令嬢は大公に溺愛され過ぎている。

ユウ

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証言者

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リューバリー伯爵夫人。
伯爵の中で地位はそれほど高くなく、地方出身だった。


「私の娘を随分といたぶってくれたようで」

不敵に微笑むリューバリー伯爵夫人の目は冷たかった。


「なんのことですの?」

「お茶会で火傷を負わせた娘をお覚えていらしたかしら?お茶がまずいと言ってお茶をかけて娘は火傷をおって、傷物になりましたわ」


「身に覚えがございません」

これまで侍女に難癖つけたことは数え切れず一々覚えていない。

「本当に都合のいい頭。ですが証拠はありますわ。貴女がこれまで散々侍女に嫌がらせをしたことを」

バンッ!!

書類の束を叩きつける。


「こんなの証拠だけで犯人扱いとは!」

まだ証拠としては甘い。
逃げ場は十分にあるルクレチアだった。


「よろしいでしょうか?」

「よかろう」

リューバリー夫人は王とセラフィーヌに許可を取ると二人は頷く。


そこに現れたのは侍女のジェーンとスザンヌが現れる。


「あっ…貴女達」


二人の登場にカテリーナは驚く。
数日前の出来事をここで話すつもりなのかと不安になる。


そんなカテリーナの不安も知らず、余裕の微笑を浮かべるルクレチアは二人が自分より格下の身分ならば不利になるようなことは言わないだろうと思った。

そんなことをすればどうなるか解るのだからと、高を括っていたのだ。

「二人は当時現場にいたそうです。彼女達に直接聞いくのが妥当でしょう?」

「いいでしょう」


ルクレチアは何もできるはずがないと思いながら二人が発言するのを待った。


「先程のお言葉はすべて事実です」

「は?」

「プライム伯爵夫人はジーナ令嬢に熱いお茶をかけ火傷を負わせました」


凛とした瞳ではっきりとした口調で言い放つ。


「彼女だけではありません。ご夫人は平民出身の官僚補佐に陰湿な言いがかりを言い放ち。アレーシャ令嬢の噂をあることないことを言い放ちました」


「お前!!」


ルクレチアはジェーンを睨みつける。

「そんなことを言ってただで済むと思っているの!!私の手にかかれば…」

「ジーナ嬢のようになさって結構です。私もアレーシャ嬢に仕事を押し付けカテリーナ様と同じように人としてしてはならないことをしてしまいました」

「どのような裁きも謹んでお受けします」

膝をつき頭を下げる二人。
温情をかけられ降格ということになったが、今度ばかりは免れない。


「ですが最後にもう一言お許しいただけますか?」

「よかろう。王太后として許そう」

「ありがとうございます」

胸を抑えて前を見据える。


「カテリーナ様は宮廷でアレーシャ様の悪い噂を流しておりました。その噂を聞いて私達はアレーシャ様を軽視し無礼を働きました」

ジェーンがこれまでの出来事を全て話し始める。

「やめなさい!!」

カテリーナが止めようとするがジェーンはこれまでにないほど強い意志を持つて言葉を放つ。

「あの夜も私達は失態を犯し王女殿下の花壇を枯らしてしまいました。そこでカテリーナ様に助けを求めました」


「ですが、カテリーナ様は花壇に私を突き飛ばし扇で顔を殴り花と一緒に私の手を踏みつけられました」


「やめろと言っているのよ!」

癇癪を起すカテリーナだったが二人は止めなかった。


ジェーンとスザンヌは殴られるのを承知で覚悟を決める。


「カテリーナ様は宮廷の侍女に嫌がらせをしていたのは事実です」

「ジーナ令嬢がプライム夫人に火傷を負わされたのも事実です!私達が証人です!」

王と王太后に最後の言葉を告げた。



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