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第四章
第26話『胸騒ぎを確認するため』
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騎士団長コルサを待つマキナは、【王都グウェード】へ発つ途中で野営の準備を整えていた。
「もう少し長い時間滞在できないだろうか。もしくは、もう少し頻度を多くできないかな」
村から発って間もないというのに、名残惜しそうに愚痴を零す。
「あのもふもふを撫でられないは、私にとっては死活問題だ」
目を閉じ、愛らしく抱きついてくるフェリスを想像しながら宙を撫で始める。
「ああ、そうよね。尻尾ももふもふしているから、お泊りしているときはつい撫で続けちゃうのよね」
毎度行われる、女子3人だけのお泊り会。
マキナにとっても毎日味わいたいほど楽しみな恒例行事となっている。
「リリィナも恥ずかしがらずに撫で回すことを許可してほしいわ。あんなに綺麗な金毛、はぁ~ずっと撫で続けていたいわね」
ちなみに就寝時は川の字になるわけだが、リリィナが完全に寝るまで待って尻尾を撫でてみたことがある。
しかしその際、リリィナは即座に目を醒ましてマキナには撫でさせない、という取り決めをしていた。
そもそもリリィナは誰に対しても撫でる許可を下ろしていないのだから、私利私欲で触ってしまえばそうなるのも必然。
だからこそフェリスを永遠に撫で続けている。
「……マキナ、またか」
「――隊長ですか」
「お楽しみの際中お邪魔して悪かったな」
「いいえ、何も問題ありません。ここへ来られたということは、用は済んだということですね」
「少年から聞いたのか。なら話は早いな、そうだ」
野営用の、木々に紐を括りつけて作るテント内へコルサは入っていき装備を外す。
「今回は揃って帰った方がよさそうだから、出発は明日だな」
「私が少し無理を言って先に王都を出てしまっているので、申し訳ございません」
「まあ大丈夫だろ、別に誰も気にしてないさ」
「ところで隊長、お聞きしたいことが」
「ん?」
「ユウトから報告を受けた討伐対象は、数が多かったのですか?」
「いや? 1体だな」
「隊長がたった1体を討伐するには少し時間がかかったと思いまして」
「おっ、いよいよ嫌味の1つをぶつけてくるようになったか」
「違います。単純にそう思っただけです」
テントから出てきたコルサは、天然の椅子もとい倒木に腰を下ろす。
「時間がかかった理由は大きく2つ。討伐した後、生活の糧にしてもらおうと死体を村まで引きずりながら運んだ。さすがに重かったからな、多少は時間がかかった」
「なるほど。さすがは隊長、村の人も喜んでいると思いますよ」
「それで主に遅れた要因はこっちにある。というのも、ユウトからの報告によると『目が赤い獣』と遭遇したらしい」
「目が赤い……そういった種族だったのですか? それとも」
「どっちの線も視野に入れて、注意深く戦った。だが、最後の最後まで魔物特有の足掻きはなく、呆気なく倒せた。その後も様子を見たが、それらしい動きはなかったな」
「討伐した獣とユウトが遭遇した獣が別の可能性は?」
「確認してはないが、たぶん合ってるはず。それに、確認の意味も込めて結界を跨いだんだ。魔物だったら、結界に反応があると思ってな」
「なるほど、良い策ですね」
コルサは腕を組んで姿勢を正す。
「魔物の特性だとはいえ、あの悲劇を繰り返してはならない。ったく、あいつらはしぶとく生き残るから、本当にたちが悪い」
「フェリスとリリィナが襲われた事件ですよね」
「ああ、あいつら普通の人間も襲うくせに、【魔法】と【霊法】を使用できる人間を最優先に狙うからな。ただでさえ使用者の数が少ないってのに、迷惑極まりない」
「……私が対面したら、戦えますか?」
「どうだろうな、獣とか魔獣とかみたいに種族とかで一定の強さが決まっているのに対して、魔物は個体によって差がありすぎるからな」
