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3章⭐︎新しい家族から学ぶ帝王学編⭐︎
市場の商品、買い占めてみた
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-side リアム-
エルフの美少年につれて行かれた先には、大きな木があった。木の周りには町が出来ていて、賑やかである。
「おおっ。ここもエルフの里に通じる入り口だったのか。それにしても、エルフの里なんて、久しぶりに来たぞ。」
「俺もだ。ちょうど上級ポーション切らしていたところだったから、助かる。」
「その感じだと、大人2人は、以前うちの里に来たことある感じだね。少年は……、流石に無いよなあ。」
「う、うん。この感じだと、入り口が他にもあるとかか?」
「察しがいいな。火の精霊サラマンダー様、風の精霊シルフ様、水の精霊ウンディーネ様、土の精霊ノーム様がそれぞれ、入り口をお作りになっている。」
「おおー!」
これぞ、まさにファンタジーと言った感じである。どうせなら、四大精霊に、1度でもいいから、会ってみたいものだ。
「今日は、珍しく四大精霊全員が、ご機嫌な様子だな。自然の様子が生き生きとしている。」
「へー。」
俺にはよく分からない。--けど、ここは、風が心地よくて、いい場所だと思う。
「わあ!」
「着いたぞ。」
大きな木とそれを囲む美しい湖。
これぞ世界樹。
「それで、お前さんたちの目的は、なんだ?」
「あ、そうだった。あの上に行くと、この世界の全てが見渡せるのは、本当ですか?」
「本当--、だと言われている。俺は、実際に行ったことがないから、分からないが。
お前らの、目的は何だ?」
「ヨルムンガルドを探しているんだ。」
「ヨルムンガルドっていうと、あの毒蛇か。
……なんでまた?」
「それは、兄弟なんだ。俺の従魔の。」
「兄弟?ヨルムンガルドの兄弟っていうと……、フェンリルか。」
「よくご存知で。」
「ほおーーん。俄には信じ難いが、嘘をついている気配もない。分かった。信じるよ。
ただし、フェンリルを連れてこい。本人がいた方が絶対に良いからな。」
「分かった。シルバー。出てきて良いよ?」
「そうか、今すぐには無理か。へ--?」
『おお……。これは、懐かしい空気だのう。
世界樹か。』
「フェンリル……。本物だ。」
『ぬ?エルフか。』
「は、はいっ!」
「あははっ!そう警戒しなくても大丈夫だぞ。
シルバーはいい奴だからな。」
レオンが、安心させるように言った。
俺も、いきなり出して悪いことしたな。
まさか、出てくるとは思わなかったのだろう。
「ごめん。えっと……、あ、そういえば、名前聞いてなかった。」
「--!あ、そうか。自己紹介が遅れたな。俺の名前はエド。この里で、門番をしている。よろしくな。」
「よろしく。俺の名前は、リアムだ。こっちは、師匠のレオンと、父親のヘンリー。従魔のシルバーだ。」
「よろしくな。」「よろしく頼む。」
「おう。それじゃ、気を取り直して。これから、お前達には、長老のところへ行ってもらう。世界樹の事なら、なんでも知ってるからな。」
「分かった。--っと、その前に、市場に寄って、上級ポーションを買いたいんだが、いいか?」
「もちろんだ。最近、ポーションが、余りがちになってしまっていてな。良ければ、沢山買って行ってくれると、里の人間としては、とても助かるな。
俺の客人って事にしとけば、値下げしてくれるからさ。よろしく頼む。」
「まじか!リアム。お前、巨大な収納魔法持っているよな?」
「う、うん。」
まあ、食堂なんだけど。
「よっし。いっちょ、爆買いと行きますか!」
「俺も、リアムに持ってるんだったら、良い機会だし、大量に仕入れるか。」
ちょっと待って。2人が本気出したら、市場から、ポーション無くなるんじゃ……。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
--無くなりました。
「ちょっと、やり過ぎたか?」
「やり過ぎたな。」
「やり過ぎたね。」
「やり過ぎってレベルじゃねえだろ。
お前ら。」
エドがドン引いている。
それもそのはず、市場で余っている上級ポーションや、魔法薬、その他、珍しい物をすすめるがままに、片っ端から買い漁ったのだ。
あまりに、買っていたので、市場のお偉いさんが出てきて、直接販売してくれるという、人間が住む場所でも、経験したことのない出来事が起こった。
「あはは。実は俺たち、貴族なんだ。
ヘンリーとレオンは、Sランクの冒険者でもあるんだよ。」
「ああ、そういう事か。まあ、途中から薄々気付いてはいたが。」
「いや、俺たちも、まさか、ここまで帰るとは思えなかった。リアムの収納がそこまで入るとは……。」
「あっ--!そう。そこだよ。お金の出どころよりは、リアムの収納の大きさにみんな驚いていた。
うちの市場で働かないか?--って、人間のお貴族様じゃ無理か。
勿体ねえなあ。宝の持ち腐れだ。」
「あはは。そうだね。でも、ありがたいお誘いだな。もしうちが没落したら、頼むよ。」
「おい。我が息子よ。縁起でもないこと言わないでくれ。」
「ふっ--。そんなことは置いておいて。」
「そんな事?レオンまで。」
「そろそろ、長老のところへ向かいたい。
挨拶もしておきたいからな。」
「お、そうだな。それが1番の目的だったか。
これだけ、騒ぎになったんだ。当然、長老の所にも、話がいっているだろうよ。気のいい人だから、歓迎されると思うぜ。」
「だといいがな。」
