3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

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3章⭐︎新しい家族から学ぶ帝王学編⭐︎

パーティ内での役割

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-side リアム-



「手はず通り、レオンが前衛、リアムが中衛、俺が後衛だ」
「うん」「了解」


 俺の、実の父親であり、このパーティのリーダーであるヘンリーが確認をとる。
 やっぱり、カリスマ性もあるなこの人。


「普段は頼りないけど、流石、戦争の最高司令官を任されるだけはあるよね」
「えっ!?俺頼りないの?」
「あっ」
「ヘンリー様。一応俺や他人という選択肢がある中で、迷わず自分だと思った--そういうところですよ。心の弱さっていうのは」
「ごもっともだね」
「ぐはっ……!」


 俺たちのパーティは、レオンが暴れて、俺とヘンリーでフォローするというのが最善だろうということになった。オールラウンダーのレオンを生かすためである。まあ、ぶっちゃけ、本気の実戦になった時、俺が入れる余地があるのかは、本当に分からない。


 前に仮想戦闘装置でヘンリー様とタイマンした時、体がブレて見えていたからな。
 危ないから、[食の大賢者]が発動している状態では戦った事はないけれど、発動していても、目で追うのが精一杯な気もする。
 実戦で使い物にならないし、連携も取れないだろう。
 もしかしたら、ステータス的な何かが上がらないと、目で追えるようにならない仕組みなのかもしれないな。


 そういうわけで、もし、2人が全力で戦う場面が来るとしたら、俺は一旦、[絶対食堂領域]にルーカスと逃げ込み、中で寝ているシルバーに助けを求めるつもりだ。
 まあ、ルーカスが“この世界で俺に勝てる奴なんていない”と大口叩いていたから、シルバーに頼るまでもなく、いざとなったら彼が片付けるだろう……と信じている。


「それにしても、これうまいなあ。揚げた魚とじゃがいも、最強コンビだ」
「ああ。冒険前にはちょうど良いな。肉みたいに、重すぎないのも良い」
「好評で良かった。初めて作ったから不安ではあったんだよね」


 今日作ったのは、イギリス名物フィッシュアンドチップスである。
 新鮮な魚をサクッと揚げる、中はふわふわ外はサクサクで美味しいというのが特徴だ。
 天ぷらに近いが、もう少しジャンクで、こちらだと屋台とかでよく売っている。


 作り方は、まず、タラに塩胡椒をしておき、薄力粉、片栗粉、ベーキングパウダーを混ぜておき、揚げ始める前にビールを入れてサクッと揚げる。
 チップスの方は--、まあ冷凍食品をタラ一緒に揚げるので大丈夫だろうと思って、そうした。
 決して面倒だからというわけではないこともない。ただ、満足度はそんなに変わらないわけで……誰に対して言い訳しているのだろうか?
 こういう時に自分って思うのが俺の心の弱さなのだろうか?いや、それは絶対違うな。
 



 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢




「ここからか。気を引き締めろよ。なんせ、人間があまり入ら無いところだ。どんな危険がありかも分からないからな」
「はい」「おう」


 世界樹があるのは、通称“精霊の森”と呼ばれる場所だ。
 上に登って、下を見渡すと、この世界の大部分の場所が見えると言い伝えられている。
 だから、そこに登ったら、ヨルムンガルドの場所が何か分かるのではないか?
 そう思っての作戦である。


 ……それって、ただ、高いところから、下を見渡してるだけでは?と、ヘンリーとレオンの話を聞いていて思ったけど、なんとなく、世界樹という響きにロマンを感じたので、黙っておくことにした。


 多分2人もそう。本当はその事をわかっているけど、ただただ行きたいだけ。
 ちなみに、おそらくヨルムンガルドを探す気など、この2人にはあまり無い。
 もちろん冒険者として、強い魔物と戦いたいとかそういう気持ちはあるだろうけど、その程度である。

 


  ♢  ♢  ♢  ♢  ♢




「人間だ?」
「珍しい。こんなところまで」


 警戒して森の中を歩いていた時、どこからか声が聞こえてきた。
 どういう仕組みかは分からないが、この森の中は、半径5メートル以内くらいしか周りが見えないので、彼らの顔は見えない。
 逆に向こうからこちらは見えるようだ。


「だ……誰だ!?お前達は」
「ああ。ごめん驚かせて」


 ヘンリーの威嚇するような声に応えたのは、金髪青眼。耳が横に長い絶世の美少年だった。


「「エ、エルフ……!!」」
「へっ!?こんなところで。すごいな!」
「おお。お前たち。結構な手練れだな。何しにきた?……ってこんなところまで来るんだ。どうせお目当ては、世界樹だろう?」
「はい。そうですけど」
「ふむ……、そちらの子供は不思議な感じだな。精霊に好かれそうだ。……いいだろう。着いてこい」
「えっ!?こんなすんなり?」
「まあな。心配しなくても、一応審査はしっかりしている。大丈夫だ」
「いえ。してませんけど……。」
「そこは、少しはしろよ。若造!」
「あ、ああ。すみません」

 
 そうこう話をしていると、世界樹のところに着いた。


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