話すのもいいが、美味しいご飯やエンタメをたっぷり楽しむ方が合理的だ。
なので、前者は感情的に動くタイプの人、後者は論理で動くタイプの人が多い。そして、エリクと相性がいいのは後者の方だということだろう。
そんな参加者の一部を見て、見知った人物がいたので声をかける。
「セシル、エリーゼ」
「もぐもぐもぐもぐ……もごごごご……」
「ああ、食べ終わってからでいいぞ」
そう、エリクの親友でマスク王国王子のセシルとエリーゼだ。今は、商業国家マーチャルトに亡命しているが、実質もうエリクシアの住民と言っても過言ではない存在だ。
「ごめんごめん、失敬失敬」
「いいよ、それよりきてくれてありがとう」
「もちろん、こっちこそこの国をエンジョイさせてくれてありがとう!」
どうやら、セシルとエリーゼはこの国を満喫しているらしい。
おかしい、こんななんもないど田舎にエンジョイできる施設なんてあっただろうか?とエリクは自身の領地ながら普通に失礼なことを疑問に思ったのでセシルに尋ねる。
「最近は何しているの?」
「ダンジョン攻略が多いかな?エリーゼと一緒に魔物を色々狩っているけど、ここら辺いいね」
「あーそっか、二人とも強かったもんなあ」
セシルは剣聖でエリーゼは聖女だ。エリクは学園にいた時、二人とパーティを組んでいたので、その強さはよく知っている。その時、エリクはふと思った。『というか、今更だけど、マスク王国の国王陛下……ネロは確か、セシルを王にしたいと思ったから、俺を追放したんじゃなかったっけ?それなのに、無能すぎて本人に逃げられてるとか、ざーまあー』内心、しめしめ……と思っているエリク。
「おっと、食事の邪魔をして悪かったね、じゃあ、楽しんで!」
「うん、ふふ……なんだか今日、機嫌よさそうだね」
「別に~?」
珍しく、ルンルンで会場を回り始めるエリクだった。
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