3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中

文字の大きさ
24 / 85
2章⭐︎それぞれの役割編⭐︎

戦闘狂への道

しおりを挟む
-side リアム-



 あの後レオン、ルーカスと一緒に再度書類を確認した俺たちはドライ王国が提示してきた条件で、戦争に参加することにした。
 翌日の朝、ノアが俺の部屋に来た。


「おはよう。ノア」
「お、おはよう」


 珍しく、作り笑いを浮かべているノア。


「……?なんかあったの?」
「いや。まあ、ちょっとね」


 いつも堂々とキラキラ王子様をしているだけに気にはなるが、何かあったら向こうから話すだろうし、ほっとくのが無難だろう。


『リアム。俺は昨日食べた唐揚げが食べたいぜ。コカトリスの唐揚げは最高だった』


 食堂の方からルーカスの声が聞こえてくる。最近はご飯を食べていない時も落ち着くからと言う理由で、食堂にいる事が結構あるのだ。昨日はあの後、こっそり王城を抜け出し、レオンとルーカスと一緒にコカトリスを捕まえに行った。


 神様達がコカトリスをテイムすると、美味しい卵を産んでくれて便利だと教えてくれたことをルーカスとレオンに話したところ、


『だったら捕まえに行こうぜ!俺がいい場所知ってるからよ!』
「それはいいな。リアムを鍛えるのに持ってこいだ」


 ということになったのだ。
 コカトリスが生息する山には大きくなったルーカスに乗って行くことになった。


『ほらよ。乗れ』
「う、うん」
「なんだよ?ビビってんのか?リアム」
「び、ビビってないし」


 この時、負けず嫌いを発揮して強がったのがいけなかったのかもしれない。


『じゃあ、早く乗れ!』と念力で無理やり乗せられ、そのまま出発した。
「なんだ。これくらいなら全然平気だな。うん。全然余裕だ」


 必死に平常心を保とうとする俺。


『お、そうなのか?ならもっととばすぜ!』
「え?」


 その言葉を間に受けたルーカスはかっ飛ばした。


「うわああああああ。ちょっと。ちょっと、ルーカスさん?き、聞こえてない?」
「ああ。聞こえてないみたいだな。リアム。諦めろ」


 レオンがポンと肩を叩き言う。


「そ、そんなああああああああ」


 初めて乗るルーカスは今まで乗ったどのジェットコースターよりも怖かった。


 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢


 それから、10分ほど恐怖のジェットコースター体験をした俺だったが、レオンが俺を助けてくれたこともあって、無事コカトリスがいる山についた。
 空から直接コカトリスの群れのところに行くと、ルーカスの気配が強すぎて魔物が出にくくなるため、山についてからは歩きだ。


 夜の山は足元も悪くて、不気味だった。
 前世では、舗装された山の道しか歩いていなかったからな。転生して体が強くなったとはいえ、きつい。レオンは平気そうに歩いていたので、疑問に思って聞いてみると、身体強化魔法を使っているらしい。
 それは、ズルだって。
 はあ、俺も覚えようかなあ。
 道中、出てきた魔物はレオンとルーカスのサポートをしてもらいながら、倒した。


 そして、とうとうコカトリスの群れの元に辿り着くと、「ナンダオマエラ……。コロス……」と強気のコカトリスの頭領に熱烈な歓迎を受けた。
 それを見てなぜか、「美味しそうだな」と感じてしまった俺は勝手に体が動き、頭領の首を刎ねたのだった。
 しかし、魔物との戦闘も慣れてきて、だんだん倒すのも楽しくなってきたな。
 何より、美味しそうな具材がたくさん手に入るのがとても良い。


 頭領があっさりやられたことで、ほとんどのコカトリスは逃がしてしまったが、レオンが1羽捕まえ、ルーカスが2羽捕まえたので、無事3羽テイムすることに成功したのだった。おいしい卵ゲットである。


