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第二章北方四島の絆
26説教
しおりを挟む「まったく何をお考えなのですか!」
現在自室にて側近に睨まれお説教中。
エグバートとナージャは席を外しているだろうが、二人もお説教を受けている。
「その…」
「言い訳は結構。もしあのまま崖から落ちて頭を打ったらどうする気だったのです」
「ごめんなさい」
もう謝るしかない。
弁解のしようもないのだから。
「フィルベルト様はどうしてこうも、じいを悲しませるのです」
「いや、じいや」
別に泣かせる気はなかったんだけど。
それに崖から落ちないように命綱をしっかりつけていたし、下には柔らかい雪もあるし計算はしたんだ。
俺が落ちる前提だけど。
結局崖に上る時にエグバートがサポートをしてくれたんだけど。
「フィルベルト様、解っているのですかな」
「はい、軽率な行動をして申し訳ありません」
「貴方様は領主ですぞ!万一貴方に何かれば領民はどうなるのです!」
普段声を荒げることがないカーマイエル公爵に俺は驚く。
「ようやく新しい事業が軌道に乗り、領民も食べることができました。暮らしぶりは苦しくとも生きて行くことに希望を見出した民を再び奈落の底に叩き落す気か」
「そんな…」
「今回はたまたま運が良かっただけです」
そこまで考えていなかった。
まだ利益はそこまで出ていないが、領民を食べさせるほどにはなった。
「もし新たな領主が来てしまえば領民の暮らしは逆戻り…いいえ、もっと酷くなるでしょう」
「そんなことは…」
「解りませんか!貴方のように愚直な程馬鹿な貴族はおりません」
ねぇ、本人を前にして言うか?
確かに頭は良くないけどそこまで言う?
俺、最近酷い言葉しか言われないんだけど。
「フィルベルト様、今回ばかりは」
「カーマイエル公爵に一票ですな」
俺の側近の誰一人として味方はいなかった。
「やはり貴方様には教育が少し足りないようですな」
「へ?」
「罰として今日から二週間、謹慎です」
「二週間も!」
その間外に出られないと言う事は嫌な予感がする。
昔、カーマイエル公爵の言いつけを破って部屋に缶詰にされたあの記憶。
「ええ、私と同じ部屋で過ごしていただきます」
「そんなぁぁぁ!」
常に監視され寝るベッドも同じなんて最悪だ。
この日俺は心に誓った。
これから無茶は止めよう。
そしてもっと上手く立ち回るべく勉強しようと誓ったのだが、俺の行いは全て間違いではなかった。
神様が不運な俺にご褒美をくれたのか。
それともただの偶然か、二週間後にエセリラ皇女の熱が下がり、回復に向かったと報告が来たのだった。
だが、その事がきっかけでとんでもない事態になるのだった。
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