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第一章光の少年と癒しの歌姫
28ローレライの姿
しおりを挟むシャボン玉を破られ私は海藻に拘束された。
ローレライの末裔故に海底は私の味方だったけど、様子がおかしい。
海藻は私達に敵意を向けているわけじゃない。
海藻で隠れた場所には珊瑚の周りに光が灯っている。
「これは星蛍?」
星のような輝きを放つ蛍から声が聞こえた。
『乙女よ…』
「この声…」
もしかして深海の女神様?
「女王陛下のアムピトリーテ様?」
『私は深海を治めるアムピトリーテ…ですが、既に私は眠りについています。そして夫も永眠してしまい、珊瑚が枯れてしまったのです』
「でも…」
『珊瑚の力を借りて貴女の魂に語りあけています。ですが…もう』
蛍の光が消えそうになる。
『お願いです。この蛍が消える時、海の光が消え、次は陸です』
「どうしたらいいんですか!お教えください」
『命の泉に力を…蛍たちを救えば…お願いです。最後の光が消える前に』
「陛下!」
聞こえなくなってしまった声。
もう時間はないないのは本当かもしれない。
海藻は私の拘束を解いている。
「命の泉…」
神話の時代に海底神殿にあると言われている。
「うっ…」
「レオ!」
珊瑚と体を繋げているレグルスは苦しみ始める。
(もう時間はない…お婆、ごめんなさい)
「オンディーヌ!何をする気だ!」
私はローレライの力を解放して人魚の姿になる。
「何をする気だい!止めな!」
「オンディーヌ!戻れ!」
(ごめんなさい…)
ローレライはセイレーンと異なり二つの加護を持つ。
水の加護と風の加護だった。
人魚の姿を持つセイレーンは文字通り人魚だが、ローレライは鳥と人魚の姿をしているのだった。
(レオ…待っていて)
命の泉を探し出し、必ず救わなくてはならない。
(私って本当に馬鹿ね…)
人魚は人間の男を愛した事で、命を失った。
人魚姫伝説がある。
愛する人の為に身を差し出したのだった。
(私は貴方が好きだったのね…だから)
今ならば愛の歌が歌える気がした。
悲しい歌ではなく愛が溢れる歌を最後に歌えるような気がした。
「ローレライの愛の歌を轟かせます。お守り代わりに借ります」
レグルスの腰に差している短剣を鞘事取る。
「待ってて、貴女の大切な物、すべて私が守ります」
そして大切な海を、愛する王女の未来を守るべく命がけの戦いが始まった。
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