こうして、エルフの里に着いた俺たちは、長老のところへ向かうのだった--。
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エルフの美少年につれて行かれた先には、大きな木があった。木の周りには町が出来ていて、賑やかである。
「おおっ。ここもエルフの里に通じる入り口だったのか。それにしても、エルフの里なんて、久しぶりに来たぞ。」
「俺もだ。ちょうど上級ポーション切らしていたところだったから、助かる。」
「その感じだと、大人2人は、以前うちの里に来たことある感じだね。少年は……、流石に無いよなあ。」
「う、うん。この感じだと、入り口が他にもあるとかか?」
「察しがいいな。火の精霊サラマンダー様、風の精霊シルフ様、水の精霊ウンディーネ様、土の精霊ノーム様がそれぞれ、入り口をお作りになっている。」
「おおー!」
これぞ、まさにファンタジーと言った感じである。どうせなら、四大精霊に、1度でもいいから、会ってみたいものだ。
「今日は、珍しく四大精霊全員が、ご機嫌な様子だな。自然の様子が生き生きとしている。」
「へー。」
俺にはよく分からない。--けど、ここは、風が心地よくて、いい場所だと思う。
「わあ!」
「着いたぞ。」
大きな木とそれを囲む美しい湖。
これぞ世界樹。
「それで、お前さんたちの目的は、なんだ?」
「あ、そうだった。あの上に行くと、この世界の全てが見渡せるのは、本当ですか?」
「本当--、だと言われている。俺は、実際に行ったことがないから、分からないが。
お前らの、目的は何だ?」
「ヨルムンガルドを探しているんだ。」
「ヨルムンガルドっていうと、あの毒蛇か。
……なんでまた?」
「それは、兄弟なんだ。俺の従魔の。」
「兄弟?ヨルムンガルドの兄弟っていうと……、フェンリルか。」
「よくご存知で。」
「ほおーーん。俄には信じ難いが、嘘をついている気配もない。分かった。信じるよ。
ただし、フェンリルを連れてこい。本人がいた方が絶対に良いからな。」
「分かった。シルバー。出てきて良いよ?」
「そうか、今すぐには無理か。へ--?」
『おお……。これは、懐かしい空気だのう。
世界樹か。』
「フェンリル……。本物だ。」
『ぬ?エルフか。』
「は、はいっ!」
「あははっ!そう警戒しなくても大丈夫だぞ。
シルバーはいい奴だからな。」
レオンが、安心させるように言った。
俺も、いきなり出して悪いことしたな。
まさか、出てくるとは思わなかったのだろう。
「ごめん。えっと……、あ、そういえば、名前聞いてなかった。」
「--!あ、そうか。自己紹介が遅れたな。俺の名前はエド。この里で、門番をしている。よろしくな。」
「よろしく。俺の名前は、リアムだ。こっちは、師匠のレオンと、父親のヘンリー。従魔のシルバーだ。」
「よろしくな。」「よろしく頼む。」
「おう。それじゃ、気を取り直して。これから、お前達には、長老のところへ行ってもらう。世界樹の事なら、なんでも知ってるからな。」
「分かった。--っと、その前に、市場に寄って、上級ポーションを買いたいんだが、いいか?」
「もちろんだ。最近、ポーションが、余りがちになってしまっていてな。良ければ、沢山買って行ってくれると、里の人間としては、とても助かるな。
俺の客人って事にしとけば、値下げしてくれるからさ。よろしく頼む。」
「まじか!リアム。お前、巨大な収納魔法持っているよな?」
「う、うん。」
まあ、食堂なんだけど。
「よっし。いっちょ、爆買いと行きますか!」
「俺も、リアムに持ってるんだったら、良い機会だし、大量に仕入れるか。」
ちょっと待って。2人が本気出したら、市場から、ポーション無くなるんじゃ……。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
--無くなりました。
「ちょっと、やり過ぎたか?」
「やり過ぎたな。」
「やり過ぎたね。」
「やり過ぎってレベルじゃねえだろ。
お前ら。」
エドがドン引いている。
それもそのはず、市場で余っている上級ポーションや、魔法薬、その他、珍しい物をすすめるがままに、片っ端から買い漁ったのだ。
あまりに、買っていたので、市場のお偉いさんが出てきて、直接販売してくれるという、人間が住む場所でも、経験したことのない出来事が起こった。
「あはは。実は俺たち、貴族なんだ。
ヘンリーとレオンは、Sランクの冒険者でもあるんだよ。」
「ああ、そういう事か。まあ、途中から薄々気付いてはいたが。」
「いや、俺たちも、まさか、ここまで帰るとは思えなかった。リアムの収納がそこまで入るとは……。」
「あっ--!そう。そこだよ。お金の出どころよりは、リアムの収納の大きさにみんな驚いていた。
うちの市場で働かないか?--って、人間のお貴族様じゃ無理か。
勿体ねえなあ。宝の持ち腐れだ。」
「あはは。そうだね。でも、ありがたいお誘いだな。もしうちが没落したら、頼むよ。」
「おい。我が息子よ。縁起でもないこと言わないでくれ。」
「ふっ--。そんなことは置いておいて。」
「そんな事?レオンまで。」
「そろそろ、長老のところへ向かいたい。
挨拶もしておきたいからな。」
「お、そうだな。それが1番の目的だったか。
これだけ、騒ぎになったんだ。当然、長老の所にも、話がいっているだろうよ。気のいい人だから、歓迎されると思うぜ。」
「だといいがな。」
こうして、エルフの里に着いた俺たちは、長老のところへ向かうのだった--。
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