「納得できない答えですが、それが現実なのでしょうね」
「まあ気を張りすぎるな。そもそも、あんなやつらは単独で戦う相手じゃない。もしもそのときが来たら、俺らも居るから大丈夫だ」
「そうですね。ときに疑問なのですが、魔物は得意な存在を狙う傾向があるという認識で合っていますよね」
「ああ、そうだな」
「であれば、もしも神から授かったスキルを所有する【星降り人】かつ【魔法】や【霊法】が使用できる人間が居るとしたら、最優先になるのですか?」
「うーん……」
コルサは右手で顎を触りながら、少し思考を巡らせる。
マキナの疑問に対してそのまま返答するのであれば、その通り。
そして、その条件に当てはまる人間は【星降り人】の中で珍しい話ではない――このことはマキナも把握している。
だがそもそもの話、希少な存在である【星降り人】はそれぞれ役職を神から与えられており、それぞれが適切に役に準ずることができる場所へ召喚される決まり。
であれば、そもそも魔物に襲われたとしても護衛隊や騎士団が配置されていたりするから、襲われるような心配はかなり少ない。
「……ユウトのことを思い浮かべているのか?」
「はい。最後の訓練を行っている際、本人も驚いていたのですが効果もわからないスキルをリリィナの目によって言語化されていました」
「ほう。いろいろと気になる話はあるが、続けてくれ」
「はい。それで、リリィナの口からは『魔力と霊気が腕に集まっていく』と」
「ほほう」
「しかし、ユウトは【魔法】と【霊法】どちらも使用することはできませんでした。もしかしたら、今となっては2人の助言によって発現させているかもしれませんが」
「それが本当だとしたら、あんな見た目で全然大したことないのに【星降り人】っていうのは凄いな」
「ですね。私の手加減ありの攻撃で伸びてましたから」
マキナは鞘から剣を抜刀する。
「隊長、なんだか胸騒ぎがします」
「ん?」
「もしも魔物が何かしらの手段を用いて生存していたとして。標的をフェリスやリリィナと定めていたとしても、ユウトという存在を記憶していた場合……」
「まあ、そんなことがもしもあるとしたら、想像通りの結末になる可能性はあるだろう。だが、魔物は別に人間の能力を可視化できるわけじゃない。だから、戦闘中に【魔法】や【霊法】を使わなかったら他の人間と同じようにしか見えていない。まさかユウトが、この世界へ来て早々に魔物の前でスキルを使うはずがないだろう。使用方法も効果もわからないって話だったんだし」
「……それが、あるようです」
「うっそ」
「フェリスがそう言っているのですから、本当なのでしょう。『私が襲われているときに、ユウトがスキル【吸収】――発動!!』と唱えていた、と話していました」
「思っていた以上に人情深いというか、お人好しと言うか。ユウトは相当に信用できる人間という証明になったが――そういうことなら、その最悪の想定が現実となる可能性は出てくるな。しかし、結界をなんとかできるとは思えないが」
マキナは剣を鞘へ納刀し、コルサの前へ移動し、深々と頭を下げる。
「隊長、確認するだけの時間を私にください」
「一緒に帰らなかったら、周りに示しがつかないのは承知の上で?」
「……はい。できましたら、隊長のお力もお借りすることは――」
「悪いがそれはできない。俺は、もしもマキナ帰還せずとも王都へ戻らなくてはならない」
「……」
「俺たちは偽善活動をしているんじゃない。国家に所属し、国家の為に戦う。それが騎士団に……いや、どこかに所属するってことだ。感情に任せて行動していい立場にはない」
「はい……」
コルサの発言内容は、マキナにも当てはまることであり、今の自分はそれを背こうとしている。
如何に自分が身勝手極まりないかを噛み締めるしかない。
「でも、私は……」
