白のグリモワールの後継者~婚約者と親友が恋仲になりましたので身を引きます。今さら復縁を望まれても困ります!

ユウ

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第二章魔導士の条件

26性悪な貴族

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コパン達だけでなく商業ギルドで働くギルド達は貴族と関わり合いはあるが、決して友好的ではない。

例外があるとすれば、戦場に身を置く騎士の中でも分け隔てなく接してくれる騎士ぐらいだ。
後は医療班達とも交流が深い。


だが、貴族至上主義の考えを持つ魔術師や騎士達は平民のギルドを見下している。
身分制度があるにしても明らかな差別意識が酷かった。


ここ最近は城下町である少女の傍若無人な振る舞いが酷くなっている。


「主任、あんな女が本当に聖女なんですか」

「お世辞にも清い存在に見えないな。戦場でも派手に着飾っているようだが…」

「それに、隣の男…」

コパンは食堂にいるからこそ陰口が聞こえてくる。
そして噂だけではなく本人達の会話も筒抜けだったのだ。


「告げ口はよせよ」

「しませんよ、そんな低次元な事を」

店を持つ者は客同士の噂を流すような真似はしない。


「だけど、陰で身分の低い俺達を虐げるような女が聖女なわけない…そんなの認めたくありません」

「ああ、身分が低いとゴミのような目で…」

「キュー!」

「おお、悪いなチビ助。お前にこんな話をしても仕方ないのにな」

モモンが鳴き声をあげるとパイナップルを一口に切って差し出す。

「キュー!」

「おい、興奮するなよ」

早く欲しいと両手を上げるも。


「わっ…」

フォークに刺していたパイナップルが飛んでいく。


「あっ!」

「キュー!」

パイナップルに夢中なモモンな追いかけようとしたが、そこに誰かが歩いてい来るに気づかなかった。


「きゃあ!」

悲鳴が聞こえるもモモンはパイナップルしか見えておらず突っ込んだが――。


「何よこのれ!」


モモンが顔にへばりついた人物が悪かった。


「ユフィ!」

「何なの…きゃあ!私の制服が…しかもスカーフを新調したばかりなのに!」


制服は決められているがスカーフなどは自由に変えられる。
ユーフィリアの制服はアレンジをされておりスカーフもブランドの品だった。

パイナップルの汁が飛んでベタベタになった。


「貴様!」

「キュー!」

「最低!何よ、この汚い鼠は!」

「キュー…」


汚い鼠と言われたモモンは目を光らせる。
彼等従魔は体は小さくともプライドが高かったのだ。

「首輪があるから従魔か」

「どうせこんなショボい従魔を従わせるなんて三流以下よ」

「キュー!」

「ちょっと何よ!」


モモンは主であるソーマを深く愛していた。
自分への侮辱は許せなかったが、ソーマの侮辱はもっと許せないのだった。


二人はソーマが使役しているとは知らずに威嚇して来たモモン不快感を表し乱暴な行動をしたのだが…


「止めてください!」

コパンがモモンを奪い抱きしめた。


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