白のグリモワールの後継者~婚約者と親友が恋仲になりましたので身を引きます。今さら復縁を望まれても困ります!

ユウ

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第三章真実の聖女

4訪れ

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メアリが学園に戻るよりも前に、ティエルドはソーマと共に学園に来ていた。
公の視察としているでの騎士団を連れた登場は派手なもので、学園中の生徒が驚きを隠せない。

何故ならティエルドは騎士団の隊長でもあるのだから。
王宮騎士団の中で第一騎士団から第三騎士団は実力者揃いで、狭き門だからだ。


特にティエルドは近衛騎士とも顔が広く将来騎士を目指す生徒からすれば憧れの存在だった。

そんな人物に昼間から全校生徒の前で声をかけられていれば目立つのだ。


「閣下!」

「久しぶりですな。アーク殿」


本来ならば喜ばしい事だが、今はタイミングが悪かった。
隣でユーフィリアの肩を抱きいちゃついている姿を見られたのだから。

「何故…」

「聞いておりませんでしたか?私は専科では定期的に訓練をしておりましてね」

「えっ…」


「知りませんでしたか?私はエリルデード魔法学園の卒業生だったと以前にも申し上げたのですが」


変わらない穏やかな笑みを浮かべながらもアークは笑う余裕はなかった。


(聞いていないぞ…しかも専科の教官だと!)


「卒業生とは知りませんでしたわ」

「当然です。閣下は特待生で生徒会を務めておられましたので。一般科の魔術師であるユーフィリア様が知らなくても当然です。知っているとすれば魔導士か、成績上位の方でしょう」

「なっ!」

傍に控えていた部下が遠回しにお前程度が知るわけないだろと馬鹿にしていた。


「止めないか。一般科でも特別科に転科する生徒もいる…ユーフィリア嬢は大変優秀と聞く。ならば既に転科の声は聞いているだろう」

「えっ…ええ」

ぎこちなく笑うユーフィリアは頷いた。
本当は転科何処か星を奪われ、最近では実技の試験が落ちている。

魔力が弱まっているとも言われているのだが、ユーフィリアは鑑定士が無能だからだと思っていたのだが。

「それはご無礼をいたしました。では今日の訓練の際にご同行をお願いできませんか?」


「は?」


ティエルドの部下がこの後専科、本科の生徒を連れて野外訓練を行う事になっていたので魔術師を同行させたいと思っていたのでそんなに優秀なら同行して欲しいと頼み込んだ。


「待ってください…何故」

「風の噂で君達が目覚ましい程の成長をしていると聞いたんだ。学園のピンチを二度救ったと…ならばその才能を存分に使うべきだ。ユーフィリア嬢は治癒師の才能もあると…ならば現在ランクBで暴れている魔物の討伐にも参加して欲しい。勿論聖騎士の君にも」

「私もですか!」


ランクBの森は凶悪な魔物が多く。
特に知性を持つ魔物がいる。

最近はその被害が酷く騎士達も負傷者が多いので学園内でも特に優秀な騎士を派遣して欲しいとギルドから依頼が来ているのだ。


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