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第二章北方四島の絆
20けじめ
しおりを挟むレックの言いたいことは解っている。
ステラとの関係だろうが、俺は彼女と関係を変える気はない。
「俺は少し前に彼女に伝えたよ。君とは戦友でいたいと」
「フィルベルト様…」
「元々俺は彼女に友人以上の思いを抱いていたが恋人になりたいと言う感情はなかった。憧れと少しの恋慕の情はあった…だが立場もある」
貴族と平民が結ばれるパターンは少ない。
男爵や子爵でも貴族の婚姻には国王陛下の承諾が必要だ。
俗にいう真実の愛を貫いた貴族もいるが、待っている現実は厳しい。
「これ以上裏切りたくないんだ」
「裏切られたのは貴方じゃないですか」
「だとしてもだ」
俺も精神的に辛かった。
そんな中で同じように苦しみを抱くステラに出会い、言葉を交わし、心を交わしたからこそ芽生えた思いはあった。
まぁゲーム上では恋に発展したが。
俺は最悪というタイミングで前世を思い出した。
「ステラには俺の気持ちを告げた」
「彼女はなんと?」
「元より解っていたそうだ」
俺と恋人同士になる事を望んだわけではない。
それでも傍にいる事だけは許して欲しいと願われて俺は何も言えなくなった。
「彼女はこの領地で働く事を望んでくれた…本当に情けないよな」
「貴方もステラもどうしょうもない馬鹿ですね」
そうだな。
馬鹿かもしれない。
恋よりも役目を取った俺。
そしてステラも町の人達の期待を裏切れないだろう。
でもこれでいいんだ。
「メリーバッドエンドかもしれないけどな」
「何ですかそれ」
「こっちの話だ」
王道的な展開ではないにしろ登場人物が幸せな展開だ。
恋愛小説ならばヒロインは王子様と一緒に生きるのが幸せと考えるが、あくまで読者視点だ。
俺からすれば自分の幸せだけを選んで周りを不幸にするなんて本当の幸せじゃない。
「自分さえ幸せならそれでいい…そんなのは物語だけだろ」
「ロマンス小説を書いている作家に怒られますよ」
「作家の前に言うわけないだろ」
現実と創造の世界は違う。
人の考えが100通りあるから強要はしない。
俺は俺の物差しで考えるだけだ。
「ステラの気持ちに応える事はできない」
「承知しました」
「彼女は大事な友であり戦友だと思っている」
恋人になれなくとも俺は彼女を信頼している。
「レックやエヴァのようにとはいかいながな」
俺は恋に生きる事は出来ない。
もっと大切な物があるし、王都から出てまで俺について来てくれた彼等を裏切る事はできなんだ。
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