 そして、夜食にコカトリスの頭領を唐揚げにして食べたのだ。それが、また。
 今まで食べた中で1番美味しかった。


 ジューシーでサクサクふわふわなのはもちろんなのだが、鳥の味自体が美味しいんだよな。牛にはランクがあるのは有名だが鳥にもランクがあるんだなと学んだ時だった。
 あの唐揚げをルーカスはもう一度食べたいらしい。


「うん。わかった。作るよ」
『よっし!やったー』
「コカトリスの唐揚げかい?そんなの食べたことないよ。楽しみだ」
「お?そうなの?」
「もちろん。コカトリスといえば、Aランクパーティでやっと狩れるレベルの強い魔物かつ、人前に滅多に出てこない魔物だ。美味しいから、高級料理では使われたものは食べたことあるけど、それを唐揚げにするとは。贅沢だね」
「げ……、そうなんだ」


 そんな魔物だって知らなかった。……ってか、コカトリスってそんな強かったんだ。俺よく倒せたな。薄々気づいていたけれど、もしかしたら俺のスキルは、戦闘面でもチートなのかもしれない。
 しかし、コカトリスを使った高級料理か。
 うん、絶対に美味しいな。今度作ってみよう。


 その後、軽い雑談をしながら唐揚げを作って、ご飯を炊いていると、レオンも食堂に入ってきたので、みんなで朝ごはんを食べた。




 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢




 それから、みんなで一緒に署名式に参加する。


「お、お、おはよう。リアム殿。レオン殿」
「ヘンリー様、おはようございます」


 これはまた。ノアよりもわかりやすく動揺しているな。やはり、何かあったのだろう。
 俺に対してだけ動揺しているところをみると、俺関連だろうか。気のせいかもしれないけど。
 そんなことを思っていると、国王陛下が入ってくる。


「おはようリアム殿、レオン殿。昨日はよく眠れたかい?」


 こちらは普通だ。
 態度に出にくいだけなのかもしれないが。


「ええ。お陰様で快適でした」
「僕もです」
「それはよかった。何かあったら、気軽に私のところに言いにきなさい」
「ありがとうございます」


 そして、署名を終わらせる。


「ところで、戦争に参加すると言っても何をするんですか?俺としては、リアムに対人経験を積ませるためにある程度前めで戦いたいんですが」
 

 レオンが言う前めでって、ほぼ最前線でと言うことだろう。戦争に出る以上、人を殺すことは覚悟の上ではあるが、
 正直、何をすれば良いか分からないから多少不安ではあるな。


「ああ。そのことなんだがな。2人ともしばらくは戦争には出さないから、王宮で訓練をしてもらうことになる」
「え?どういうことですか?」
「レオン殿はともかく、リアム殿はアインス王国とフィーア王国には全く情報がないからな」
「ああ。つまり、情報アドバンテージを取りたいと」
「そういうことだ。だから、泥沼回避のための切り札として想定しているが、最初は参加しない」
「わかりました」


 意外だ。レオンはもっと、俺を戦闘に出させてくれと主張するタイプだと思っていたが。思っていたより大人で冷静な判断ができる人なんだな。


「はっはっは。今、リアム殿はレオン殿のこの態度、意外だと思っただろう?」
「え?ああ。いやあ」
「口に出さなくても分かっておる」
「(お前……、後でみっちり鍛えてやる)」


 レオン。笑顔で怒ってる。こええ……。


「まあまあ。2人とも落ち着け。リアム殿。レオン殿が冷静なのは、彼の戦闘経験がそうさせているからだ。だから、戦争に関して分からないことがあったら遠慮なく聞くといい。
 なんなら、今の情勢や戦術に関しても守秘義務がある我々よりもリアム殿に教えられる事は多いかもしれん」
「わ、分かりました」


