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60変人エルフ
しおりを挟むこの世には変人が多い。
天才と変人は紙一重と聞くけど、本当にいた。
「ああ、なんてことでしょう。こんなに見事な品は初めてです!千年生きていて良かった!」
残念美形が涙と鼻水を流しながら訴える姿は正直見ていてきついな。
「何あれ」
「我が国のエルフ族の族長だ」
「エルフ…」
「ちなみにだギルドマスターでアルベールの上司だ」
「へー…」
あの生真面目なアルベールさんの。
「しばらくサボテンのようになって眠っている間にこんな素晴らしいお宝を!」
「サボテンって何?」
「敵国から襲撃を受けてサボテン同然になり氷漬けにされていたそうだ」
なんの拷問?
それともあの人の趣味なのか。
見た感じマゾっぽそうだけど。
「ああ、アレク様。私はもう思い残すことはありません」
「鑑定は」
「疑うことなく本物です。特にこの鍬はオリハルコンの原石を使われています。そんじょそこらの魔法の杖なんてガラクタに見えますね。これ一本で国を買い取ってもお釣りが来ます!」
そんなに高価な品だったの?
普通に畑を耕したり、時々パパが背中をかくのに使っていたんだけど。
「この七聖剣も素晴らしいです。この剣一つでSランクの魔物を葬れます」
そういいながら丁寧に触れたのは一番小さなフルーツナイフだ。
「生きている間にこんなお宝を触れるなんて…あああ!私は…私はぁぁぁ!」
「体から汁を出してるんだけど」
「感激すると大量の汁を出すんだ。おい、ジェミニ。いい加減にしろ」
「ああ!どうしましょう」
私は人種差別をする気はないけど。
ドン引きだわ。
「ここに従魔がいなくて良かった」
「いたらどうなるの?」
「感激して更に汁を出すだろう」
ギルドの所用でいなくてよかったと安堵するも…
「姫様!」
「タイミング悪い」
「ああ…」
遠出をしていたはずのギルド達が帰って来た。
アルフ達の背中に乗ってだ。
「はわわ!何ですか!あの素敵な群れは!フェンリルぅぅ!」
「おいジェミニ!」
アルフ達に突っ込んでいく変態エルフさん。
なのだけど。
「あああああ!」
アルフがパンチを食らわせ、その後ろにいたハチが頭を加えて小さなフェンリルの前に放り投げガブガブされている。
「ねぇ、変人じゃなくて変態じゃない?」
「変人変態だな」
本人は嬉しそうにしているけどカオスだな。
しばらく近づくのは止めよう。
できれば関わりたくないな。
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