【完結】聖女を愛する婚約者に婚約破棄を突きつけられましたが、愛する人と幸せになります!

ユウ

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第一章光の少年と癒しの歌姫

10歌姫の勤め

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それから数日後。
国内各地で干ばつが続き、水不足問題となった。

その所為で南部の領地が直接的な被害を受けた。
作物は育たず、日照りが続いた事で井戸が枯れ始めた。

いよいよ、この状況下がどれだけ深刻な状況なのか気づき始めた学園に通う生徒達。


雨を降らすべく雨乞いの儀式が行われたが、雨が降る事はなかった。

儀式は天に祈りを歌姫が歌を捧げる事により空から雫が落ちるが、オンディーヌがその役目を担っていた。


特に今生の聖琴の使い手は一人だけだった。

しかも神に捧げる歌は祈りと同じで、邪念や、私欲があってダメだった。



その為、歌を捧げた者達は。


「これだけいて雫一つ落ちないとは」

「それどころか地面に亀裂が生じています」


あの冤罪により、オンディーヌを吊るし上げに協力した生徒達だった。


今回の事件により責任を取り、雨を降らせるように命じられたのだが…


「もう…ダメです」

「魔力がもうありません」


既に七時間も休みなく魔力を込めて音楽を奏でる者。

歌う者と様々だったが大地を潤す事は出来なかった。


「これでも宮廷楽団か…」

「歌姫は一瞬で雨を降らせていたと言うのに」

「やはり凡人と天才の違いか」


ヒソヒソ囁く貴族達に屈辱を受ける生徒達。


「あんな歌うしか能がない女に」

「こんな…」


今まで音楽を奏でるしかできないと馬鹿にしていたオンディーヌが重宝されているのが許せなかった。


「何をしている?まだ終わっておらぬぞ」

「え?」


舞台に上がった生徒達は舞台から降りようとするも戻るように命じられる。


トランプ王国の王だった。


「雨が降るまで続けよ」

「ですが…」

「たかが数時間で何だ?オンディーヌは干ばつの領地に祈りを捧げる時は一日がかりだった事もある。しかも幼少の頃からな」


「ですが…」

既に魔力はほとんどない。
この状態で歌っても雨なんて降るはずがない。

そもそも雨を降らせるなんて無理だとおもっいていたのだから。

「祈りがたらぬのではないか」

「無理です」

「そんなもの関係ない、降るまで祈り歌い続けよ…我が国の歌姫を追放し、吊るし上げた罪だ。お前達は死んでも雨を降らせよ…雨降るまで休むことも許さぬ」


今でこそ完璧な歌姫だったオンディーヌだが、最初っからそうだったわけではない。
幼少期から厳しい練習を行い、現在に至る。

「オンディーヌは我が娘が病になれば昼夜問わず歌い、祈り、自分が倒れそうになっても続けた。歌姫とはそういうものだ…慈しみを持って歌を歌い…己の身を削るのだ」

「そんな…死んでしまいます」

「その歌姫を殺そうとしたのだ。当然であろう?」


聖王の称号を持つ程優れ慈愛に満ちていると言われたトランプ国王が暴君にも見えた瞬間だった。


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