魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中

文字の大きさ
48 / 57
3章⭐︎仲間集まってきた編⭐︎

カツアゲでは?

しおりを挟む
-side エリク-


「本当にここにいるのか?」


 今エリク達はエリクシアに最近完成しつつある高級住宅街にいる。その一角に、ピカピカした武器屋さんがある。いつものメンバーと一緒にドワーフに会いにきた。
 建物は周りのどの物件よりも立派で、装飾品も綺麗だ。
 地下や洞窟などの昔ながらの住宅に住んでいるというドワーフの住環境イメージとかけ離れていた。


 --カンカンカンカン!!
 --カンカンカンカン!!


 中へ入ると、熱気と汗だくなドワーフ達がいる。普通なら話しかけるのを割と躊躇する場面だが、ノンデリエリクは気にせずにズカズカと店の中へ入っていく。
 店番をしているドワーフは酒を飲んでいた。話しかける。

 
「おっちゃん、武器作りたいんだけど?」
「あ?なんだい?お兄ちゃん?お前みたいなガキにあげる武器はねえんだ!帰んな」


 おおっ?素人に毛が生えた程度の冒険者を追い出すのはイメージ通りかもしれない。ちょっと感動する。けれど、今日の俺は一応一国のトップとしてここへ来ているからな、多少手荒い真似をしてでも挨拶はしておかないとな、とエリクは考える。

 
 「聞いてんのか兄ちゃん?」
 「ああ……、一応、俺はこういうものだ」

 
 エリクシア王国の剣を見せる。
 エンブレムは一応、公爵家の嫡男だった時に実家で使っていたものだ。
 わざわざ、新しいエンブレムを広めるのには時間がかかるからな、子どもの頃から使っていて家の紋章にも愛着があったし、コスパもいいし、変える必要はないとの判断だ。

 
 ーーブフッ

 ドワーフは酒を吹き出した。


「し、失礼いたしました」

 
 ドワーフは急いで頭を下げる。概ねエリクの予想通りの反応だ。
 まあ、誰だって王家の紋章を見せれば、顔は引き攣るだろう。
 むしろ、それでも言うことを聞かない場合どうすれば良いかと考えていたので、話が通じそうでよかったとエリクは安堵する。


「赤髪にエメラルドグリーンの目で10代くらいの男子、も、も、もしや、陛下?」
「そうだ」
「ひっ!!!申し訳ございませんでした!!!」


 あまりに動揺しているのか終わった、俺とかいう心の声までダダ漏れである。
 エリクはちょっと面白いから黙って見ているが、レオンはなんて腹黒い遊びなんだと呆れ返っている。
 丁度良いから上手いこと利用さしてもらおう。
 

「今回の件、お主を特別に不問にしてやらんでもない」
「ほ、本当ですか?」
「うむ?ただし、武器を作ってくれたらな」
「かしこまりました。俺が持っている技術で1番最高の武器をお作りいたします!」
「それは良い、期待しているぞ、あ、もちろんもし逃げたら国外までおい回すからな」
「はっ!承知しました!」


 表情には出さないが、武器ゲット~と内心エリクは大喜びだ。
 うーわ、これ明らかにカツアゲじゃないの?とレオンのドン引いた視線を感じる。
 交渉とはいえ、やりすぎたなとエリクも感じていたので、用意してきたものを取り出した。

 
「これ、お近づきの印なのだが……」
「それは……!」
 

 さすがドワーフ!さっきまでの絶望したような表情とは反対に興味津々というような目でこちらを見る。


「ああ。これはエリクシア産のお酒だ。せっかく貴殿らドワーフが来ているのだから、せっかくだからと差し入れだ」
「あ、ありがとうございます!みんなで大切に飲みます!」
「うむ」
 

 キラキラした目で見つめてくる店番ドワーフ。
 こうしてエリクは餌付けが完了したのだった。


「そういえば、あれ、やっとくか?」
「……?」


 やっぱり異世界のドワーフの店に来たらテンプレのあれをやるだろ。


「なあ、この店で1番いい武器って本当はあれだろ?」
「……!なぜそれを?」


 店番ドワーフは目をギラギラさせてこちらを見てくる。ほーうやるじゃねえかという眼差しだ。


「あれが1番丁寧に鍛えられている」
「お見事です」
 
 
 ドワーフのやっている店にはよく金持ちの貴族がくる。そういう人たちにはわざと見た目は1級品、剣としては2流品の品を出すようにしている。これは単純にドワーフが偏屈という理由もあるが、見た目も一級品で剣としても一級品だと原価率が高すぎてしまうからという理由もある。
 だから、こういう店は1番良い製品を迷わずに取る冒険者が何回もその店で1番良い武器を選んでようやく常連になった時に初めて本当に良い品を出すことにしているのだ。


「陛下、お任せしてください。最高に良い武器にして見せます」


 さっきまでと明らかに目つきが変わった。これは期待できそうだと思い、エリクは家へ帰るのだった。
 
 
-------------------------------------------ー
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

処理中です...