「友を想うことは立派なことだ。何も間違っちゃいない。そして、想定している状況になれば間違いなく村は全壊し、全滅する。いや、村人を必死に逃がすために、『ありがとう』の一言すら感謝されずとも嬢ちゃんたちが戦うだろう。そのおかげで犠牲者はほとんど出ないかもしれない」
「……でもそれじゃ、私の友人たちが……」
「戦闘経験も浅く、能力も足りず、しかも村人を護るために力を制限されているから間違いなく死ぬだろう」
「……」
マキナは自身の無力さを悔んでも悔やみきれない。
可能性の話だが、友の危機に馳せ参じることができないことを。
耳鳴りが鳴るほど歯を食いしばり、拳や両足にグッと力が入る。
「だがまあ、ちょーっと野営中に寝坊したり、眠気に負けて二度寝したり、荷物を片付けるのに時間がかかっても――不思議じゃないよな?」
「ど、どういうことですか」
「日頃の疲れが出て王都へ帰るのが遅くなっても、俺の立場だったら仕方がないことがよな? それで文句を言ってくるやつは、人間としてどうかと思うよな?」
「いったい何を……」
「そんでもって、直属の部下が大事な物を落してしまい、探しに戻ったとしても文句を言うやつは居ないよな?」
「もしかして――」
「俺は規律正しき騎士団の隊長だからなぁ~。部下のことを大切に思っていても不思議じゃないよなぁ」
コルサはわざとらしく両手を首の後ろへ回し、ウインクを一度。
「後悔は残すな。そんで、ちゃんと帰ってこい。何もなかったらそれでよし。何かあっても、俺の部下なんだからなんとかしてみせろ」
「――隊長……ありがとうございます」
マキナは、安堵の心と隊長の優しさに溢れそうな涙を拭い、再び深々と頭を下げる。
「ちゃんと戻ってきます」
「あいよー、お土産よろしく」
「じゃあ先に、あちらにフェリスとリリィナが作ってくれた弁当がありますので」
「おっ、こりゃあ嬉しいねぇ。じゃあ、ありがたくいただくか」
「それでは隊長、行ってきます」
「おうおう。ユウトにもよろしくなー」
「忘れていなければ」
「うわ冷てぇ」
「それはそうですよ、ユウトはまだ友人ではないですから――」
マキナは、コルサが手を振っているのを目視した後、馬に跨って【ヴァンダ村】へと足を進めた。
「もう少し長い時間滞在できないだろうか。もしくは、もう少し頻度を多くできないかな」
村から発って間もないというのに、名残惜しそうに愚痴を零す。
「あのもふもふを撫でられないは、私にとっては死活問題だ」
目を閉じ、愛らしく抱きついてくるフェリスを想像しながら宙を撫で始める。
「ああ、そうよね。尻尾ももふもふしているから、お泊りしているときはつい撫で続けちゃうのよね」
毎度行われる、女子3人だけのお泊り会。
マキナにとっても毎日味わいたいほど楽しみな恒例行事となっている。
「リリィナも恥ずかしがらずに撫で回すことを許可してほしいわ。あんなに綺麗な金毛、はぁ~ずっと撫で続けていたいわね」
ちなみに就寝時は川の字になるわけだが、リリィナが完全に寝るまで待って尻尾を撫でてみたことがある。
しかしその際、リリィナは即座に目を醒ましてマキナには撫でさせない、という取り決めをしていた。
そもそもリリィナは誰に対しても撫でる許可を下ろしていないのだから、私利私欲で触ってしまえばそうなるのも必然。
だからこそフェリスを永遠に撫で続けている。
「……マキナ、またか」
「――隊長ですか」
「お楽しみの際中お邪魔して悪かったな」
「いいえ、何も問題ありません。ここへ来られたということは、用は済んだということですね」
「少年から聞いたのか。なら話は早いな、そうだ」
野営用の、木々に紐を括りつけて作るテント内へコルサは入っていき装備を外す。
「今回は揃って帰った方がよさそうだから、出発は明日だな」
「私が少し無理を言って先に王都を出てしまっているので、申し訳ございません」
「まあ大丈夫だろ、別に誰も気にしてないさ」
「ところで隊長、お聞きしたいことが」
「ん?」
「ユウトから報告を受けた討伐対象は、数が多かったのですか?」
「いや? 1体だな」
