婚約者の姉を婚約者にしろと言われたので独立します！

26.完璧の私～イライザside

私の名前はイライザ・ステンシル。
名門侯爵家の長女で、侯爵家の跡継ぎとなることが決まっていた。


幼少期に第二王子殿下と婚約を結び、美しい母にうり二つの私は社交界でも美しいともてはやされていた。


けれど私が美しいのは外見が美しいだけではない。
血筋が高貴だからこそだ。


侯爵家の長女と生まれ、王族に嫁ぐことも可能な高貴な血筋。
美しい容姿と教養高く、社交界の華と呼ばれるように相応しい振る舞いをして来たから。


本体ならば私は王太子妃になるはずだったが、国の掟で長子が跡継ぎになると定められていた。

我が家には男子がいない。
分家筋も女ばかりで、お母様は分家筋を当主にするのを反対していた。

だからこそ、私が女侯爵となり貴族の頂点に立つべきだと思っていたのだろう。

侯爵家の跡継ぎとして相応しい振る舞いをして、常に堂々と降るまうも。
家族関係は良好で、両親は私を大切にしてくれているし、姉妹関係も良好だった。

ただ問題はすぐ下の妹のアイリスだ。
私もローズマリーもお母様の容姿に似ているのに対して、アイリスは少し地味だった。

醜女とは言わないけどパッとしない。
貴族令嬢として立ち振る舞いも完璧にこなせない。

侯爵家に稀ながら、何故なの？

私は苛立ちながらも姉として妹を守ってやらなくてはならず。

優しく接した。

アイリスは王子妃になる事も、高位貴族に嫁げない。
我が家に泥をぬるだけだろうから、せめて社交界で人並み程度に振舞えるようにとアドバイスを上げた。


その下のローズマリーはできるのに、アイリスは出来が悪すぎた。
何をしてもダメで。

だから、お父様の仕事の補佐や学問をするしかなかった。
幸いにもアイリスは我儘を言わない子だったし、私が王宮に行くときは同行させた。

姉妹同士不仲だと思われるのは良くないし、私がアイリスを社交界に溶け込めるようにと色々アドバイスしてあげればいいわ。


なんだったら王宮で侍女として働けるように口添えをしてあげようと思った。

アイリスは可哀想な子だから。

完璧な一族に間違って生まれて来た哀れな子。

美しくもなく、何一つ優れていない。

でも姉として妹を守ってやらなくてはと思い、ドレスだって似合うのを選んであげたわ。

アイリスは目立つ色は似合わないからできるだけ地味な色を。

ローズマリーは私とは異なる華やかさがあるからバランスを取る為にもアイリスは地味な装いの方が見た目が良かった。


私は長女として妹達を愛してあげていたのに。