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第二章北方四島の絆
19戦友への思い
しおりを挟む赤自覚で俺はルーティン帝国に贈り物をした。
そして現在。
「フィルベルト様、当分は固いパンと具の無いスープです」
「解ってるよ!」
そんな恨みを込めた目で見るな。
借金して作った寝具だし、俺はしばらく質素な食事だ。
「悪いレック」
「必要な投資ですからいいですよ」
「いや、投資って…」
「これでルーティン帝国に恩を売れば倍になりますから」
黒い!
なんて腹黒い男だ!
「俺はだな…」
「当然ではありませんか。慈善事業で腹は膨れません」
解っているけど。
でも本当に俺はそんな思いはなく。
「ですがエセリラ皇女が帝位を継がないと戦争になる可能性が高いです」
「まぁ」
ルーティン帝国では世継ぎはエセリラ皇女と第二皇女のみだ。
王侯貴族の者を婿に貰う手はあるが、そうなったらこれまでの政権はひっくり返る。
ジューリア陛下は戦争は反対しているが、他の者はそうではない。
戦争を仕掛けて領地拡大を狙っているのだから。
「何より女が国を治めるのを反対している者は多いですからね」
「新しい時代の扉を開くには大きな改革が必要だ」
「ええ、その為にもエセリラ様が帝位を継いでいただかなくては」
幼い頃の約束を覚えているだろうか。
小さい頃シロツメクサが咲く場所で俺達は約束を交わした。
大人になったら君主になり、貴族平民関係なく飢えで苦しむことのない国作りをしようと。
俺達の子供の代では身分で生き方を決めるのではなく実力のある者が相応の役職につけるようにしたいと。
もう一人の同士である彼女と約束をしたんだ。
「大丈夫ですよフィルベルト様」
「そうか…」
覚えていてくれたら良いな。
そう言えば海を越えて直ぐの隣国、エリンデール王国。
国王は優しく少しばかり頼りなさを持つがあの国は、他民族の受け入れをしている。
差別意識がなく、王女も正義感の塊だったからな。
エセリラ皇女とは正反対だったな。
じゃじゃ馬ひねという言葉が相応しく、王女なのに軍人になると言っては周りを困らせていた気がする。
「どうしているかな」
「彼女は威勢が良いですからお元気でしょう」
「お前な…」
相手は一国の姫なのに本当に怖い物知らずな男だな。
「それはさて置き、フィルベルト様はステラとどうされるのですか」
「は?」
「良い関係だったのでは」
ここで聞くか?
ステラとの関係を今さらほじくり返すなんてないだろ。
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