「隊長がたった1体を討伐するには少し時間がかかったと思いまして」
「おっ、いよいよ嫌味の1つをぶつけてくるようになったか」
「違います。単純にそう思っただけです」
テントから出てきたコルサは、天然の椅子もとい倒木に腰を下ろす。
「時間がかかった理由は大きく2つ。討伐した後、生活の糧にしてもらおうと死体を村まで引きずりながら運んだ。さすがに重かったからな、多少は時間がかかった」
「なるほど。さすがは隊長、村の人も喜んでいると思いますよ」
「それで主に遅れた要因はこっちにある。というのも、ユウトからの報告によると『目が赤い獣』と遭遇したらしい」
「目が赤い……そういった種族だったのですか? それとも」
「どっちの線も視野に入れて、注意深く戦った。だが、最後の最後まで魔物特有の足掻きはなく、呆気なく倒せた。その後も様子を見たが、それらしい動きはなかったな」
「討伐した獣とユウトが遭遇した獣が別の可能性は?」
「確認してはないが、たぶん合ってるはず。それに、確認の意味も込めて結界を跨いだんだ。魔物だったら、結界に反応があると思ってな」
「なるほど、良い策ですね」
コルサは腕を組んで姿勢を正す。
「魔物の特性だとはいえ、あの悲劇を繰り返してはならない。ったく、あいつらはしぶとく生き残るから、本当にたちが悪い」
「フェリスとリリィナが襲われた事件ですよね」
「ああ、あいつら普通の人間も襲うくせに、【魔法】と【霊法】を使用できる人間を最優先に狙うからな。ただでさえ使用者の数が少ないってのに、迷惑極まりない」
「……私が対面したら、戦えますか?」
「どうだろうな、獣とか魔獣とかみたいに種族とかで一定の強さが決まっているのに対して、魔物は個体によって差がありすぎるからな」
「納得できない答えですが、それが現実なのでしょうね」
「まあ気を張りすぎるな。そもそも、あんなやつらは単独で戦う相手じゃない。もしもそのときが来たら、俺らも居るから大丈夫だ」
「そうですね。ときに疑問なのですが、魔物は得意な存在を狙う傾向があるという認識で合っていますよね」
「ああ、そうだな」
「であれば、もしも神から授かったスキルを所有する【星降り人】かつ【魔法】や【霊法】が使用できる人間が居るとしたら、最優先になるのですか?」
「うーん……」
コルサは右手で顎を触りながら、少し思考を巡らせる。
マキナの疑問に対してそのまま返答するのであれば、その通り。
そして、その条件に当てはまる人間は【星降り人】の中で珍しい話ではない――このことはマキナも把握している。
だがそもそもの話、希少な存在である【星降り人】はそれぞれ役職を神から与えられており、それぞれが適切に役に準ずることができる場所へ召喚される決まり。
であれば、そもそも魔物に襲われたとしても護衛隊や騎士団が配置されていたりするから、襲われるような心配はかなり少ない。
「……ユウトのことを思い浮かべているのか?」
「はい。最後の訓練を行っている際、本人も驚いていたのですが効果もわからないスキルをリリィナの目によって言語化されていました」
「ほう。いろいろと気になる話はあるが、続けてくれ」
「はい。それで、リリィナの口からは『魔力と霊気が腕に集まっていく』と」
「ほほう」
「しかし、ユウトは【魔法】と【霊法】どちらも使用することはできませんでした。もしかしたら、今となっては2人の助言によって発現させているかもしれませんが」
「それが本当だとしたら、あんな見た目で全然大したことないのに【星降り人】っていうのは凄いな」
「ですね。私の手加減ありの攻撃で伸びてましたから」
マキナは鞘から剣を抜刀する。
「隊長、なんだか胸騒ぎがします」
「ん?」
「もしも魔物が何かしらの手段を用いて生存していたとして。標的をフェリスやリリィナと定めていたとしても、ユウトという存在を記憶していた場合……」
