39 / 48
2章3〜4歳
領地を巡ろう
しおりを挟む
―side アクシア―
「あははははは!はやいはやーい!」
俺は今白虎さんに乗って領地を移動している最中だ。後ろからはエリックが青龍様に乗ってやってきている。初めてで青龍様に乗りこなせるエリックはやっぱりすごい。本当になんでこんな辺境で子守りなんてやっているんだろう?彼はもっと大きな舞台で勝負するべきだ。いや、俺がその舞台に彼を連れていってあげよう。
なーんて言うけど俺のパパンの領地はつい最近まで結構貧乏だった。辺境を任されているため、軍事費として補助金が出ていたらしいが、それも領地を運営するのにギリギリの額。最近プラスチック事業が軌道に乗ったっためやっとその状況から抜け出せたのである。
そんな経緯があるから、おそらく俺たちの領地は至る所がボロボロだろう。実態把握のために俺たちが乗り出したってわけ。
「おー町が見えていた」
シュタイン辺境伯には3つの商業都市と、5つの人が住む町がある。住んでいる人は軍人とその家族が大半だ。ど偏見だけど、脳筋な領地だと思います。
「結構大きいですね」
「中々、栄えているのではないか?」
目の前にはガヤガヤと騒がしい商店街が見える。
その後ろには豪華な建物。あれが領主の館かな?
それにしても、これだけ騒がしい商業都市を保有しているのなら、うちの町は思ったよりも安泰みたい。
いや、まだ油断するのは早い。
領地の良し悪し--すなわち豊かさを決めるのは売り上げの大きさではなく、純利益の大きさである。純利益が大きいと富が溜まっていくからである。大事なのは規模の大きさではなく、富の蓄積なのだ。
だから実際に町に住む色々な人の意見を聞くまでは、判断はできない。
「失礼しまーす」
「これはこれは僕、迷子?どうしたの?」
「あれ?エリックは?」
俺は後ろを振り返る。すると、遠くからもの凄い勢いでこちらを追ってきているエリックと青龍様が目に入ってきていた。
「エリック?ギャーーー!ど、ドラゴン」
「あっ!大丈夫!あれ、家族家族!」
「家族?あっ!もしかして、今日来ることになっていたアクシア様とエリック様!?」
「そー」
「お、お待ちしておりました!すぐに上のものの元へ案内いたします!」
事前根回しを父上に頼んでおいて良かった。
このようにいきなりじゃ驚かされるからね。
ママが絶対やりなさいって鬼のような顔をして言っていたって言うのもある。むしろ、それが大半の理由だ。
最初はお忍びで行こうとしていたからね。もしあのまま本当にお忍びで行こうとしていたら……おーこわ。
それはそれとして、俺たちはこのまま、この町の領主代行に挨拶しに行くのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「あははははは!はやいはやーい!」
俺は今白虎さんに乗って領地を移動している最中だ。後ろからはエリックが青龍様に乗ってやってきている。初めてで青龍様に乗りこなせるエリックはやっぱりすごい。本当になんでこんな辺境で子守りなんてやっているんだろう?彼はもっと大きな舞台で勝負するべきだ。いや、俺がその舞台に彼を連れていってあげよう。
なーんて言うけど俺のパパンの領地はつい最近まで結構貧乏だった。辺境を任されているため、軍事費として補助金が出ていたらしいが、それも領地を運営するのにギリギリの額。最近プラスチック事業が軌道に乗ったっためやっとその状況から抜け出せたのである。
そんな経緯があるから、おそらく俺たちの領地は至る所がボロボロだろう。実態把握のために俺たちが乗り出したってわけ。
「おー町が見えていた」
シュタイン辺境伯には3つの商業都市と、5つの人が住む町がある。住んでいる人は軍人とその家族が大半だ。ど偏見だけど、脳筋な領地だと思います。
「結構大きいですね」
「中々、栄えているのではないか?」
目の前にはガヤガヤと騒がしい商店街が見える。
その後ろには豪華な建物。あれが領主の館かな?
