悪役令嬢と弟が相思相愛だったのでお邪魔虫は退場します!どうか末永くお幸せに!

ユウ

文字の大きさ
32 / 129
第一章廃嫡と婚約解消

閑話3悪役令嬢の誤算②

しおりを挟む




友人を失った二人が待っていたのは社交界での非難と、辺境地の貴族からの糾弾だった。
辺境貴族は王族派であるが王太子に肩入れをしていた。


その理由は国を思えばこそだった。
未熟であるが、フィルベルトは国の要である辺境貴族を重宝していた。


彼等もまだまだ粗削りであるが、希望を抱いていた。
王都が最優先されるのは政治の場でもあるが、国の守りては辺境貴族の力なくして存在しない。

初代国王は建国時から辺境貴族を大切にしていたのだ。
彼等は王家への忠誠心が強かったからこそ、不遇な扱いも耐えていた。


フィルベルトは辺境地に住まう年老いた元騎士を士官学校に講師に招いたり、王都ないで腕は良いが身分の所為でくすぶっている若い見習い騎士を辺境地に派遣する等働きかけていた。


辺境伯爵のほとんどが優れた武人なので、彼等の元で鍛えれば戦力となる。
それ程に彼を信じていたのだ。


中央に忘れられた彼等は王太子が期待をしている。
それだけでも嬉しい事だった。

だが辺境地に視察に来るときはマリアンナは来なかった。
何時もフィルベルトと王弟に側近だけだった。


今回の事で彼等は完全に見限ったと言っても過言ではない。


王家に反旗を翻した謀反人と言う声も上がって来ていた。
このタイミングでナージャとエグバートが王都を去った事でマリアンナの立場は更に悪くなった。


同時に、マリアンナはアルセウスとの婚約が決まった。
卒業パーティーであれだけ騒がれたので婚約しない等という事はないのだが。


問題は、その本人にその気がなかったのだ。



「マリアンナ、お前とアルセウス殿下の婚約が正式に決まった」

「え…」

学園内でも社交界の噂になってはいるが、婚約をするとは思っていなかった。


「私とアルセウス様がですか」

「そうだ。婚約者を裏切ってまでも一緒になりたかったのだ…次期王太子にとエグバート殿下を推薦する声もあったのだが」

「エグバート様が!」


王弟の子供ならば王位継承権があるが既にその権利を返上をしているので本人も断ったのだ。


「そうなると、グレタ姫が立太子する事になるだろう」

「そんな…グレタ姫は!」

「そうだ。アルセウス様には王としての資質も、資格も器もない。そしてお前にも王太子妃の器がなかった。公爵家はフレデリカに継がせる」

「あんな余所者に!正気ですか…あんな里子に過ぎない血筋も悪い溝鼠に!」

「マリアンナ!」


キャトルは耐え切れず手を振り上げた。


「何という事を…なんて酷い事を」

「キャトル!」

「貴女は人の心を無くしたの?貴女はどうして!」


涙を浮かべ叫ぶキャトルを抱きしめるエクトルは冷たく言い放つ。

「やはりお前は…もう良い!しばらく部屋に見張りをつける」

「お父様」

「婚約式は一か月後だ。その前にフレデリカを公爵家の次期当主として発表する。お前を当主にする事は出来ない」


二人はそのまま立ち去って行く。
成す術もなくその場にしゃがみ込んだマリアンナは。


「ありえない…嘘よ。何で」


すべて計画通りだったが誤算が生じてしまい、幸せになるはずの未来は閉ざされてしまった。




しおりを挟む
感想 164

あなたにおすすめの小説

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

転生幼女は追放先で総愛され生活を満喫中。前世で私を虐げていた姉が異世界から召喚されたので、聖女見習いは不要のようです。

桜城恋詠
ファンタジー
 聖女見習いのロルティ(6)は、五月雨瑠衣としての前世の記憶を思い出す。  異世界から召喚された聖女が、自身を虐げてきた前世の姉だと気づいたからだ。  彼女は神官に聖女は2人もいらないと教会から追放。  迷いの森に捨てられるが――そこで重傷のアンゴラウサギと生き別れた実父に出会う。 「絶対、誰にも渡さない」 「君を深く愛している」 「あなたは私の、最愛の娘よ」  公爵家の娘になった幼子は腹違いの兄と血の繋がった父と母、2匹のもふもふにたくさんの愛を注がれて暮らす。  そんな中、養父や前世の姉から命を奪われそうになって……?  命乞いをしたって、もう遅い。  あなたたちは絶対に、許さないんだから! ☆ ☆ ☆ ★ベリーズカフェ(別タイトル)・小説家になろう(同タイトル)掲載した作品を加筆修正したものになります。 こちらはトゥルーエンドとなり、内容が異なります。 ※9/28 誤字修正

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

悪役令嬢の父は売られた喧嘩は徹底的に買うことにした

まるまる⭐️
ファンタジー
【第5回ファンタジーカップにおきまして痛快大逆転賞を頂戴いたしました。応援頂き、本当にありがとうございました】「アルテミス! 其方の様な性根の腐った女はこの私に相応しくない!! よって其方との婚約は、今、この場を持って破棄する!!」 王立学園の卒業生達を祝うための祝賀パーティー。娘の晴れ姿を1目見ようと久しぶりに王都に赴いたワシは、公衆の面前で王太子に婚約破棄される愛する娘の姿を見て愕然とした。 大事な娘を守ろうと飛び出したワシは、王太子と対峙するうちに、この婚約破棄の裏に隠れた黒幕の存在に気が付く。 おのれ。ワシの可愛いアルテミスちゃんの今までの血の滲む様な努力を台無しにしおって……。 ワシの怒りに火がついた。 ところが反撃しようとその黒幕を探るうち、その奥には陰謀と更なる黒幕の存在が……。 乗り掛かった船。ここでやめては男が廃る。売られた喧嘩は徹底的に買おうではないか!! ※※ ファンタジーカップ、折角のお祭りです。遅ればせながら参加してみます。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...