「まあ、そんなことがもしもあるとしたら、想像通りの結末になる可能性はあるだろう。だが、魔物は別に人間の能力を可視化できるわけじゃない。だから、戦闘中に【魔法】や【霊法】を使わなかったら他の人間と同じようにしか見えていない。まさかユウトが、この世界へ来て早々に魔物の前でスキルを使うはずがないだろう。使用方法も効果もわからないって話だったんだし」
「……それが、あるようです」
「うっそ」
「フェリスがそう言っているのですから、本当なのでしょう。『私が襲われているときに、ユウトがスキル【吸収】――発動!!』と唱えていた、と話していました」
「思っていた以上に人情深いというか、お人好しと言うか。ユウトは相当に信用できる人間という証明になったが――そういうことなら、その最悪の想定が現実となる可能性は出てくるな。しかし、結界をなんとかできるとは思えないが」
マキナは剣を鞘へ納刀し、コルサの前へ移動し、深々と頭を下げる。
「隊長、確認するだけの時間を私にください」
「一緒に帰らなかったら、周りに示しがつかないのは承知の上で?」
「……はい。できましたら、隊長のお力もお借りすることは――」
「悪いがそれはできない。俺は、もしもマキナ帰還せずとも王都へ戻らなくてはならない」
「……」
「俺たちは偽善活動をしているんじゃない。国家に所属し、国家の為に戦う。それが騎士団に……いや、どこかに所属するってことだ。感情に任せて行動していい立場にはない」
「はい……」
コルサの発言内容は、マキナにも当てはまることであり、今の自分はそれを背こうとしている。
如何に自分が身勝手極まりないかを噛み締めるしかない。
「でも、私は……」
「友を想うことは立派なことだ。何も間違っちゃいない。そして、想定している状況になれば間違いなく村は全壊し、全滅する。いや、村人を必死に逃がすために、『ありがとう』の一言すら感謝されずとも嬢ちゃんたちが戦うだろう。そのおかげで犠牲者はほとんど出ないかもしれない」
「……でもそれじゃ、私の友人たちが……」
「戦闘経験も浅く、能力も足りず、しかも村人を護るために力を制限されているから間違いなく死ぬだろう」
「……」
マキナは自身の無力さを悔んでも悔やみきれない。
可能性の話だが、友の危機に馳せ参じることができないことを。
耳鳴りが鳴るほど歯を食いしばり、拳や両足にグッと力が入る。
「だがまあ、ちょーっと野営中に寝坊したり、眠気に負けて二度寝したり、荷物を片付けるのに時間がかかっても――不思議じゃないよな?」
「ど、どういうことですか」
「日頃の疲れが出て王都へ帰るのが遅くなっても、俺の立場だったら仕方がないことがよな? それで文句を言ってくるやつは、人間としてどうかと思うよな?」
「いったい何を……」
「そんでもって、直属の部下が大事な物を落してしまい、探しに戻ったとしても文句を言うやつは居ないよな?」
「もしかして――」
「俺は規律正しき騎士団の隊長だからなぁ~。部下のことを大切に思っていても不思議じゃないよなぁ」
コルサはわざとらしく両手を首の後ろへ回し、ウインクを一度。
「後悔は残すな。そんで、ちゃんと帰ってこい。何もなかったらそれでよし。何かあっても、俺の部下なんだからなんとかしてみせろ」
「――隊長……ありがとうございます」
マキナは、安堵の心と隊長の優しさに溢れそうな涙を拭い、再び深々と頭を下げる。
「ちゃんと戻ってきます」
「あいよー、お土産よろしく」
「じゃあ先に、あちらにフェリスとリリィナが作ってくれた弁当がありますので」
「おっ、こりゃあ嬉しいねぇ。じゃあ、ありがたくいただくか」
「それでは隊長、行ってきます」
「おうおう。ユウトにもよろしくなー」
「忘れていなければ」
「うわ冷てぇ」
「それはそうですよ、ユウトはまだ友人ではないですから――」
マキナは、コルサが手を振っているのを目視した後、馬に跨って【ヴァンダ村】へと足を進めた。
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