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61物の価値
しおりを挟む全身から血を流しながらも幸せそうな表情のジェミニさん。
「この品々は加護があります。物に精霊が宿っています」
「付喪神的な?」
「はい、物には思いが宿ります。特に大事にされればされる程に」
この世界に付喪神って存在するんだ?
前世では呪いの人形とかもあったしな。
「呪われたり?」
「まぁ、粗末に扱えば魂をすいとったり…不幸にすることも」
「疫病神と疫病神か!」
待てよ?
私も同じ目に合うのか?
神様が宿る宝刀なら、丁重に扱わなかったら…
「しかしこの品は見事としかいいようがありません。オリハルコンの原石を使われています…ここまで研ぎ澄ませることができるのはドワーフの中でも鍛冶神の加護を持つ方のみです!」
「へぇー…そんなにすごいんだ」
「すごいなんてものではありません!戦上手の神々の武器を作った男神なのです」
私はその辺の神話の事は詳しくないんだよね。
正直聖剣だとか魔剣とか興味ないし。
「ですが通常、魔剣などは常に輝くことはりません。力を放つために人間の魂を吸わせて一度発動するのみ」
「もはやオカルトチック!」
聞かなきゃ良かった。
魔剣ってそんなに物騒なの?
「聖剣も似たようなものですね。聖なる力の源は若い巫女を生贄にしますので。大量の血を注ぎます…方法として」
「聞いていないから!」
そんな血なまぐさいの聞きたくない。
「これは私の推測ですが、物は使ってなんぼ。大切に使えば呪うような真似はしないかと」
「本当に?」
「ええ…その証拠に刃の光が素晴らしい…ああ、こんな美しい剣で切られてみたい」
やっぱり変人だ!
できるだけ近くに行くのは止めよう。
「アンリ、この品々は君が持っていてこそ役目を発揮するのではないか?ならば手放してはダメだ」
「いいの?」
「ああ、兄上にはそれとなく俺から伝えよう」
こうして私は七聖剣を手放すことはなくなった…
というか、私以外の人が触れると何故か包丁が石化してしまったのだ。
ジェミニさん曰く。
「生きた剣ですからね。持ち主を選びますよ…このケースは命を吸い取られます」
やっぱりとんでもない品だったんじゃないか!
とりあえず私以外が触らないように声掛けをしておこう。
しかし、七聖剣を持っていることは瞬く間に噂になった。
その所為でマリンフール王国との同盟を結びたいと言う国が増えてしまっててんてこ舞いになってしまった。
同時に私の存在も噂に尾ひれがついてしまったことをまだ知ることはなかった。
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