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第三章真実の聖女
5絵にかいたような舅
しおりを挟む全校生徒が集まる校庭での言葉。
学園内の悪い噂はあれど、ここで辺境伯爵であるティエルドにメアリの事を改めて言う者はいない。
そんな真似は自殺行為だからだ。
「一般科の生徒でも優秀な…そうだ。先日の騒動で活躍した生徒が多くいると聞く。君のクラスの友人等も参加してくれ」
「えっ…」
白羽の矢が立ったのは取り巻き達だった。
メアリの噂を流している自称優秀な騎士達だった。
「ソーマ君、彼等は優秀なんだろう?」
「ええ、彼等は同じクラスだそうで。彼女達とも大変親しくされたいたと。パーティーも組んでいたそうで」
「いえ…僕達は」
「私達はそんな!」
このままでは難易度の高い森に派遣させられる。
彼等はパーティーを組んでいるがランクDぐらいの森しか攻略していない。
「でも私達は…」
「聖騎士のスキルを持っておるアーク殿に宮廷師団の魔術師であるユーフィリア殿が一緒なんだ。君達だけで十分だ」
「私達だけ…」
「ああ、以前の討伐には魔力の低い娘を連れて行ったのは、君程の魔術師が引く必要がないと小耳に挟んだんだ」
「なっ!」
メアリがユーフィリアの代理に戦場に派遣された事も噂が飛躍していた。
危険度高い戦場に魔術師を行かせなかったのはユーフィリア程の素晴らしい魔力を持った者の出る幕ではない。
「聞けば他の生徒もメアリに活躍の場をくれたと…そのおかげで第三騎士団からも評価を受けた。本当に感謝しなくては…しかもその戦場で帝国の騎士団が負傷していたそうなんだが」
「帝国…」
「あの遠征のおかげでメアリは帝国との渡りができてね…」
帝国と繋がりができたと言う言葉に絶句する。
「それはようございましたわ…ほほほ」
「彼女が帝国と…しかし」
「ああ、来年は国の外を出て留学も視野に入れている」
(は?留学だと!)
卒業後は結婚式となっている。
にも拘らず留学となればどうなるのかと思ったが。
「待ってください…」
「国王陛下からは是非にとお言葉を頂いている。帝国と親しくなることは良きことだからね」
アークが真っ青な表情をするの解っていながら、笑みを崩さなかった。
「婿殿の活躍を期待しているよ。国王陛下にも君の騎士としての腕前は疑いようがないと言ってあるので、最前線で活躍できれる事を望んでいただろう?」
「しかし私は…」
「謙遜しなくても良い。期待しているよ」
公の場で騎士団団長にここまで言われれば何も言えない。
しかも舅となるティエルドとは何処からどう見ても理想的だとも思った。
「期待しているよ」
学園では無理矢理な婚約を強いられ領地では辛い思いをさせられていたと聞くが、ティエルドが騎士としても優れている事を知っている人間は少なくなかった。
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