悪役令嬢と弟が相思相愛だったのでお邪魔虫は退場します!どうか末永くお幸せに!

ユウ

文字の大きさ
117 / 129
第四章若き王と明日への架け橋

9恋い慕う

しおりを挟む




側近の思わぬ恋話に俺は嬉しくなった。


「ナツメとステラか!嬉しいな」

「呑気ね」

「いやぁ、俺も責任を感じていたんだ」


実際ステラは真面目だからきっと気を使わせてしまった。

「そうね?彼女を辺境地に連れて来るほどですものね」

「いや…あれは」

「ステラも貴方を追いかけて来たのだから、当然でしょう」


根に持っているな。
だけどステラは恋の為にすべてを捨てる女の子じゃない。


「解ってるわよ過去の事だって。だけど今後、側室を持たなくてはならないのよ。その時は私の許可なくは許さないから」

「え!」

「何よその顔は…貴方はどうしてこうも自覚がないのよ!」


何で怒るんだ。
普通は逆だと思うんだけど、変に潔いもんな。


「でも俺、君以外娶る気は…」

「甘いわよ。そんな甘い考えで生き残れるの?」

「でも…まだまだ国は落ち着いていないしさ?側妃を迎える余裕は」

貴族社会では愛人を持つのがステータスだがその分お金がかかる。
エリンデール王国は余裕があるわけじゃない。


「だから援助してくれる国の姫君、貴族を迎えるのよ」

「だけどな…」


リーシェ以外を妻に迎えるのは別の意味で無理がある。
なんせ俺は甲斐性がないのだから。



「俺は君と婚約する事を決めたのは義務だけじゃない…君のことが好きだからだ」


今さらだけど。

「俺の感情は世間でいる激しい恋とは違うだろう…だけど俺は君だから今回の契約婚約を受けた。君には幸せになって欲しいから」

「なっ…何言っているの」

「他の誰でも良いならこんな事はしない」


「今ここでいう事じゃないでしょ!」

「今言わないで何時言うんだ。俺は王としての責務は果たす覚悟だ。だけど側妃は取らない」

「貴方ねぇ!」


確かに他国の姫君を妻に迎える事で援助を受けられるだろう。


だけど俺の前世では一夫一妻制だ。
何より俺の産みの母も育ての母も側妃を持たない父を支えていた。


「甘い事を言うけど、俺は君を傷つけたくない」

「この馬鹿!」

「わぁ!」

クッションを投げられ、リーシェは怒ってそのまま部屋を出て行ってしまった。


「リーシェ…」


俺は国王として間違っているのだろうか。


確かにリーシェの気持ちも解る。
だが、下手に他国の姫を妻にすれば政治にも口出しをして国を乗っ取ろうとするだろう。


どちらにしてもリスクが伴うならば、後悔はしたくない。


何より俺は――。


「今さら君が好きだなんて信じて貰えないのか…」



君以外を娶りたくないなんて我儘なのか。


しおりを挟む
感想 164

あなたにおすすめの小説

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

転生幼女は追放先で総愛され生活を満喫中。前世で私を虐げていた姉が異世界から召喚されたので、聖女見習いは不要のようです。

桜城恋詠
ファンタジー
 聖女見習いのロルティ(6)は、五月雨瑠衣としての前世の記憶を思い出す。  異世界から召喚された聖女が、自身を虐げてきた前世の姉だと気づいたからだ。  彼女は神官に聖女は2人もいらないと教会から追放。  迷いの森に捨てられるが――そこで重傷のアンゴラウサギと生き別れた実父に出会う。 「絶対、誰にも渡さない」 「君を深く愛している」 「あなたは私の、最愛の娘よ」  公爵家の娘になった幼子は腹違いの兄と血の繋がった父と母、2匹のもふもふにたくさんの愛を注がれて暮らす。  そんな中、養父や前世の姉から命を奪われそうになって……?  命乞いをしたって、もう遅い。  あなたたちは絶対に、許さないんだから! ☆ ☆ ☆ ★ベリーズカフェ(別タイトル)・小説家になろう(同タイトル)掲載した作品を加筆修正したものになります。 こちらはトゥルーエンドとなり、内容が異なります。 ※9/28 誤字修正

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

悪役令嬢の父は売られた喧嘩は徹底的に買うことにした

まるまる⭐️
ファンタジー
【第5回ファンタジーカップにおきまして痛快大逆転賞を頂戴いたしました。応援頂き、本当にありがとうございました】「アルテミス! 其方の様な性根の腐った女はこの私に相応しくない!! よって其方との婚約は、今、この場を持って破棄する!!」 王立学園の卒業生達を祝うための祝賀パーティー。娘の晴れ姿を1目見ようと久しぶりに王都に赴いたワシは、公衆の面前で王太子に婚約破棄される愛する娘の姿を見て愕然とした。 大事な娘を守ろうと飛び出したワシは、王太子と対峙するうちに、この婚約破棄の裏に隠れた黒幕の存在に気が付く。 おのれ。ワシの可愛いアルテミスちゃんの今までの血の滲む様な努力を台無しにしおって……。 ワシの怒りに火がついた。 ところが反撃しようとその黒幕を探るうち、その奥には陰謀と更なる黒幕の存在が……。 乗り掛かった船。ここでやめては男が廃る。売られた喧嘩は徹底的に買おうではないか!! ※※ ファンタジーカップ、折角のお祭りです。遅ればせながら参加してみます。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...