それにしても、これだけ騒がしい商業都市を保有しているのなら、うちの町は思ったよりも安泰みたい。
いや、まだ油断するのは早い。
領地の良し悪し--すなわち豊かさを決めるのは売り上げの大きさではなく、純利益の大きさである。純利益が大きいと富が溜まっていくからである。大事なのは規模の大きさではなく、富の蓄積なのだ。
だから実際に町に住む色々な人の意見を聞くまでは、判断はできない。
「失礼しまーす」
「これはこれは僕、迷子?どうしたの?」
「あれ?エリックは?」
俺は後ろを振り返る。すると、遠くからもの凄い勢いでこちらを追ってきているエリックと青龍様が目に入ってきていた。
「エリック?ギャーーー!ど、ドラゴン」
「あっ!大丈夫!あれ、家族家族!」
「家族?あっ!もしかして、今日来ることになっていたアクシア様とエリック様!?」
「そー」
「お、お待ちしておりました!すぐに上のものの元へ案内いたします!」
事前根回しを父上に頼んでおいて良かった。
このようにいきなりじゃ驚かされるからね。
ママが絶対やりなさいって鬼のような顔をして言っていたって言うのもある。むしろ、それが大半の理由だ。
最初はお忍びで行こうとしていたからね。もしあのまま本当にお忍びで行こうとしていたら……おーこわ。
それはそれとして、俺たちはこのまま、この町の領主代行に挨拶しに行くのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
194
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
『規格外の薬師、追放されて辺境スローライフを始める。〜作ったポーションが国家機密級なのは秘密です〜』
雛月 らん
ファンタジー
俺、黒田 蓮(くろだ れん)35歳は前世でブラック企業の社畜だった。過労死寸前で倒れ、次に目覚めたとき、そこは剣と魔法の異世界。しかも、幼少期の俺は、とある大貴族の私生児、アレン・クロイツェルとして生まれ変わっていた。
前世の記憶と、この世界では「外れスキル」とされる『万物鑑定』と『薬草栽培(ハイレベル)』。そして、誰にも知られていない規格外の莫大な魔力を持っていた。
しかし、俺は決意する。「今世こそ、誰にも邪魔されない、のんびりしたスローライフを送る!」と。
これは、スローライフを死守したい天才薬師のアレンと、彼の作る規格外の薬に振り回される異世界の物語。
平穏を愛する(自称)凡人薬師の、のんびりだけど実は波乱万丈な辺境スローライフファンタジー。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~
草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。
勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。
だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。
勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。
しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ!
真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。
これは少女と世話焼き神獣の癒しとグルメに満ちた気ままな旅の物語!
聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
出来損ないと追放された俺、神様から貰った『絶対農域』スキルで農業始めたら、奇跡の作物が育ちすぎて聖女様や女騎士、王族まで押しかけてきた
黒崎隼人
ファンタジー
★☆★完結保証★☆☆
毎日朝7時更新!
「お前のような魔力無しの出来損ないは、もはや我が家の者ではない!」
過労死した俺が転生したのは、魔力が全ての貴族社会で『出来損ない』と蔑まれる三男、カイ。実家から追放され、与えられたのは魔物も寄り付かない不毛の荒れ地だった。
絶望の淵で手にしたのは、神様からの贈り物『絶対農域(ゴッド・フィールド)』というチートスキル! どんな作物も一瞬で育ち、その実は奇跡の効果を発揮する!?
伝説のもふもふ聖獣を相棒に、気ままな農業スローライフを始めようとしただけなのに…「このトマト、聖水以上の治癒効果が!?」「彼の作る小麦を食べたらレベルが上がった!」なんて噂が広まって、聖女様や女騎士、果ては王族までが俺の畑に押しかけてきて――!?
追放した実家が手のひらを返してきても、もう遅い! 最強農業スキルで辺境から世界を救う!? 爽快成り上がりファンタジー、ここに開幕!
過労死して転生したら『万能農具』を授かったので、辺境でスローライフを始めたら、聖獣やエルフ、王女様まで集まってきて国ごと救うことになりました
黒崎隼人
ファンタジー
過労の果てに命を落とした青年が転生したのは、痩せた土地が広がる辺境の村。彼に与えられたのは『万能農具』という一見地味なチート能力だった。しかしその力は寂れた村を豊かな楽園へと変え、心優しきエルフや商才に長けた獣人、そして国の未来を憂う王女といった、かけがえのない仲間たちとの絆を育んでいく。
これは一本のクワから始まる、食と笑い、もふもふに満ちた心温まる異世界農業ファンタジー。やがて一人の男のささやかな願いが、国さえも救う大きな奇跡を呼び起こす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる