3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中

文字の大きさ
59 / 85
3章⭐︎新しい家族から学ぶ帝王学編⭐︎

市場の商品、買い占めてみた

しおりを挟む
-side リアム-



 エルフの美少年につれて行かれた先には、大きな木があった。木の周りには町が出来ていて、賑やかである。


「おおっ。ここもエルフの里に通じる入り口だったのか。それにしても、エルフの里なんて、久しぶりに来たぞ」
「俺もだ。ちょうど上級ポーション切らしていたところだったから、助かる」
「その感じだと、大人2人は、以前うちの里に来たことある感じだね。少年は……、流石に無いよなあ」
「う、うん。この感じだと、入り口が他にもあるとかか?」
「察しがいいな。火の精霊サラマンダー様、風の精霊シルフ様、水の精霊ウンディーネ様、土の精霊ノーム様がそれぞれ、入り口をお作りになっている」
「おおー!」


 これぞ、まさにファンタジーと言った感じである。どうせなら、四大精霊に、1度でもいいから、会ってみたいものだ。


「今日は、珍しく四大精霊全員が、ご機嫌な様子だな。自然の様子が生き生きとしている」
「へー」


 俺にはよく分からない。--けど、ここは、風が心地よくて、いい場所だと思う。


「わあ!」
「着いたぞ」


 大きな木とそれを囲む美しい湖。
 これぞ世界樹。


「それで、お前さんたちの目的は、なんだ?」
「あ、そうだった。あの上に行くと、この世界の全てが見渡せるのは、本当ですか?」
「本当--、だと言われている。俺は、実際に行ったことがないから、分からないが。お前らの、目的は何だ?」
「ヨルムンガルドを探しているんだ」
「ヨルムンガルドっていうと、あの毒蛇か。……なんでまた?」
「それは、兄弟なんだ。俺の従魔の」
「兄弟?ヨルムンガルドの兄弟っていうと……、フェンリルか」
「よくご存知で」
「ほおーーん。俄には信じ難いが、嘘をついている気配もない。分かった。信じるよ。ただし、フェンリルを連れてこい。本人がいた方が絶対に良いからな」
「分かった。シルバー。出てきて良いよ?」
「そうか、今すぐには無理か。へ--?」
『おお……。これは、懐かしい空気だのう。世界樹か』
「フェンリル……。本物だ」
『ぬ?エルフか』
「は、はいっ!」
「あははっ!そう警戒しなくても大丈夫だぞ。
 シルバーはいい奴だからな」


 レオンが、安心させるように言った。
 俺も、いきなり出して悪いことしたな。まさか、出てくるとは思わなかったのだろう。


「ごめん。えっと……、あ、そういえば、名前聞いてなかった」
「--!あ、そうか。自己紹介が遅れたな。俺の名前はエド。この里で、門番をしている。よろしくな」
「よろしく。俺の名前は、リアムだ。こっちは、師匠のレオンと、父親のヘンリー。従魔のシルバーだ」
「よろしくな」「よろしく頼む」
「おう。それじゃ、気を取り直して。これから、お前達には、長老のところへ行ってもらう。世界樹の事なら、なんでも知ってるからな」
「分かった。--っと、その前に、市場に寄って、上級ポーションを買いたいんだが、いいか?」
「もちろんだ。最近、ポーションが、余りがちになってしまっていてな。良ければ、沢山買って行ってくれると、里の人間としては、とても助かるな。俺の客人って事にしとけば、値下げしてくれるからさ。よろしく頼む」
「まじか!リアム。お前、巨大な収納魔法持っているよな?」
「う、うん」


 まあ、食堂なんだけど。


「よっし。いっちょ、爆買いと行きますか!」
「俺も、リアムに持ってるんだったら、良い機会だし、大量に仕入れるか」


 ちょっと待って。2人が本気出したら、市場から、ポーション無くなるんじゃ……。


 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢


 --無くなりました。
 

「ちょっと、やり過ぎたか?」
「やり過ぎたな」
「やり過ぎたね」
「やり過ぎってレベルじゃねえだろ。お前ら」


 エドがドン引いている。
 それもそのはず、市場で余っている上級ポーションや、魔法薬、その他、珍しい物をすすめるがままに、片っ端から買い漁ったのだ。
 あまりに、買っていたので、市場のお偉いさんが出てきて、直接販売してくれるという、人間が住む場所でも、経験したことのない出来事が起こった。


「あはは。実は俺たち、貴族なんだ。ヘンリーとレオンは、Sランクの冒険者でもあるんだよ」
「ああ、そういう事か。まあ、途中から薄々気付いてはいたが」
「いや、俺たちも、まさか、ここまで帰るとは思えなかった。リアムの収納がそこまで入るとは……」
「あっ--!そう。そこだよ。お金の出どころよりは、リアムの収納の大きさにみんな驚いていた。うちの市場で働かないか?--って、人間のお貴族様じゃ無理か。勿体ねえなあ。宝の持ち腐れだ」
「あはは。そうだね。でも、ありがたいお誘いだな。もしうちが没落したら、頼むよ」
「おい。我が息子よ。縁起でもないこと言わないでくれ」
「ふっ--。そんなことは置いておいて」
「そんな事?レオンまで」
「そろそろ、長老のところへ向かいたい。挨拶もしておきたいからな」
「お、そうだな。それが1番の目的だったか。これだけ、騒ぎになったんだ。当然、長老の所にも、話がいっているだろうよ。気のいい人だから、歓迎されると思うぜ」
「だといいがな」


 こうして、エルフの里に着いた俺たちは、長老のところへ向かうのだった--。


---------------------------------
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。 日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。 両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日―― 「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」 女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。 目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。 作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。 けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。 ――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。 誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。 そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。 ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。 癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

町工場の専務が異世界に転生しました。辺境伯の嫡男として生きて行きます!

トリガー
ファンタジー
町工場の専務が女神の力で異世界に転生します。剣や魔法を使い成長していく異世界ファンタジー

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

処理中です...