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第一章廃嫡と婚約解消
閑話1北方三領貴族
しおりを挟む所変わって、ここは北方三領。
ランタニア王国開国前からこの領地に住まい、未だに王族に絶対の忠誠を持っていない彼等は独立を考えていると思われていた。
先王に従えども現国王に対して思う所が多かった彼は戦士であり軍人だった。
「馬鹿な真似を」
近いうちに北の領地に新たな領主としてフィルベルトを任せると手紙が届き憤りを感じた。
「王太子殿下を…自分の息子を体よく始末するとは何処まで最低なのだ」
「我ら戦士を侮辱するも等しいが、カーマイエル閣下」
「後見人として私に任せると…北は一番領地が広いが作物が育たず海だけだ。そこに追いやるとは殺す事だ」
北方三領土のリーダーでもあるペルセウス・カーマイエルは義理堅く情に厚い男でもある。
武人としても優れており彼を慕う騎士も少なく無いのだ。
「今回の婚約解消に関してもだ。王太子殿下ばかりに非難が殺到している…妙ではないか」
「普通は公爵令嬢であれど、守るのは王太子殿下であろう」
「やはりあの王は優先順位が解ってないと見る」
他の二人は以前より現国王に対して思う事が多かった。
「しかし、百聞は一見にしかず。ここで終わるならそれまでだ」
「納得すると言われるのか!」
「このような…」
二人は声を荒げるも、こちら側にもデメリットだけではない。
「改めて真意を問う事ができよう?何より我らにも利益はあるではないか」
「利益?」
「そうだ、現在の王族がどのような考えをしているか、国の行く末をどう考えているか」
彼等は国を思えばこそ行動して来た。
現国王に絶対の忠誠は誓っていなくとも国を乱そうとは思っていない。
「先代国王との約束がある。国が間違った方向に進んだ時」
「我らの手で止めて欲しいと」
「そうだな」
先代国王との約束があった。
その権利を与えられているので彼等は今も内乱を起こすことなくいたが。
王が間違った方向に進み、民を苦しめる君主は処分する特権を与えられていた。
「愚者か、賢者か我らで見極めればいい。愚者ならば解っているな」
「無論です」
「うつけな君主は要りません」
今までこの厳しい環境で共に生きていた三人は正義の為ならば血を流す事はいとわなかった。
しかし、二人に隠れながらペルセウスは懐に仕舞っていたペンダントを握りながら呟く。
「さてとお手並み拝見とさせていただきますぞ我が君」
その声を聞く者はいなかった。
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