 分かったはいたが、そんなすごかったのかレオン。王族より、今の情勢や戦術を教えてくれる師匠って凄すぎるな。


「まあ、今の情勢や戦術について教えるのはリアムがもっと強くなってからです。
 というわけで、戦争が始まるまでは好きに鍛えてもいいですよね。俺の弟子ですし」
「ああ。それは、私が口出しできることではないしな。よし、では各自仕事に戻ろうか。
 リアム殿とレオン殿には、まだ仕事はないが、出来次第すぐに伝えるから連絡がいつでも取れるように頼む」
「了解しました」「はい」


 最後にとても嫌な予感がする会話を聞きながら署名式は終わったのだった。
 なお、戦う前に鍛えてくれると言われて少しホッとした自分がいたのは内緒である。


『まあ、みんなに悟られてそうだったけどな』


 えっ……。って勝手に心読まないでくれ、ルーカス。


-------------------------------
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

水神飛鳥の異世界茶会記 ~戦闘力ゼロの茶道家が、神業の【陶芸】と至高の【和菓子】で、野蛮な異世界を「癒やし」で侵略するようです~

月神世一
ファンタジー
「剣を下ろし、靴を脱いでください。……茶が入りましたよ」 ​ 猫を助けて死んだ茶道家・水神飛鳥(23歳)。 彼が転生したのは、魔法と闘気が支配する弱肉強食のファンタジー世界だった。 ​チート能力? 攻撃魔法? いいえ、彼が手にしたのは「茶道具一式」と「陶芸セット」が出せるスキルだけ。 ​「私がすべき事は、戦うことではありません。一服の茶を出し、心を整えることです」 ​ゴブリン相手に正座で茶を勧め、 戦場のど真ん中に「結界(茶室)」を展開して空気を変え、 牢屋にぶち込まれれば、そこを「隠れ家カフェ」にリフォームして看守を餌付けする。 ​そんな彼の振る舞う、異世界には存在しない「極上の甘味(カステラ・羊羹)」と、魔法よりも美しい「茶器」に、武闘派の獣人女王も、強欲な大商人も、次第に心を(胃袋を)掴まれていき……? ​「野暮な振る舞いは許しません」 ​これは、ブレない茶道家が、殺伐とした異世界を「おもてなし」で平和に変えていく、一期一会の物語。

ホームレスは転生したら7歳児!?気弱でコミュ障だった僕が、気づいたら異種族の王になっていました

たぬきち
ファンタジー
1部が12/6に完結して、2部に入ります。 「俺だけ不幸なこんな世界…認めない…認めないぞ!!」 どこにでもいる、さえないおじさん。特技なし。彼女いない。仕事ない。お金ない。外見も悪い。頭もよくない。とにかくなんにもない。そんな主人公、アレン・ロザークが死の間際に涙ながらに訴えたのが人生のやりなおしー。 彼は30年という短い生涯を閉じると、記憶を引き継いだままその意識は幼少期へ飛ばされた。 幼少期に戻ったアレンは前世の記憶と、飼い猫と喋れるオリジナルスキルを頼りに、不都合な未来、出来事を改変していく。 記憶にない事象、改変後に新たに発生したトラブルと戦いながら、2度目の人生での仲間らとアレンは新たな人生を歩んでいく。 新しい世界では『魔宝殿』と呼ばれるダンジョンがあり、前世の世界ではいなかった魔獣、魔族、亜人などが存在し、ただの日雇い店員だった前世とは違い、ダンジョンへ仲間たちと挑んでいきます。 この物語は、記憶を引き継ぎ幼少期にタイムリープした主人公アレンが、自分の人生を都合のいい方へ改変しながら、最低最悪な未来を避け、全く新しい人生を手に入れていきます。 主人公最強系の魔法やスキルはありません。あくまでも前世の記憶と経験を頼りにアレンにとって都合のいい人生を手に入れる物語です。 ※ ネタバレのため、2部が完結したらまた少し書きます。タイトルも2部の始まりに合わせて変えました。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

処理中です...